【調査条件】
・平成17年12月13日(火)
・西船橋(東葉勝田台方)にて発車時の混雑を定点観測
・運行状況は一部列車で1分程度の遅れがあった程度で、特段の乱れはなし
【調査目的】
・平成17年12月10日のダイヤ改正で東西線内の緩急比率が変更されたのに伴い、東葉高速線直通の運転間隔にバラツキが生じたため、実際の混雑状況がどの程度が確認する。
【調査結果の要点】
・東西線内から東葉高速線方面に向かう人は大半が快速を利用しており、各停であっても快速の接続が有れば、利用率は快速とさほど変わらない。
・東西線の快速の接続を受けない列車は利用率が快速と比べて1/3~1/4と低い。
・快速の接続を受けない列車が設定されていると、前列車がやや空く。東西線内の段階で幾分シフトしている。
【考察】
到着時の乗降を併せて観察した結果、東葉高速線の利用者の大半は東西線からの直通で、西船橋からの利用は少ないことが確認されました。大半は快速の利用ですが、一部直前に西船橋に到着する各停から乗り換える人も居り、利用者が東西線内駅到着のタイミングで判断している部分がありそうです。
東葉高速線内の混雑は列車の東西線からの直通利用比率が高いため、運転間隔に影響を受ける部分は小さく、東西線のダイヤに影響を受けていると言えます。利用者の意識としては旧ダイヤ同様に「快速に乗る」という意識が高いようで、津田沼行の快速から東葉勝田台行の各停に連絡するケースや、西船橋止まりの快速から後続の各停に連絡するケースが快速直通のケースと混雑率が殆ど変わらないのが特徴と言えます。
今回のダイヤ改正により、従来快速が10分間隔に直通していたのが平均12分間隔になり、その埋め合わせとして一部各停を延長運転して本数的に旧ダイヤと合わせた形になりましたが、上記データの通り各停の延長運転が一部機能していない結果になっています。具体的には20:10と20:58の2列車ですが、なぜ空くかというと東陽町~西船橋間で快速に追い越された形で直通しているからです。
19:37は津田沼行快速に接続し、21:10は西船橋止まりの連絡を受けるため利用率が快速と同等に高いのとは対照的です。21:40は快速の接続を受けませんが、東陽町~西船橋間で快速待避が無いため利用率が高くなっている事を考えると、利用者としては、あくまで東葉高速線方面の先着列車を狙っているという事になるのでしょう。
快速の西船橋止まりがある事については、東葉高速車とJR車の運用の兼ね合いがありそうだなという印象を受けました。夜間の入庫関係を考えて、運用調整が出来る西船橋で調整をしているのではないかという事です。21:40と21:49の2本の各停が東葉高速車でしたが、これはたまたまなのでしょうか?
【まとめ】
東西線のダイヤサイクル変更に伴って快速の直通本数が減少し、一部運転間隔にバラツキが出るなど、東葉高速線だけ見るとマイナス面が伺える今回のダイヤ改正でしたが、利用率を見る限り、運転間隔のバラツキによる混雑面の悪化は無いものの、西船橋における連絡時間の増大、一部機能しない各停があるなど改善の余地はありそうです。ケースによっては各停でも利用率が高くなることから、現在機能していない各停の利用率を上げるべく、一部列車の東葉快速化を図るのも一つの方法として良さそうです。
まだ改正後まもなくという事で、西船橋止まりの快速を降りてから7分ほど寒い中待つ利用者が多かったですが、これも理解が進めば浦安で乗り換える等する人が増えそうな気がする訳で、東葉高速線に直通しない=絶対ダメという事ではないのかもしれません。これは空いている各停も同様で、認識が進めばもう少し利用率が上がり快速の緩和に寄与すると思いますので、増発はムダという事でもないと思います。