No.5 東急東横線中目黒駅 朝ラッシュ時(7:47~8:46)

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【調査条件】
 ・平成18年1月12日(木) 中目黒駅横浜方にて60分間、到着時の混雑を定点観測
 ・運行状況はピーク時間帯を中心に1~3分程度の遅れが生じていた

【調査目的】
 ・平成18年3月18日のダイヤ改正で朝ラッシュ時ピーク帯の急行1本を通勤特急に格上げする事が発表されたことを受け、現状の優等の混雑を再度確認するため、最混雑区間の中目黒で混雑状況を調べることとした。

【調査結果の要点】
 ・最混雑の優等は中目黒着8:04の通勤特急と8:22の急行であった。
 ・遅延の原因は中目黒までの遅延ではなく、中目黒の停車時間の伸びに伴うものであった。
 ・通勤特急に格上げされるのは8:17急行であると予想する。

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【考察】

<全体の混雑状況について>

 以上のデータから、ラッシュ1時間帯の東横線の混雑は、優等は女性専用車も含めてほぼ満員、各停は最ピーク時間帯は優等と同等に混み、前後は若干余裕があるという傾向が分かります。

 車両位置別に見てみると、上記グラフの通り優等は全体的に満員状態にありつつも後部車両が空いているのに対して、各停は1~3両目は優等に迫る混雑率でありつつも後部はぐっと空いていきます。日比谷線直通は全体的に空いています。通勤特急よりも急行のほうが混んでおり、4~6両目の混雑がやや高いのは学芸大学停車による差であると推測されます。

 急行を通勤特急に格上げすると、この差が各停にシフトすることになりますが、優等が増発されていないサイクルにおいて通勤特急の場合と急行の場合を比較すると、通勤特急の場合は直前・直後の各停が急行より混む事が分かります。またその場合の増加量は直前の各停より直後の各停のほうが大きく増える事になります。

<通勤特急に格上げする急行は?>

 遅延状況に目をやると、中目黒着8:17着の急行から3分程度の遅延が生じていますが、これは急行の到着遅延ではなく、その直前の各停が中目黒をなかなか出発出来なかった事が原因です。言うまでもなく先頭1~3号車あたりの混雑が厳しい訳です。渋谷の階段の位置を考えれば当然ですが・・・

 この各停は中目黒到着時の混雑も高い方であり、日比谷線の接続を受けるというダイヤ上弱点になっている列車です。この各停は自由が丘でわざわざ時間調整して分担率を高めており、一見不思議に思えるところですが、後続の急行の混雑が厳しいため、自由が丘~中目黒間の利用客を少しでも担う形にしているのです。急行が田園調布に停車してなお自由が丘で緩急接続するため、直前の各停が時間調整をしないと、自由が丘、学芸大学の受け持ちが増えてしまうわけです。

 よって、これらの問題点を一気に解決するために、中目黒着8:17(正規は8:14)の急行を通勤特急に格上げし、直前の各停の時間調整を無くして中目黒の到着時間を早めるとともに通勤特急化による学芸大学通過分で遅延を回避する公算が高いのではないかと考えました。通勤特急にすることで直前・直後の各停が混む事は前述の通りですが、後続のほうが混む率が高く、後続各停は中目黒の発車に手こずらない事を考えると、混雑が悪化するという事はないと考えています。

<女性専用車について>

 女性専用車は平均180p強の混雑となっており、導入前(調査しています)とほぼ同等の混雑であることが分かりました。また、隣接する7号車とほぼ同等の混雑であることと、7号車が6号車より混雑率が低いことから、女性専用車導入により混雑率がいびつになっているという事はないことが確認されました。

【まとめ】

 以上のような最混雑区間の状況から、通勤特急に格上げする急行は中目黒着8:17(正規は8:14)であると考えます。この列車は日吉で日比谷線直通と緩急接続するので、綱島利用者に対するフォローも出来ますし、他の列車よりも格上げしやすい状況であると言えます!!