【調査条件】
・平成18年5月11日(木)
・渋谷駅中央林間方にて30分間(2サイクル)発着時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・東急田園都市線の日中時の15分サイクルの急行と各駅停車の混雑バランスを知るため調査を実施した。
【調査結果の要点】
・下りは全列車ほぼ同等の利用率であるが、上りは急行の利用率が高く桜新町待避各駅停車の利用率が低い。
・東武線直通有無・半蔵門線内の発着駅の差による利用率の影響は殆ど無い。
・総じて編成中央部の利用率が高くなっており、編成全体の混雑率が低い列車は端部車両の利用率が低い。
【考察】
<下りについて>
下りについては、ほぼ座席が埋まる程度の輸送量のため、編成中央部は幾分立ち客が居るものの、全列車がほぼ着席状態になっていました。
半蔵門線内の清澄白河から5分等間隔で設定され、ほぼ座れることもあって急行、各駅停車関係なく先発列車に乗車する流動がベースにあり、その中で待避各駅停車を避けて急行を狙う流れ、急行を利用出来ないため次列車を待つ流れがあるために、急行と無待避各駅停車が待避各駅停車より利用率が若干高い傾向になっていると考察されます。
渋谷の乗降の比率が有るためか、渋谷の階段から近い車両(編成中央部)が混む傾向になっています。にも関わらず急行と無待避各駅停車の利用率が編成全体に満遍なく分散されているのは、前述の通り列車を見送る流れがあるため、待ち時間増の分での移動が少なからず有るという事なのでしょうか。整列の有無で分散するという渋谷駅の傾向もあるのかもしれません。
<上りについて>
下りと異なり、急行、無待避各駅停車、待避各駅停車の利用率に差が出ています。
この理由として、下りは半蔵門線内が等間隔であり、乗換路線の本数が多いために分散するのに対して、上りの場合は急行が渋谷までの先着列車としてのスジ上の分担率が高く、利用が集中してしまうことがあると考えられます。
実際には溝の口や二子玉川の乗降があるため、溝の口以遠から集客している訳ではなく、溝の口、二子玉川、三軒茶屋あたりの集客によるものと捉えており、混んでいる区間はそう長くないと推測しますが、120pは比較的混んでいるかな?と感じます。
かといって各駅停車が空いている訳でも無いので、上りのダイヤパターンを踏まえると、この程度の利用率差は仕方ないと言えるでしょう。