No.18 東武日光線新栃木駅 日中時(12:42~13:42)

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【調査条件】
 ・平成18年3月12日(日)
 ・新栃木駅東武日光方(一部東武動物公園方)にて60分間、発着時の混雑を定点観測
 ・運行状況はほぼ正常

【調査目的】
 ・3月18日のダイヤ改正で快速が区間快速化されることを受け、改正前の状態の確認をしておく。

【調査結果の要点】
 ・快速だけ利用率が高い状態である。
 ・新栃木以遠の普通は1割程度の利用率となっており、快速通過駅の利用客は殆ど居ない。
 ・準急は極めて空いているが、混雑傾向から以遠系統の接続の有無、前列車間隔で利用率が決まっている。
 ・利用の絶対数は少ないが、比率の上で日光線・宇都宮線接続を維持する必要がある。

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【考察】

 一言で新栃木の状態を示すと「快速だけが混んでいる」状態と言えます。快速利用客は新鹿沼、下今市、東武日光、鬼怒川線方面利用ですから、準急の利用率の低さから分かるとおり、途中駅利用者は極めて少ない路線であることが分かります。それでもなお快速を区間快速にする必要性については、極めて空いている区間普通を1本の列車として運行するコストを削減したいという事なのだろうと考えました。

 上記は新栃木以遠の話でして、南栗橋~新栃木間については本数が減っていないので、区間快速化の意義が分かりづらいところです。自分なりに考えてみたところ、調査No.2の栗橋の考察でも書きましたが、毎時2本の普通に加えて区間快速が必要だった理由として「急行設定による系統分断のフォローとして南栗橋以遠の接続列車の設定」という施策上の意味合いが強いのかなと考えています。将来的な普通の減便も視野に入れて、先行導入的に区間快速を設定したという事であれば、頷けるのですが。

 快速の利用率が他の列車に比べて高いので、南栗橋~栃木間の快速通過駅の利用客が少ないことを考えると、毎時2本の普通を維持する前提なら、区間快速は新栃木まで通過運転したほうが望ましいように思えます。利用状況調査をした上での個人的な見解は「土休日は普通2本+新栃木以遠各停の快速」「平日は普通1本+区間快速」です!!

 他の列車に目を向けてみると、準急は6両でガラガラ、宇都宮線は座席が2割程度埋まっている程度でした。ともに伊勢崎線の太田以遠に導入されたワンマン3連でも輸送力上はOKという感じがしますので、上記普通本数の見直しも含めて輸送力調整として、今後南栗橋以遠がワンマン化される可能性は高いと思われます。

 上りの準急の利用率が高い車両位置を見ると接続列車の影響を受けていることから系統間接続の必要性を感じますが、宇都宮線は栃木までの利用が多く、新栃木~栃木間の利用本数維持の観点で、現行のように宇都宮線と日光線浅草方面との接続時間を短くしすぎないパターンのほうが望ましいのかもしれません。輸送量が等しいからといって直通が必ずしも便利という訳ではなさそうです。

【まとめ】

 快速の利用率だけが高くなっており、新ダイヤになっても区間快速が快速同様の利用率を維持するものと思われます。普通については利用率が低いため、輸送力調整、本数の削減の可能性は高いですが、宇都宮線と日光線の接続の必要性から一定の利便性は維持されるものと思います。日光線と宇都宮線直通はメリット・デメリット双方あり、ダイヤパターンにもよりますが、単純に直通は便利という訳ではなさそうです。