2014年6月 5日

東武アーバンパークラインの今後を考える!!

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 東武グループの中期経営計画2014~2016が4月末に示され、その中で東武アーバンパークラインの利便性・快適性の向上項目として以下の5項目が挙げられました。

 1.大宮~春日部間急行運転の実施
 2.六実~逆井間複線化の推進
 3.東武スカイツリーラインと東武アーバンパークラインの直通化
 4.新型車両60000系の増備
 5.駅の快適性の向上(大宮公園、清水公園、船橋等のリニューアル)

 なかなか挑戦的な内容で、特に1~3については運行形態を大きく変える事柄でありダイヤ研究的には大変興味深い内容であると感じます。

 ただ、1と3は別の捉え方なんだろうなぁとは最初に感じました。

 大宮~春日部間の急行運転はスカイツリーライン直通の系統として設定される訳ではないのでは?ということです。

 ここで言う「直通」とはパターンダイヤに組み込まれる頻繁運転という意味であって、一日数本とか時間帯限定とか、そういう意味では可能性があると言えますが、なんとなく皆さんが抱くような運行形態ではないように考えます。

 そう思う根拠としては、以下の通りです。

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 ・春日部駅の構造上、スカイツリーラインとアーバンパークラインの直通は4番線を使うしかなく、既存の運行列車の一部を直通列車にシフトさせることは利便性維持が難しい。仮に増発列車であっても既存の10分サイクルの各接続維持を崩すことは困難で、増発効果が得られにくい。

 ・2014年度の鉄道事業設備投資計画の中で「環状路線としての特徴を活かし、ご利用するお客様の更なる利便性向上を図る」という記載があり、大宮~春日部間の急行化の恩恵がアーバンパークラインの中間区間にも寄与する形になっており、仮に急行がスカイツリーライン直通だと春日部の構造上乗り継ぎ接続がスマートでなく、記載のニュアンスに合わない。

 ・清水公園で開発中のSolaie清水公園のサイト内にアーバンパークライン急行運転の言及があり、中間区間からも急行設定の恩恵が得られそうになっていること。

 ・1と3の項目が同列ではなく別項目になっていること。

 ・直通化という最大の変化事項が3番目の記載であること。

 などなど、あとは個人的な勘です(笑)。

 そんな訳で、オイラとしては大宮~春日部間急行運転の実施とは、アーバンパークラインの現行の普通の一部が急行となり、大宮~春日部間で通過運転を行い、区間運転の普通を大宮~春日部間に設定し、ホームで乗り継げるような形にする程度かなぁと現時点では考えています。

 アーバンパークラインとスカイツリーラインの直通は、最近やっているスカイツリートレインのような施策の強化の観点かなぁと思うんですよね。

 この中期経営計画期間に新型特急が導入されるようですので、それらの施策の一環でスカイツリートレインをアーバンパークライン系統で定期化するというだけでも直通化にはなりますよね。

 それが一般列車という可能性もありますし、いずれにしてもそうした感じが「直通化」であって、大宮~春日部の急行運転とは別なのかなと考えています。

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 以上、個人的な見解ですが、せっかくなので、スカイツリートレインの現状ダイヤの把握と急行運転ダイヤの想定をしておきます。

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図-1:現状ダイヤ(土曜日のスカイツリートレイン運行ダイヤ)

 まず、現行のスカイツリートレインの運行ダイヤですが、アーバンパークライン内は以上のようなスジとなっています。

 踏切制御回路が優等運転を想定した施設になっていないため、線内はノンストップであるものの各駅で一旦停止する形をとっており、大宮~春日部間の所要時間は停車時間が短い分だけの短縮でしかありません(2分弱程度の短縮)。

 そのため事業計画で示されている通り、踏切制御回路の改修が実施されるわけですが、そうなれば各駅の一時停車ロスが無くなり所要時間は短縮されるでしょう。

 そうなると、曜日限定の臨時ではなく定期スジで特急を走らせるような芽も出てくるのかなあと思うところです。

 スカイツリー観光に関して、東武沿線から特急を利用してもらいたい印象を昨今のフリー切符設定から受けることもあり、大宮発も新型特急登場による既存列車のリソース割り当てができるなら(スカイツリートレインでも良いですね)、それはそれで大宮周辺ゾーンからの利用が見込めるのかなと感じるところです。

 朝から午前中にかけて大宮から浅草方面、午後から夕方にかけて浅草から大宮方面に走らせるとして、特急が数本も・・・というのは無さそうなので、一般列車を含めて数本ずつ設定といった感じかなぁ・・・

 このあたりがオイラがイメージするアーバンパークラインとスカイツリーラインの直通運転です。

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図-2:急行運転想定ダイヤ(30分間隔運転)

 続いて急行運転ですが、春日部付近のエリアから大宮までの時間を短縮することを主眼に、野田線の春日部から清水公園あたりの区間およびスカイツリーラインの越谷~東武動物公園あたりの区間からの利便性が向上する設定になるのでは?と考えました。

 春日部駅で観察して感じるのは、スカイツリーラインもアーバンパークラインも10分サイクルで接続が一定であるため、列車による利用の偏りが無く分かりやすい状況になっているなぁということでして、利用からするとスカイツリーラインの急行、普通各6本は幾分多い印象があるも、急行を準急に格下げすることなく設定しているのは、そうした利便性維持の観点からかなと捉えるところ。

 よって、野田線の急行運転が開始されても、この利便性を維持しつつプラスアルファにするためにはどうしたら良いか考えたところ、結局のところアーバンパークラインのホームが1面2線である部分が制約となり、アーバンパークラインの大宮~柏間運転の一部を急行化するしかないかなぁと判断し図-2のダイヤとなりました。

 春日部を跨ぐアーバンパークラインの短距離利用も少なからずあり、春日部の同一ホーム短時間乗り継ぎを行うことで利便性を極力確保したつもりです。

 停車駅は岩槻のみとすると、概ね大宮~春日部間は15分程度で走ることになりそうで、追い越しは無く現行施設でやりくりできる設定としました。

 30分間隔にしたのは、スカイツリーラインの春日部停車の特急との接続を考慮したのと、増発という事でこの程度かなぁというイメージです。

 以上、現時点の見解です!!