【調査条件】
・平成18年4月17日(月)
・北千住駅1F春日部方にて60分間、発車時の混雑を定点観測
・運行状況は区間急行一部列車に2~3分の遅れがある他はほぼ通常
【調査目的】
・3月18日のダイヤ改正で半蔵門線直通が毎時4本から6本に増発されたため、新旧ダイヤ比較をすべくダイヤ改正後の状況データを得る。
【調査結果の要点】
・最も混雑率が高いのは区間急行であり、特に先頭と最後部が混んでいる。
・急行は区間急行の編成中央部と同等の利用率で、編成が長い分先頭と最後部がやや空いている。
・区間準急は後続の区間急行の混雑緩和の機能を持つが、利用率は急行系と比べて低い。
・旧ダイヤと比べて最混雑車両の数値は下がったため、全体的に分散したと考えられる。
【考察】
グラフを見て頂くと分かるとおり、やはり6両優等の先頭と最後部が混むという傾向は旧ダイヤと同じです。ただ、旧ダイヤでは160%近い混雑率になっている列車がありましたから、急行が増発された分、全体的に混雑が緩和されたと見て良いと思います。
北千住は乗換駅で、かつ数本ある始発列車を除けば着席するのが困難な状況であり、先着列車に乗るという流動が大きいため、前列車間隔が混雑率に大きく関係する事を旧ダイヤの傾向から導きました。
これは新ダイヤでも基本的に同様ですが、10分サイクルに急行と区間急行の2本というパターンで、10両の急行の分担率を高くするダイヤ設定になっており、総ての列車が適度に集客するため、グラフの通り、編成全体の混雑バランスが旧ダイヤより均等化されたと言えます(No.8のデータと通勤準急と見比べてみると分かると思います)。
ホームで観察していると、乗換客は階段に近い列から並んでいきますが、列が長くなると多少歩いてでも並べる列にを目指していく傾向が見られました。すなわち前列車間隔が短いと、階段付近の車両が混み、階段から遠い車両は空きますが、列車間隔が開くにつれてこの差は減っていくという事なのでしょう。
編成端部の混雑差は仕方ないとして、6両停車位置の利用率は急行と区間急行が同等ですから、新ダイヤパターンのバランスは良いところを突いていると思います。
始発の区間準急は利用率が低く、着席列車として後続の区間急行の混雑を緩和する機能しかないようです。前列車間隔という意味では上位優等と条件がほぼ同じですので、新越谷以遠各停であることが敬遠される理由になるのでしょうか。
スジ条件は旧ダイヤとほぼ同じなので、旧ダイヤよりやや空いているのは、上位優等の混雑率が緩和されたため、敬遠利用が減ったのではないかと考えています。
【まとめ】
新ダイヤになって10両優等の認知度が高まり、また、半直ルート利用者の増加に伴い、北千住口における優等の混雑率は旧ダイヤに比べて平準化されました。