No.85 東急田園都市線渋谷駅 朝ラッシュ時(7:28~9:10)

konzatu_data85.jpg

【調査条件】
 ・平成19年5月14日(月)
 ・渋谷駅中央林間方で上り列車の到着時の混雑を約100分定点観測
 ・運行状況は1~5分遅れ程度。混雑は通常時よりやや少な目(特に8時半以降:原因は不明)。

【調査目的】
 ・準急導入後1ヶ月の状態確認をするため、渋谷で観察をする。

【調査結果の要点】
 ・準急は急行と比べて混雑率が若干ながら下がっており、改正の意図である分散効果はあった。
 ・ピーク帯の各駅停車の混雑率が準急と同等になっており、6扉車が無いぶん一部車両の混雑が厳しくなった。
 ・急行運転時間帯から準急運転時間帯に移行する時間帯で遅延が目立った。

konzatu_data85.png

【考察】

<急行の準急化による混雑率の変化について>

 グラフを見て頂ければ分かりますが、おおむね185~195%程度の混雑率に収まっています。この調査日の1時間あたりの平均混雑率が189%弱ですので、混雑期より5%程度少ないのでしょうが、それを加味しても準急の混雑率が平均混雑率に近づいており、混雑の分散化が図れたと思います。

 旧ダイヤにおける急行への利用集中が引き起こす停車時間増による遅延を解消する事が準急化の目的であった訳ですから、この数値は充分効果があったと言って良いのではないかと思います。

<各駅停車の混雑率悪化について>

 準急設定時間帯の混雑グラフの色の無い部分、つまり輸送力に対するバッファを見てみると、準急と各駅停車がほぼ同じになっている事が分かります。

 これは前述の通り準急設定時間帯の各列車の混雑率が均等化されているという事になのですが、混雑率グラフを見て頂いて分かるとおり、準急は編成が満遍なく混んでいるのに対して、各駅停車が5~9両目に集中しているという違いがあります。

 準急は6扉車が5、8両目に設定されており、その部分に利用が集中していても車両側にキャパがあるので混雑率(補正値)が有る程度のところに落ち着いているのに対して、各駅停車は5、8両目の混雑がかなり厳しくなっています。

 ドア閉めの手こずりが遅延要素の一つになるとすれば、各駅停車の状況も決して楽観できる状況ではないという事が見えてきます。最混雑時間帯には各停にも6扉車を導入するなどの対応が必要になってくるかもしれません!!

<遅延状況について>

 移行時間帯に混雑上の弱点になっているように感じられました。ピーク帯直前の最終急行の混雑が厳しく、その影響で桜新町待避の各駅停車が遅延し、それを受けて後続の各駅停車も遅延している部分が気になります。

 今後、6扉車の設定等や準急設定時間帯の修正(場合によっては再急行化等)の可能性があるかもしれません。