No.102 東京メトロ東西線東陽町駅 夕ラッシュ時(18:07~19:37)

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【調査条件】
 ・平成20年3月10日(月)
 ・東陽町駅の西船橋方で下り列車の発車時の混雑を90分定点観測
 ・到着段階で1~4分の遅れ有り

【調査目的】
 ・2008年3月15日のダイヤ改正で夕ラッシュ時の東葉快速が減るため、現状ダイヤの利用状況を確認する。

【調査結果の要点】
 ・優等が最も混雑率が高く、妙典待避各駅停車も優等に迫る混雑率である。葛西待避各駅停車は空いている。
 ・ダイヤ改正で快速化される東葉快速2本は、他の2本と比べて混雑率が高い。
 ・ダイヤ改正で西船橋行を東葉勝田台行に変更する列車は、東葉勝田台行が開いている時間帯を埋める設定。

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【考察】

<混雑傾向について>

> 快速(東葉快速)1本と各駅停車2本の3本でサイクルパターンを組んでいる夕ラッシュ時ですが、傾向という事であれば調査結果の要点のような見解が出せますが、グラフを見ると分かるとおり、サイクル中各列車の行き先、前列車間隔、遅延有無など様々な理由が重なった結果、それぞれの列車の混雑率が決定されているようにも感じます。

> No.101の西船橋における津田沼方面、東葉勝田台方面列車の利用率が1,000pにも満たない事から、大半は西船橋までの区間で下車している事になり、西船橋から先に行くかどうかよりも、前列車間隔や優等待避有無のほうが混雑そのものに与える影響が大きいように感じますが、葛西待避以外の列車は概ね3,000pに迫る利用状況になっており、その行き先の違いによる微妙な差で「遅延を引き起こす目安」と捉えられる180p車両(編成合計換算340p)が生み出されてしまうんですよね。

 事実180p車両を含む列車の遅延が顕著です。そのため、微妙な変化ではあるものの行き先の延長運転や、東葉快速の快速格下げ等の対応を取る必要が出てきたと考えています。

<サイクル内のバランスについて>

 東陽町の段階では妙典まで無待避の各駅停車が優等に迫る利用率であり、列車により遅延が目立っている事から対応したい部分はあるものの、浦安までで混雑が大幅に緩和される事から、ある程度許容している部分はあると思います。仮にこの列車の前列車間隔を短くするために優等の直後のスジにすると、対浦安で見た場合の優等の分担率が高まり混雑が顕著になってしまうんですよね。

 葛西待避各駅停車は田園都市線の桜新町待避各駅停車と同様に葛西待避だから利用率が低いという訳ではなく、各駅停車として見た場合の前列車間隔がパターン上短い為という理由が大きく、西船橋行のままであっても東陽町の出発をやや遅くするだけで利用率向上および後続の混雑緩和が図れると思われます。

 すなわち快速は通勤快速にせず、快速のままとして浦安までの徐行をどれだけ許容できるか?というのが調整の判断という事になろうかと思います。これについてはまた別の機会に見つつ考えてみます。

<今回のダイヤ改正の意図について>

 西船橋行列車2本を東葉勝田台行に変更する事については、No.101の西船橋発段階の混雑状況から東葉高速線内の利用状況に対する対応ではない事が分かりましたが、今回東西線内に目を向けてみると、東葉勝田台行が開いている時間帯を埋める設定であることが分かります。

 東陽町発18:33の各駅停車は18:24~18:40と16分東葉勝田台行が無く(18:37は葛西待避なのでカウントしない)、18:40の東葉快速の混雑緩和に向けた対応、東陽町発19:15の各駅停車は19:10~19:24と14分東葉勝田台行が無く(19:18の快速が西船橋で東葉勝田台行に接続していますが、行き先としての間隔が開いている)、19:24の比較的混んだ各駅停車の混雑緩和、西船橋~東葉勝田台間の運転間隔の是正の観点での対応であると思われます。

 一方、東葉快速の格下げについては、2本の各駅停車の延長運転を含めた東葉高速線内の各駅への選択肢の増加という意味合いで捉える事になるでしょうが、正直なところ格下げの2本のうち1本目は最ピーク帯の真ん中の列車で遅延気味なので理解できますが、2本目は次のピーク帯に入りつつも混雑率は前のピークと比べるとやや低いため、そのままでも良かったのではないかと思っています。

 上記各駅停車2本の延長運転で特定列車への集中緩和を図ることが出来、東葉高速線内の運転間隔も充分緩和される気がしますし・・・

 ちょっと勿体ない感じですが、決まった事ですので、改正後のダイヤを確認しつつ今後について考えをまとめてみたいと思います!!