2012年10月 9日

京急本線2012年10月21日改正ダイヤを作成してみる!!

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 京急が京急蒲田駅付近の下り線高架化完成に伴うダイヤ改正を10月21日に行います。

 非常に興味深い内容と分かりつつ、忙しくて考える余裕もなく、改正時刻が分かった段階で考察しようと考えていました。

 んで、公式サイトで新時刻が確認できるようになったので、取り急ぎ本線の日中時の上下ダイヤを作成してみました。

 幾分推測が入っていますが、だいたいこんな感じというのは分かるかと思います。

 以下、簡単にコメントします!!

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 <ダイヤ改正概要:日中時>

 ・京急蒲田駅付近下り線高架化完成に伴うダイヤパターンの見直し
 ・品川・都心方面~羽田空港間の快特(エアポート快特含む)10分間隔化
 ・横浜方面~羽田空港間のエアポート急行を10分間隔化
 ・品川~京急蒲田間普通の増発

 京急蒲田駅付近の連続立体化工事の高架化完成に伴い、これまで空港線内にあった施設制約が無くなったことで、羽田空港方面を大幅に強化するのが今回のダイヤ改正の目玉であります。

 これまでも施設制約があるなか、綱渡り的なダイヤを組み、出来る限りの運行を続けてきたこともあって、こうして施設完成に伴って最終形たるダイヤを示されると、かなり割り切った形にしてきたなぁという印象を受けました。

 しかし、上下線のダイヤを作成してみると、シンブルなダイヤパターンを目指したことが伺え、エアポート快特とエアポート急行を方面で分けたのも、京急蒲田の構造からすると、むしろベターなのかなぁとは感じた次第です。

 実の所、スカイアクセスが開業した段階のダイヤで京成線方面を完成形とするために、京急線内が暫定でやりくりをしたと捉えていたので、今回下り線が高架化しても、京成線方面まで大きくスジを変えてくるとは思っていませんでした。

 フタを開けてみれば、京成線方面を巻き込んで上下ともスジがかなり変更されていましたね・・・

 まだまだダイヤの読みが足りないということかなぁ(苦笑)。

 気をとりなおして、上下ダイヤについて簡単にコメントしたいと思います!!

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 <下りダイヤについて>

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図-1:下りダイヤ

 <全体について>

 エアポート快特が40分サイクルに1本設定されていますが、ダイヤ上の制約で設定されている感じはしないため、施策的設定であると捉えると、品川~京急蒲田間の普通が20分間隔で設定されているものの、ほぼ10分サイクルのダイヤになったと言えるでしょう。

 以前のダイヤは10分サイクル基調でも秒単位の設定で10分等間隔ではなかったのに対して、今回のダイヤは一部例外はあるものの、基本的に10分等間隔になっているようです。

 上下スジの見直しにより、久里浜線の単線区間の行き違い制約が無くなったためか、上下ともに存在していた同区間の間隔のバラつきが解消されたのは良かったです。

 <都営線方面~京急蒲田間について>

 都営浅草線の5分間隔ベースを引き継ぐ関係で、優等は基本5分間隔になるところ、従来ダイヤでは泉岳寺と品川の時間調整でパターンを成立させていたのに対して、新ダイヤでは快特を5分間隔ベースにして、そこに普通を挿入するという割り切ったパターンになりました。

 梅屋敷までが普通しか利用できなくなるための配慮として普通が増発されたものと思われますが、単純挿入というところに、本線系統・空港線系統とも10分等間隔、かつ合わせて5分等間隔というところに拘ったように感じます。

 このことについては、依然としてある京急蒲田~糀谷間の単線並列のダイヤを成立させる制約を踏まえると、快特スジが思いの外弄れないこともありまして、都営線方面からの所要時間という空港アクセス上時間調整をしたくないという部分と合わせて、今回のパターンになったのかなと考えます。

 空港線方面が快特の場合、本線普通が京急蒲田で接続するパターンになっており、うまく利用すれば雑色、六郷土手に速達できるところは周知されると良いなぁという感じ。

 一方で本線快特に乗っても京急蒲田でちょっとの差で横浜方面からのエアポート急行に乗れなかったり、本線普通から横浜方面のエアポート急行にちょっとの差で乗り換えられなかったり、もったいない部分があるなぁという印象もあります。

 空港線の制約があり、余裕を持たせたいという部分があることは伺えるものの、今までが綱渡りダイヤだったこともあり、京急蒲田他の施設が完成し、利用者も慣れた頃にもう少しチューンナップがされたら良いなぁと思う次第です。

 <京急蒲田~横浜間について>

 従来ダイヤではエアポート急行が20分間隔であったため、普通スジを10分等間隔で走らせる事を重視したパターンになっていて、エアポート急行スジがあまり機能しない設定になっていました。

 新ダイヤでは空港線内制約が大きく解消された事により、エアポート急行スジを見直し、京急蒲田~横浜間で先着するパターンになりました(京急蒲田で快特に接続したほうが良いという見方もありますが・・・)。

 その結果、神奈川新町で普通と緩急接続する形になり、普通のみ利用できる駅から横浜に出る場合、エアポート急行が利用できるようになりました。

 この接続があることで、エアポート急行利用可能者はエアポート急行にシフトするであろう事が、後述する普通の南太田待避化を許容できる理由になっているのかなぁとは感じるところです。

 <横浜以遠について>

 エアポート急行スジの見直しにより、快特とエアポート急行が上大岡で接続するパターンになりました。

 その結果、普通が南太田で2本待避というパターンになってしまいました。

 黄金町から下り方面利用など従来ダイヤと比べて利便性が下がる事は否めないところですが、エアポート急行の停車駅設定を見ると、このパターン前提という気がしないでもありません。

 最も混雑する区間ですので、従来ダイヤのように先着列車が多い事が望まれますが、10分サイクルに対して2本先着列車があれば、快特の混雑がそこそこに留まることが過去の調査で分かっているので、エアポート急行が停車駅利用者を集めることで、横浜発段階における快特、普通との分担は良い感じに分かれると思います。

 快特自体の混雑は仕方ない面もあるかもしれませんが、だからといって12両編成だと空いた車両が絶対に出来てしまうので、10分等間隔化により利用しやすくなったエアポート急行にシフトすることを期待したいところではあります。

 金沢文庫以遠は従来のダイヤとパターンは一緒なので、特段利用状況は変化しないと思います。

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 <上りダイヤについて>

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図-2:上りダイヤ

 <全体について>

 基本的に下りダイヤのひっくり返しパターンですが、京急川崎~横浜間の待避設備の違いにより、幾分普通スジが異なり、下りで可能である京急蒲田における空港線系統の快特に乗り継げない形になっています。

 川崎で無待避になっているのを長時間待避させる事で接続させる事もできますが、そこまでする必要は無いということでしょう。

 <上りダイヤで気になる点>

 前述の違いはあるも、基本下りダイヤのひっくり返しですので、下りは神奈川新町で緩急接続しているのが、上りで京急鶴見になっているなどあるにせよ、基本的な混雑分担はイーブンかなと考えます。

 ただし、上大岡~横浜間は下りと異なり快特がほぼ先着利用を担う形になってしまうことから、この部分だけどの程度の利用率になるか、気になる所ではあります。

 この区間は混んでいても横浜で下車する人も多いので、1区間の混雑と捉えれば良いという見方もできますが、果たしてどのような感じでしょうか?

 ダイヤ改正後しばらくしたらチェックしたいと思います!!

 今日はこんなところで。