【調査条件】
・平成18年7月8日(土)
・横浜駅海老名方にて20分間(1サイクル)発着時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・5/20改正の新ダイヤにおける20分サイクルの利用バランスを確認する。
【調査結果の要点】
・快速のみ20分間隔のパターンであるが、急行と各駅停車の利用率は概ね等しく、快速有無の差は無い。
・平均混雑率で見ると、編成長の差(10両、8両)も含めて全体のバランスは良い。
・階段のある横浜方1、6両目の利用率が高く、階段から遠いほど空く傾向であり、特に海老名側端部は空く。
【考察】
従来の10分サイクルに急行、快速、各駅停車各1本が設定されているダイヤでは、横浜口では急行が座席が埋まり、快速と各駅停車は空いているというアンバランスな状態にありましたが、新ダイヤでは快速1本を削減した分、混雑する列車(急行)が出来るのではと考えていましたが、実際に見たところ、それほど混雑バランスは悪くないという印象を受けました。
普通に考えれば、快速と続行で走る急行と単独で走る急行を比べれば、単独のほうが混むと考えるところですが、調査したこのサイクルにおいては快速と続行で走る急行のほうが若干混んでいる程度でした。
何故このような状況にあるかという事ですが、ホームで観察してみると、基本的に急行に乗る人は座りたい人が多く、着席出来ないと分かると次列車を狙う傾向が見られること、そして、その判断には次列車がホーム対面に居る・居ないが影響していることが分かりました。
次列車がホーム対面に居る・居ないというのはダイヤパターンによる折返しの差によるものですが、説明をしますと、新ダイヤの20分サイクルは快速が急行、急行が快速として折り返す運用になっているため、ホーム在線時間が列車によって異なるのです。
上の時間帯で見ると、17:06横浜着の快速が17:11横浜発の急行(2番線/折返間合5分)、17:08横浜着の急行が17:20発の急行(3番線/折返間合12分)、17:17着急行(2番線/折返間合5分)となっており、17:11発急行が到着して2分後に1本後の17:20発急行が隣のホームに到着するため、11の急行に座れなかった人は20の急行にしようという流れがありました。前述の通り対面に座れる列車があるというのは意識的に影響が大きいという事です。
そして20の急行は12分という折返間合のあいだ集客しますが、2分後に快速があるため、二俣川・いずみ野線利用者は快速を利用することから立ってまで急行という状態にならない訳です。しかし二俣川以遠の利用はやはり急行利用が便利なので、後続の急行がホームに居ない事もあり選択するのでしょう。ここが11急行より若干集客する理由だと考えています。
快速が急行に近い利用率だったのは意外ですが、20分待ってまで快速という人は少ないと思うので、11急行発車後の11分間における快速停車駅・いずみの線利用者の集客、20の急行に座れなかった利用者の集客、新ダイヤのウリである大和行各駅停車への連絡による集客の結果ですね。これらの比率は今回の調査では判断出来ませんが、急行と同等の利用率になっていたので、良いと思います。
以上のような見解ですが、想像よりバランスが良かったので、他の時間帯や区間の状況は分かりませんが、20分サイクルも悪くないかもと感じました。少なくとも空いた列車は無くなっていますしね!!