【調査条件】
・平成18年1月12日(木)
・自由が丘駅横浜方にて60分間、発車時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・1/10(火)の中目黒調査と合わせて混雑流動の推移・変化を見るため、自由が丘を見ることとした。
【調査結果の要点】
・混雑率は中目黒と比較して全体的に大きく下がる。
・優等は7~4号車を中心として混雑率が高く、急行より通勤特急のほうが混雑範囲が広い。
・優等を待避する各駅停車よりも日比谷線直通のほうが利用率が低い(特に渋谷寄り車両)。
【考察】
<全体の混雑状況について>
中目黒(No.4調査)における各種別の平均混雑は、通勤特急145%、急行132%、各駅停車85%、日比谷線直通57%でしたので、今回の自由が丘発と比較すると通勤特急▲25%、急行▲19%、各駅停車▲35%、日比谷線直通▲11%となっており各駅停車の混雑率の減少が優等以上に大きいことが分かります。
自由が丘において各駅停車は優等を待避するため、各駅停車しか利用出来ない人、着席しているため乗り通す人のみ各停を利用し、大半は優等に乗るという事がホームの状況から伺えます。この状況を簡潔に示すと、渋谷~自由が丘間は優等も各停も利用されているが、自由が丘以遠は優等が利用する人が多く、自由が丘の乗降が多いため、各駅停車の混雑が大きく下がると言えましょう。優等の混雑も下がっていますから、自由が丘の乗降の多さを理解することが出来ますね。
日比谷線直通が一定の混雑を維持している事も注目したいです。各駅停車の2分後出発ですから、自由が丘での分担率が低い筈なのですが、それでいて中目黒発の8割程度の利用率を維持しており、自由が丘以遠への乗り通し率が高いことが分かります。大半が座っている人ですから、乗車距離を踏まえて日比谷線内で「あえて」直通を狙っている人が多いのかもしれません。
<車両ごとの混雑状況について>
中目黒発車時では通勤特急の3、4、6両目(6、5、3号車)が150%を越える混雑率になっていたのと比較すると、最大でも140p弱と混雑率はぐっと下がってきます。通勤特急と急行を比較すると、全体混雑が高い通勤特急のほうが混雑車両の範囲が広く、女性専用車の利用率が高くなっていますが、全体的に見て、ほぼ似た傾向と言えましょう。急行の2両目(7号車)の混雑率が高くなっているのは田園調布、多摩川の階段が近いからと推測されますが、他の車両と比べて極端に高いという事はなく、最大混雑といっても中目黒発と比べれば随分と混雑面では緩和されている状況と言えます。
<女性専用車について>
1両目(8号車)、2両目(7号車)、3両目(6号車)の発車時の混雑率を中目黒発車時の混雑率と比較すると、通勤特急(8号車▲4%、7号車▲8%、6号車▲28%)、急行(8号車+12%、7号車+8%、6号車▲8%)となっており、全体的に減少するなか前方車両が便利な位置になる急行の1、2両目の混雑率が増加する事が全体の傾向としてありますが、その中にあって急行の女性専用車の増加率が高い事から、充分利用されていると見て良いのでは無いかと思います。
自由が丘~日吉間の急行停車駅は軒並み階段が2両目(7号車)にあるため、階段位置だけ考えると、現状140%程度の混雑率ですから、7号車が更に混んでも良さそうな感じですが、実際小走りに専用車を目指す方々が居ましたので、多少の位置の差ならばと専用車を利用している人が多いようです。そういう背景があるのか、3つ目のドアと4つ目のドアの部分が混んでいるのが特徴と言えます。
【まとめ】
以上のデータから、自由が丘発時は中目黒発時と比較して、全体的に混雑率は下がり極端に混む車両は無くなることと、緩急接続をすることから各駅停車が基本的に着席ベースになり優等の分担率が高くなる事が分かりました。また、乗降が大きい事から混雑傾向が変化し、急行については下車条件を踏まえた混雑傾向になっていることが分かりました。