2008年11月18日

韓国の鉄道運転形態調査

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 11月12日~15日に韓国旅行に行って来た際に観てきた、鉄道の運行に関する部分をピックアップして、コメントします。

 個人的に韓国鉄道公社線と地下鉄1号線との直通運転形態が気になったので、その部分を掘り下げてみたいと思います。

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写真-1:韓国鉄道公社の京釜・京仁線が地下鉄に直通する

 ソウル駅は地上駅と地下駅に分かれており、先日の書き込みの通り、地上駅はKTX等の長距離列車が使用し、地下駅は地下鉄1号線に直通する系統が使用しています。

 例えると、常磐線の北千住駅の地上部分が上野駅みたいな終点という感じですかね。

 こちらでは直通先区間もまとめて「1号線系統」の表記があり、日本だと松戸や柏の住宅販売資料に地下鉄千代田線で大手町まで○分と書かれているようなことが、公式になっています。

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写真-2:ソウル駅から京釜線・京仁線方面の路線図(拡大可)

 青が各駅停車、赤と緑が急行です。

 注目すべきは、赤急行の線がソウル駅の2駅手前龍山駅までの運転になっている事でしょうか。

 ソウル駅まで行くのは朝夕ラッシュ時のみ運転の緑急行か地下鉄直通の各駅停車となっているため、すれちがう列車の利用率を見ると、赤急行より各駅停車のほうが利用率が高かったかったように感じました。

 ただ、朝夕ラッシュ時の混雑がハンパ無いそうですから、龍山までの運転で十分機能するのでしょうね。通勤エリアがよく分かっていないので適当な発言ですが、地下鉄にも数路線乗り換えられますし、大丈夫なのかと。

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 次に、停車駅を見てみると、赤急行の近距離区間が各駅停車になっていますね。

 ソウルに近い各駅の利用が単純に多いのと、赤急行が龍山駅までの運転なので、乗り換え可能駅を増やしているのかなと考えました。

 赤急行、各駅停車とも京釜線、京仁線系統があるので、それらの接続の意味あいもあるのかな?

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写真-3:ソウル付近は複々線区間が続く(始興駅)

 ソウル地上駅からは優等線、ソウル地下駅からは各駅停車がそれぞれ複線区間を持つため、ソウル~龍山間は複々線になります。

 そして前述の通り赤急行の始発である龍山駅から京釜線、京仁線の分岐駅である九老駅までは何と3複線、以遠は京釜線は天安まで、京仁線は東仁川まで複々線になっています。何とも贅沢な施設ですね!!

 <KTXのアイコンゲットがしたい!!>

 で、今回は京釜線の始興駅まで行ってみました。

 写真-2の路線図の停車駅で分かるとおり、緑急行の最初の停車駅なのです。ソウルから乗るのは行先や停車駅が分からなくて怖いけど、逆なら行けるんじゃないかという事でね♪

 緑急行は朝夕ラッシュ時のみ運転という事で、7時50分くらいに降りてみると、次の緑急行は8時26分発でした。土日という事で本数が少なく、これがラストの1本だったので、感謝しつつホームで通過する優等列車を眺めていました。

 KTXをはじめとした優等系列車はドア位置が低く、ホームの高さが低いです。一方地下鉄に直通する一般列車系は日本と同様の構造であるため、ホームの高さが一致しておらず、各駅のホームが系統で分離されています。

 料金形態が異なるので、日本で言えば新幹線と在来のラッチが別であるような状況ですが、それは韓国においては構造的にも致し方ない部分なのかなと感じます。

 今回緑急行に乗ろうとしたのは、ソウルの地上駅に到着する列車だったので、そこにKTX撮影のチャンスがあると思っていたからですが、蓋を開けてみたら、やっぱり駄目でした(苦笑)。

 そのあたり書いておきます。 

 緑急行はソウル地上駅に向かうために、ソウル付近でKTXと同じ線路を走るのですが、上り列車のみ永登浦に停車するのは駅前後で転線して一般列車用ホームに停車することが可能であるからでした。

 つまり線路は同じでもホームは別でラッチは完璧に分かれている訳です。

 そうするとソウル駅は・・・・

 そうです、ソウル駅も優等ホームの脇にいかにも使用頻度が低そうな簡易な1面2線のホームがあり、階段は端部に1箇所だけ。進んでみたら地下鉄1号線の改札の中でした。

 まるで東武の業平橋地上ホーム(現存していませんね)のような感じでありました。

 仕方なく、あとで龍山駅で望遠を使ってKTXを撮影した次第です(笑)

 そんなこんなで京釜線、京仁線の運行形態に詳しくなれたのが今回の収穫だったかな?

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写真-4:龍山駅の時刻表(拡大可)

 初めて時刻表らしい時刻表に出会えたので、龍山駅の時刻表をUPします。

 列車種別ごとに枠が別になっており、行先で色を変えています。そのため日本のように注釈殆どなく、文字が少ない印象です。

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写真-5:地下鉄の時刻表(拡大可)

 こちらも発見できた箇所で撮影しました。韓国では時刻表があまり表だって掲示されておらず、運転形態が複雑な京釜・京仁線では幾らか見れましたが、地下鉄ではほとんど見つけられませんでした。

 で、これが地下鉄の時刻表ですが、日本でいうところの路面電車的です。

 早朝と深夜は時刻が示されていますが、その他の時間帯は朝夕ラッシュ時を含めてだいたいの運転間隔のみ表示です。

 これも文化の違いなのでしょうね!!

 以上、運転関係の報告を終えます。