2013年5月20日

2013年5月19日メトロ小竹向原駅利用状況調査

130520.jpg

 2013年5月19日にメトロ有楽町線・副都心線・西武有楽町線の小竹向原駅にて、渋谷・新木場方面の利用状況を到着時30分、発車時30分の計60分間調査しました。

 到着時、発車時の状況を確認するとともに、同じ時間帯に発着の確認は出来ませんが、補正をした上で小竹向原における乗換状況についても考えてみたいと思います。

 以下、コメントです!!

=====

 <到着時状況>

130520_01.gif
図-1:小竹向原駅到着時データ

 <全体の傾向>

 グラフを見ると分かる通り、和光市方面からの全列車および西武線方面の快速急行の利用率がほぼ同等で立ち客少々レベルになっており、快速急行を除く西武線方面は利用率が低い傾向になっています。

 最混雑は西武線方面の快速急行になっており、西武線方面の優等として十分な利用率になっていると言えますが、その他の列車の利用率が低いことから、トータルで見ると西武線方面からの利用が大きく増えている訳ではなさそうです(増加傾向にはあるのでしょうが)。

 和光市方面からの列車は和光市の段階では急行以外は利用率が低いことを確認しているので、こうして小竹向原の段階で各駅停車が急行と同等の利用になっているのは、地下鉄成増~氷川台間の利用が多いという事になりますね。

 和光市から無停車の急行と、各駅停車の利用状況が同等になっているのは、なかなか良いバランスかと思いますし、その急行と西武線方面からの快速急行が似た利用になっているのも中々良いバランスかと思います。

 <和光市方面の傾向>

 和光市方面からの列車の利用状況については前述の通り概ね似た利用状況ですが、各駅停車は有楽町線系統と副都心線系統があるため、系統が偏る場合に多少なりとも利用に影響が出るかな?と思ったら、予想以上に均等でビックリです。

 おそらく、行きたい系統の列車を待って乗る流れも一定数あると思いますが、小竹向原のホーム上乗換の状況を見た限り、先発列車に乗れば小竹向原駅で別系統列車に乗り換えられるという認識もあるように感じます。

 西武線からの列車が空いているという事も分かっているようで、小竹向原乗換でも座れれば、あえて待つ必要も無い感じでしょうか。

 <西武線方面の傾向>

 前述の通り快速急行の利用率が高く、他の各駅停車の利用率が低い傾向となっています。

 西武線系統の場合、西武線内の種別、発駅、ダイヤ接続関係、メトロ線の系統を含めた前列車間隔といった部分で利用が決まっており、これは副都心線開業後の快速運転時のダイヤとそれほど変わっていませんので、単に快速急行にした事で利用が高いという事では無いのかなと思います。

 ◆飯能発元町・中華街行快速急行(混雑ポイント:930p)

 快速急行は優等で飯能・小手指から走っており、ひばりヶ丘でメトロ直通同志の緩急接続を行うことや、集客ゾーンにおけるメトロ直通の前列車間隔が開いていることが利用率の高さに繋がっていると考えられます。

 西武線内のダイヤ構成上、有楽町線方面利用列車としても機能しているものと思われ、総てが副都心線方面という訳ではなさそうなのは以前の快速と同様でしょうか。

 ◆小手指発新木場行各駅停車(混雑ポイント:400p)

 小手指発という発車駅が遠方である点が他の各駅停車より集客する要因となりますが、ひばりヶ丘で快速急行と緩急接続するため、有楽町線方面利用で乗り換えたくない人以外は快速急行にシフトするものと思われ、前述の要因は最小限となっているように思います。

 どちらかと言うと、保谷、大泉学園、練馬高野台~練馬間の各駅停車利用駅で見た場合、メトロ直通で見た場合17分前後の前列車間隔となっており、他の各駅停車と比べて集客しているものと思われます。

 ◆保谷発元町・中華街行各駅停車(混雑ポイント:340p)

 保谷発でメトロ直通として見た場合、前列車間隔が5分前後の設定のため、この利用状況はむしろかなり多いのではないか?と感じるところではあります。

 石神井公園で急行と緩急接続するものの、10分前に快速急行があるためそれほど乗換えがあるとも思えず、練馬において副都心線方面で見た場合、快速急行と同等の前列車間隔となっているあたり、集客しているのかと思います。

 ◆保谷発新木場行各駅停車(混雑ポイント:200p)

 保谷発でメトロ直通として見た場合、前列車間隔は9分程度の設定のため、前列車間隔だけ見ると副都心線系統の各駅停車より利用が多くても良さそうですが、実際には利用が半分程度です。

 石神井公園で急行とは接続しているものの、有楽町線方面利用はともかく副都心線利用だと後続の快速急行まで待ってしまいそうな感じで、そのあたりの嗜好がこの結果になっているのかと推測します。

 到着時については以上です。

=====

 <発車時状況>

130520_02.gif
図-2:小竹向原駅発車時データ

 <全体の傾向>

 到着時調査後場所を変えての続行調査としましたが、時間帯の関係もあってか全体的に利用が少なくなっていることが確認され、行楽等利用が集中する時間帯はあるかなぁと思わせる変化ぶりです。

 機会があったらもう少し早い時間帯を見たみたいかも・・・

 さて、発車時ですが、小竹向原駅の乗換えもあり、有楽町線、副都心線とも和光市方面発、西武線方面発という傾向が緩和されています。

 その結果グラフを見て分かるとおり副都心線急行の利用率が最も高く、和光市方面の有楽町線・副都心線系統の各駅停車が幾分低い程度で、西武線方面の有楽町線、副都心線系統の各駅停車もある程度利用が増えています。

 データではまとめましたが、和光市方面の急行と西武線方面の急行(快速急行)は発車時も同等の利用でした。

 <副都心線方面の傾向>

 急行の利用率が高く、各駅停車の利用率が低い傾向になっています。

 各駅停車の半数は東新宿で急行を待避するため、新宿三丁目以遠を利用する人は最初から急行を利用するようで、急行の直前の各駅停車のほうが利用率が低い傾向があります。

 が、小竹向原までの傾向もあるため、多少利用のバラつきはあります。

 そのあたりは後述します。

 <有楽町線方面の傾向>

 30分サイクルに5本設定されていますが、思いのほか利用の差があることが分かります。

 基本傾向として、和光市方面発で西武線方面からの接続を受ける列車の利用が多く、特に快速急行接続の列車の利用率が高くなるようです。

 和光市方面発で西武線方面の接続無し列車が上記列車より幾分利用率が低く、西武線方面発で和光市方面からの接続をうける列車が最も空いている形になっており、最混雑列車との差は倍半分程度まではなっていないので、輸送力的にはまぁ妥当なところかとは思いますがもう少しバランスが良くても良いかなとは率直な印象です。

 これらの傾向は新木場に進めば進むほど均等化されていくものと思いますし、副都心線急行よりは利用率が低いこともあり、まぁ許容できるレベルかなとは思います。

=====

 <乗換状況の推察>

 前述の通り、到着時と発車時の調査時間は30分ずれでしたが、30分あたりの利用を見ても相当差が出てしまっているため、発着傾向から乗換状況を探るために補正値をかけてみます。

 小竹向原の乗降で和光市・西武線方面からの利用がどの程度増えるかを過去の輸送データから算出し、その数値となるよう発車時のデータを補正します。

 到着時と補正した発車時を比較することで、各列車の小竹向原における乗降傾向が見えてくるかな?という試みです。

 あくまで補正値なので参考ですが、以下の通りとなりました。

130520_03.gif

 <副都心線急行の状況>

 和光市方面(東武線方面)からの急行と西武線方面からの急行は到着状況も似た状況で、発車時もほぼ同様というのは、接続条件が異なる中ではなかなか良い状況であると考えます。

 厳密に見ると西武線方面からのほうが到着状況では混んでいるものの、有楽町線方面利用も担っていることから、その減少分が大きく作用しているようです。

 和光市方面から有楽町線方面に行く場合、あえて急行に乗らず和光市の段階で乗り換えてしまう流れもあると思われ、小竹向原における乗換えはあるものの西武線方面の急行ほどの増減は無いという事なのでしょう。

 <増減の多い列車>

 小竹向原における増減の傾向ははっきり出ています。

 増加の大きい列車は西武線方面からの有楽町線列車で、減少の大きい列車は和光市方面からの副都心線列車で、両者は相反する立場ですので、乗換えが機能していると言えます。

 このことから、和光市方面、西武線方面双方から有楽町線、副都心線方面列車を設定するダイヤも今となっては問題無しという見方が出来るのではないかと思います。

 以上です!!