【調査条件】
・平成18年2月23日(木)
・曳舟駅浅草・押上方にて60分間、到着時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・3月18日のダイヤ改正で半蔵門線直通が毎時4本から6本に増発されるとともに、ダイヤパターンの変更が想定されるため、新旧ダイヤ比較をすべく、現行状況のデータを得る。
【調査結果の要点】
・浅草系統と押上系統の輸送比率は48:52とほぼ同じ。輸送力で比較すると押上発がやや足りない現状。
・浅草発準急は前列車間隔で利用率が決まり、曳舟の通準接続の影響はあまり無い。
・浅草発普通は準急と比べて空いており、浅草での始発駅着席狙い率が高いと思われる。
【考察】
まず最初に認識しておきたい点として、半蔵門線直通・押上発のほうが混雑率が高いという事です。よって、半蔵門線直通系統を毎時4本から6本にする事は現状を見る限り妥当な所かと思います。個人的な感想としては毎時4本なのに、よくこれだけ乗っているなという印象が強く、毎時6本クラスになればルート変更をする人が増えそうであり、そういう意味においても、半蔵門線直通系統強化は望ましいと思っています。
ダイヤ改正後に6本となる押上発の混雑率は、現行の4本の合計が4,360pですので、改正後は6で割って「1本あたり726p」と数字の上では着席ラインの800pを下回ります。ただ、現行も満遍なく座席が埋まっていることから、初期段階では一部空席が出る車両があるかもしれませんが、時間が経てば曳舟で座るのが困難な状態になりそうです。この微妙に座れる少ない枠狙いで押上ルートが増えそうな気はしますけど、どうなるでしょうか?
一方浅草系統の混雑率は、現行の本数が優等7本、普通1本なのが改正後は優等6本、普通2本になり、輸送力は変わりませんが優等本数は減ります。そのあたりどのように分散するか分かりませんが、30分サイクル4本の合計が2000pで、新ダイヤでは優等がほぼ等間隔に設定される計算ですので、普通の存在を無視した場合1本あたり667pと100p~120p程度の混雑になることが想定されます。普通も優等の6~7割程度利用されている現状がありますから、恐らく1600pを3で割った程度の利用率になると思われます。つまり現行とほぼ同じという事です。
始発駅では着席狙いの多さから多少の運転間隔の差は混雑率に影響を与えない傾向がありますが、故に新ダイヤの浅草も現行と似た傾向を維持するのではないかと考えています。基本的に曳舟で押上発に接続するので、どうせ立つなら曳舟乗り換えという流れが出来るかもしれませんね!!
【まとめ】
東武の新ダイヤは押上発の列車を増やし、疑似10分サイクルを構成するため、浅草発が現行よりやや不便なパターンになりますが、影響は混雑面の観点ではさほど悪くなるという状況ではないと考えます。