2014年4月15日

相鉄線2014年4月27日改正ダイヤを分析する!!

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 相鉄の公式サイトで新ダイヤが確認できるようになっていたので、さっそく新ダイヤを作成してみました。

 今回は新種別特急の新設という大きな変化があった訳ですが、ダイヤを確認してみると思いのほか効率性も図っている「狙い」がある印象を受けた次第です。

 そのあたり旧ダイヤを比較しつつ分析していきたいと思います。

 以下、コメントです。

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図-1:旧ダイヤ(平日)

 まず、旧ダイヤの平日ダイヤから確認です。

 20分サイクルに急行2本、快速1本、各駅停車2本の5本が設定され、横浜口では1時間あたり15本の設定です。

 快速は星川で各駅停車と緩急接続し、二俣川で大和行各駅停車に接続するパターンになっており、快速がいずみ野線内各駅と希望が丘~大和間の輸送を担う形にすることで急行の補完をする形になっていました。

 ダイヤ構成上の制約として星川付近の高架化工事に伴う徐行、瀬谷駅構内改良に伴う徐行時間が加味されたパターンになっており、横浜駅の折り返し制約からスジを決めた結果、湘南台の折り返し、大和の折り返し間合が長くなってしまった、そんな印象を受けます。

 運用は全部で22運用になっており、各駅停車のうち5運用を8両編成でまわしていました。

 20分サイクルのため、6本区間の大和~海老名間は9~11分間隔、いずみ野線内は8~12分間隔となっていましたが、全体的にはすっきりしたパターンと言えましょう。

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図-2:旧ダイヤ(土休日)

 次に、旧ダイヤの土休日ダイヤです。

 30分サイクルに急行3本、快速1本、各駅停車3本の計7本が設定され、横浜口では1時間あたり14本の設定です。

 前回の改正で平日と土休日の本数構成が変更されており、土休日ダイヤでは快速が30分サイクルのため毎時1本減便されており、パターン上二俣川~大和間の各駅停車も30分サイクルになっています。

 接続関係は変更していないため、平日よりやや利用が少ないための対応といった印象でしたが、30分サイクルが採用されたことにより、今後30分サイクルの芽もあるのだろうと(直通の関係で)匂わせる状況でした。

 運用は全部で21運用になっており、平日同様各駅停車のうち5運用を8両編成でまわしていました。

 全体の本数は少ないものの、パターン上折り返し間合を短縮することが出来ず、1運用の差になっているところに改善の余地があったように感じます。

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図-3:新ダイヤ

 続いて、本題となる今回改正の新ダイヤです。

 <全体概要・印象>

 30分サイクルに特急2本、快速2本、各駅停車3本の計7本が設定され、1時間あたりの本数は14本と、旧ダイヤの土休日ダイヤの本数となりました。

 今回の目玉は特急の新設となりますが、それが本線系統のみならずいずみ野線系統にも設定されたことや、長年親しまれてきた本線系統の急行が快速になるという事のほうが大きな変更という見方も出来そうです。

 新ダイヤの時刻が明らかになり、ダイヤを作成してみて感じたことは、運用数を旧ダイヤよりも削減しており、思いのほか効率性を高めているなぁという事です。

 特急新設により、二俣川~海老名間、湘南台間に特急スジを追加するイメージで捉えていたので、運用数は旧ダイヤとイーブンもしくはやや増加という印象で、実際想定ダイヤを作成するにあたってはその前提で作成していました。

 しかし蓋を開けてみると、各所の折り返しを最小限にすることで運用数を極限まで抑えることで、特急新設にもかかわらず20運用を達成しています。

 こうした背景から、利用状況を踏まえた輸送力の見直しという目的も改正意図の中にはあり、特急というスジが立った列車を有効に設定することで速達化・利便性・効率性の狙ったという印象を受けるのです。

 よって、条件によっては利便性が下がるケースもあるものと思われ、そうした面がダイヤ改正の概要冊子の説明に示されているような点なのかと感じるところです。

 分かっていて、今後直通化によって再度輸送力を増強することを想定しつつ、現行のベストを尽くしたというところかと。

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 <ダイヤパターンについて>

 全体の印象を述べたところで、次に具体的なダイヤについて言及したいと思います。

 横浜口のパターンとしては、本線快速2本といずみ野特急1本が概ね10分間隔で設定され、本線特急が快速1本と続行を組むパターンとなりました。

 星川、瀬谷、いずみ野での待避は一切なく、二俣川における接続があるのみというシンプルなパターンとなりました。

 全体の運用を抑えるためには、可能な限り待避等のロスタイムをなくすことが求められるため、特急新設によりダイヤを大きく変えることの分かりやすさの追求もありましょうが、二俣川で接続という相鉄ダイヤの大前提を維持したという感じです。

 横浜口において14本を待避無しで設定し、工事以外の徐行をなくすためには、優等のスジを旧ダイヤよりも寝かせる必要があり、そこに本線急行の快速化の意味があるのかと捉えるところです。

 こうした狙いのダイヤであるため、折り返し間合いは比較的厳しい設定となっており、間合いを確保するため、列車種別で運用を固定することなく折り返している印象です。

 その結果、本線快速が8両になったり、空いているいずみ野線の各駅停車に10両が集中するなど些かアンバランスな印象もありますが、キモとなる部分は10両となるようにしつつ、8両運用は旧ダイヤ同様5運用設定して、輸送力調整も図っているようです。

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 <本線特急について>

 ダイヤが明らかになった時、本線特急の設定については概ね理解したところですが、本線快速2本と併せて10分サイクルに近くなる位置に設定されるものと思っていたので、「スジここ??」とは感じたのが正直なところ。

 とは言え、下りは横浜基準で前の快速から10分開いており、後続の快速が続行である部分は気になりますが、先発設定なのでそこそこ利用はされると思います。

 上りは海老名と大和の段階で快速を含めて等間隔になっているので、こちらもある程度集客は出来ましょうが、停車駅が少ないため快速よりは空くだろうことが予想されるのと、集客の要である二俣川での集客がスジ上ほとんど無さそうなところは気になるところかなぁ。

 従来の急行と比べると、どうしても集客力は弱いだろうと思うところで、快速との混雑差が気になるところですが、そこは速達という目的が重視され、阪急宝塚線の特急のような事にならず維持されていくと良いなぁと感じるところです。

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 <いずみ野特急について>

 いずみ野特急については判断が難しいというのが正直なところです。

 スジ的には「相鉄の集客のキモ」となる、二俣川以遠の各駅の利用客を運ぶという機能を横浜~二俣川間で担えるため、思いのほか利用率は高くなるかもしれないかなと思うんですよね。

 いずみ野線内の利用は正直あまり高くないと思うのですが、直通優等が無くなってしまったいずみ野線への配慮、湘南台~横浜間の競合他路線への対応、運用を抑えるためにスジを立てるという意味で線内優等運転することは、本線方面に流すよりは良いのかなと思うところです。

 どうせならいずみ野で緩急接続をとは思うも、これだけ運用を抑えて、湘南台折り返しをタイトにしているパターンでは、それは優先順位的に低くなってしまうのもやむを得ないかと・・・

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 以上、新ダイヤの分析・感想でした。

 実際の利用状況等は、ダイヤ改正後に確認したいと思います!!