小田急線2012年3月17日改正ダイヤ分析(1) 小田原線編
小田急線2012年3月17日改正ダイヤの作成が完了したので、プレスに記載の無い改正内容や作成過程で気づいた点についてコメントしたいと思います。
その(1)として小田原線です。
ダイヤ改正プレスに記載されている特急系統の変更事項は省略します。
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<朝ラッシュ時>
・下北沢着7:40の急行について、新松田発を小田原発に変更
・下北沢着8:40の急行について、新松田での4両各停併合をやめ小田原から10両に変更
・箱根湯本発各駅停車は小田原発に変更(系統分断)
・町田~新百合ヶ丘~登戸間のスジを1分以内の範囲で繰上げ調整(一部列車)
・その他微調整
途中区間における増結を取りやめることによる変更以外は、時刻修正に留まっています。
まとまった時間帯で時刻修正をしているという観点では、新百合ヶ丘前後区間の変化が挙げられるかと思います。
町田と登戸の段階では変化が無いものの、新百合ヶ丘着・発時刻が一部列車で繰り上がっており、複線区間の混雑区間である新百合ヶ丘~向ヶ丘遊園間のスジに余裕が確保されたようです。
多摩線内で新百合ヶ丘7:30着の1本が増発されたことと、時刻修正時間帯が概ね一致することから、混雑均等化などの狙いがあったものと思われます。
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<日中時>
・下り区間準急の成城学園前~向ヶ丘遊園の時刻修正による、急行との接続改善
・新松田~箱根湯本間各駅停車の系統分断に伴う、新松田~小田原間の時刻修正
・複々線化工事進捗により工事区間徐行を加味した時刻修正
・その他微調整
ダイヤパターン自体は変化していませんが、運転系統変更が発生した新松田~小田原間は、小田原の折り返し条件等の変更により時刻修正が幾分大きく発生しているようです。
分割が無いのに新松田の停車時間が長くなっていることが新ダイヤでは分かりますね。
起点方区間は複々線化工事進捗に伴い、多少徐行を加味した時刻に修正したようで、発車時刻の変更が1分以内で生じているようです。
また大きな変更として、下り区間準急が和泉多摩川で急行を待避したあと向ヶ丘遊園で特急を待避するパターンだったのを、向ヶ丘遊園で急行と特急を待避するパターンに変更されました。
急行のスジを幾分寝かせて、区間準急を向ヶ丘遊園で急行接続にすることで、世田谷区内から急行への接続が改善されました。
これは地味ですが改善といって良いでしょう。
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<夕ラッシュ時>
夕ラッシュ時は変化が大きかったので、新旧ダイヤグラムを掲載します。
・特急の運行区間短縮(箱根湯本行1本を本厚木行へ)
・江ノ島線系統特急増発および分割取扱い(新宿18:30発)の廃止
・急行の行先・停車駅パターン変更(相模大野から各駅停車タイプ1本増)
・相模大野~小田原間の一般列車1本減
・多摩急行と急行の続行パターンを統一(急行が先発、多摩急行が後発)
・急行の一部列車の登戸・向ヶ丘遊園までの所用時間を短縮
・準急の運転区間短縮(本厚木行1本を町田行に)
・その他運転区間変更、待避駅変更、時刻修正等
新宿発18時台の1時間を対象に、ざっくり書くとこんな感じです。
全体的なイメージとしては、特急の増発分の運用を一般列車の遠方区間の整理でトントンにしたという感じでしょうか。
特急拡充にともなって一部時間帯の特急の運行区間短縮が図られましたが、それがこの18時台でして、18:30の特急の行先が本厚木となることから、本厚木接続列車を旧ダイヤでは各駅停車だったのを急行にするとともに、接続時間を短縮するなど配慮がされています。
各駅停車1本が相模大野止まりとなり、以遠の各駅停車が1本減になるところ、急行1本を相模大野以遠各駅停車にすることで本数維持をするなど、減便区間については極力利便性が低下しないよう必要な調整をおこなっている印象を受けます。
とは言え、相模大野~本厚木間の急行は本数そのものが減ったことと、運転間隔が悪くなったことは否めない感じです。
全体バランスを見ると仕方ないところなのでしょうか。
そのほか気になる点としては、近距離区間における多摩急行と急行の続行設定について、以前の調査で多摩急行が先発のほうが混雑バランスが良いことが確認できていたので、今後そういうパターンが増えたら良いなぁと思っていたのですが、今回の改正でむしろ逆パターンが増えてしまいました。
これは混雑面の配慮というより、後続に江ノ島線系統の特急が挿入されることもあり、急行自体のスジを早める必要があったためのやむを得ない措置という感じなので、もう一つのパターンと同一バランスになるのは仕方ないというところかもしれませんね。
簡単ですが、以上です!!