【調査条件】
・平成18年4月9日(日)
・東武動物公園駅浅草方にて60分間発着時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
・桜の季節のため、幸手の利用が通常より多く、上り南栗橋系統の急行は通常より混んでいると思われる。
【調査目的】
・東武新ダイヤにおける急行の利用状況を確認すべく現地確認を行う。
【調査結果の要点】
・上下とも利用率が最も高いのは区間快速。
・上りは区間快速が挿入されると前後の急行の利用率が下がる。下りは特に影響無し。
・急行は南栗橋系統と久喜系統で混んでいる位置が異なる。利用率は桜特需を除くと久喜系統がやや高い。
・区間準急と普通(日比谷線直通)の利用率は極めて低い。
【考察】
グラフを見て頂いて分かるとおり、区間快速の利用率が最も高く座席がほぼ埋まる状況です。急行は10両のため平均値にすると20~40p程度の利用率ですが。編成のうち混む部分が偏っており、利用率の高い車両は80p以上になっています。一方、区間準急と普通(日比谷線直通)はガラガラであり、春日部~東武動物公園間では優等だけ乗っている状況と言えます。
<区間快速について>
上りについては、区間快速が挿入されると、直前直後の急行の利用率が他の急行より下がっています。これは、直前の急行を越谷で追い越すため、北千住以遠利用客がシフトしているのと、東武動物公園まで各駅に停車するため、直後スジの急行を利用する人がシフトしているものと考えます。しかし、そのシフトボリュームを考えると、区間快速が利用できる人の比率は必ずしも高くないのかもしれません。
<急行について>
急行について見てみると、下りと上りで傾向が異なります。下りは久喜系統、南栗橋系統ともに真ん中の車両の利用率が高くなっており、上りは久喜系統については前方車両、南栗橋系統については後方車両の利用率が高くなっています。この結果は停車駅の階段位置や接続列車が関係していると考えられます。
久喜系統は久喜での普通との接続が前寄せ接続のため、前方6両の利用率が高くなります。南栗橋系統は逆に南栗橋での普通との接続が後寄せ接続のため、後方6両の利用率が高くなるのですが、ここで注意したいのは、南栗橋以遠の利用が少ないという事です。上記のグラフでも分かりますが、南栗橋で普通との接続がある列車と無い列車の利用率が殆ど変わりません。
これはつまり乗り継ぎが少ない事を示しており、乗っている人は幸手~東武動物公園間の利用客であると想定されます。この日は桜日和で幸手の乗降が多い事が想定されますので、通常時は久喜系統に比べて利用率が低くなるものと思います。
全体的に10両のため空いている印象がありますが、合計400pを越える列車もあり、従来の6両準急だと座席が埋まる程度になってしまうため、輸送力自体はあって良いかなという印象です。本格的に混むのは春日部より都心方なので、東武動物公園ではやや空いた印象ですが、これで良いのでしょう。
<区間準急と普通(日比谷線直通)について>
率直に言ってガラガラです。急行が準急なら北越谷で切ってしまっても輸送力的には問題無さそうなくらいですが、この区間は優等停車駅間利用が多いため、本数を削減するために優等の所要時間を増やすような事はしたくないのでしょう。
よって現行で良いのかなと考えています。