【調査条件】
・平成18年8月3日(木)
・横浜駅海老名方にて60分間(3サイクル)発車時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・5/20改正の新ダイヤにおける夕ラッシュ時20分サイクルの利用バランスを確認する。
【調査結果の要点】
・快速が挿入される事による、急行と各駅停車の利用率の影響は殆どない。
・快速と各駅停車は立ち客が少々出る程度の利用率で、急行だけが混んでいる状況。
・ほぼ等間隔なのに列車により利用率に偏りがあり、他路線の接続タイミングの影響があると思われる。
【考察】
グラフを見て分かることとして、急行の利用率が高いことと、階段に近い車両の利用率が高い(5、9~10両目)事が挙げられるでしょう。旧ダイヤにおいても急行の利用率が高かったので、急行と各駅停車の関係は変わらず、快速が中間的な列車として機能しているという感じでした。
<急行について>
快速が挿入されれば直前の急行が空くように考えていたのですが、実際には快速の有無は急行の混雑率にさほど影響を与えていないという結果になりました。これについては、日中時と同様、優等の横浜駅の折返しタイミングによる影響もあるのかなと考えています。
具体的に書くと、快速を挟むために8分を分担する08発、28発、48発の急行は本来混む事が想定される列車ですが、この3本になる折返しの上り列車が快速であり、後続に2分続行で上り急行が設定されていることから、ホームには2分後に後続の14発、34発、54発の急行が到着してしまうのです。
この時、ホームに居る利用客は08発、28発、48発の急行に座れないと思えば早々に後続にシフト(後続なら座れるタイミング)するため、思いの外集客しないのです。また利用率が少ないといっても6分前に快速もあるので、他の6分ぶん分担する急行と変わらない利用率になっていると思われます。
上記はスジから定まる傾向であって、データから分かるとおり、急行だけは列車ごとの利用率が思いの外バラついています。これは横浜が乗換駅であることを示していると思われ、相鉄線利用者の大半が他路線からの乗換客で占められている事を示していると言えそうです。
ダイヤよりも接続タイミングで混雑が決まるというのも何ですが、全体的に混雑率が低いので、これはこれで良いのかなと思います。
階段から近い車両が混むという傾向も相鉄の特徴とも言えますから、これも仕方ないという所でしょうか。輸送量に対して輸送力があるからとも言えますし。女性専用車が階段から遠い所に配置しているため、利用率が低くなっていますが、専用車じゃなくてもこの程度の傾向になりそうであることから、快速と各駅停車の状況も含めて、妥当な利用状況と捉えます。
<快速について>
快速は急行と同様に着席するまではそれなりに集客するものの、急行までには至りません。二俣川で各駅停車に連絡するので大和までの利用者なら利用できる列車ですが、急行も1本待てば座れることから乗り換えてまで快速に乗ろうと思う人が少ないのではないかと考えます。
快速が設定される事による各駅停車の混雑影響も殆どなく、星川や鶴ヶ峰利用で集客しているという感じでもありませんし、横浜だけの調査では不思議な利用率という印象です。いずみ野線方面の狙い乗車が少なからず有るのかな?という気もしますが、二俣川で見てみないと分からないので、何とも言えません・・・
以上のように、快速が挿入される事により、急行の本数が減り間隔がバラつく影響が混雑面に出ると考えられましたが、実際には急行の利用率は殆ど均等で、乗換路線の影響のほうが大きいという結果になりました。今後もこの傾向を維持していくものと推測します。