【調査条件】
・平成18年9月1日(金)
・高幡不動駅京王八王子・高尾山口方にて120分間(6サイクル)下り発車時の混雑を定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・9/1改正で夕方(新宿17:00~)の特急が準特急化されたため、その前後のダイヤを比較する。
【調査結果の要点】
・今回準特急化された時間帯は優等の利用率の高くなり始めのタイミングである。
・16:20~17:20の1時間を見ると特急と緩急接続する各駅停車が最も利用率が高い。
・17:20~18:20の1時間を見ると準特急は各駅停車より2倍以上利用率が高い。
【考察】
<16:20~17:20の1時間>
特急・準特急・各駅停車2本の20分サイクルです。特急直前の各駅停車は特急と緩急接続するため待避するのに対して、準特急直前の各駅停車は北野で準特急と緩急接続すべく待避をしないため、優等が連続する発車順序となります(最後の1サイクルを除く)。そのため、京王八王子に行く人以外乗れない特急と緩急接続する各駅停車が最も混むという状況になっています。
最後の1サイクルは緩急接続しないことから更に各駅停車の利用率が高まっているあたり、京王八王子一駅の利用者とその他の利用者では後者利用が多いことが伺えます。
準特急とその直前の各駅停車の利用率を見た場合、各駅停車は北野・京王八王子まで利用できるにも関わらず利用率が低いので、南平~長沼の利用が多いという状況とも捉えられず、北野や高尾線利用が多いことが伺えます。とはいえ特急もガラガラという訳ではないので京王八王子利用も少ないとは言えません。
ダラダラと書いてしまいましたが、この時間帯のサイクルは「ダイヤパターンから列車毎の利用率にバラツキが出ているけれど、輸送量に対して輸送力に余裕が有るので混雑車両が殆ど生じていない状態」と言えるでしょうか。
特急は必ずしも特急である必要も無いと思いますが、上記輸送力の余裕がある前提においては、速達性という観点で必要であると捉えられていめるならば、それはそれで良いと感じています。
ただ、17:00~17:20のサイクルを見て分かるとおり、高幡不動で各駅停車と緩急接続してナンボの種別だなぁとは感じますね。以前から緩急接続が確立されているのはそれなりに意味があると捉えられているのでしょう。
<17:20~18:20の1時間>
準特急と各駅停車の10分サイクルになるため、混雑状況も分かりやすくなります。
17:30を過ぎると利用率も高くなっており、特急であった場合の後続の各駅停車の利用率を考えると、妥当な変更であると感じます。気になる点として各駅停車の利用率が比較的バラツくことと、準特急の後の2両のみ利用率が低いことでしょうか。
各駅停車の利用率については、府中~北野間においては先発・先着なので、分倍河原における南武線からの接続のタイミングと通勤時ならではの各駅停車の波動の影響かと推測します。
準特急の後2両の利用率が低いことについては、府中の緩急接続における各駅停車の停車位置が関係しているのかな?と推測しています。いずれにしても利用率が高くなっている時間において準特急各駅停車の利用率は双方妥当な状況であると考えます。
以上から、夕ラッシュ時の準特急化は混雑バランスを踏まえると妥当な変更であったと考えます!!