No.42 京王線明大前駅 朝ラッシュ時(7:35~8:50)

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【調査条件】
 ・平成18年9月14日(木)
 ・明大前駅京王八王子方にて75分間上り到着時の混雑を定点観測
 ・運行状況はピーク帯で2~3分程度の遅延、雨の影響も多少有

【調査目的】
 ・9/1改定で朝ラッシュ時のダイヤパターンが変更されたため、最混雑区間の明大前で状況確認をする。

【調査結果の要点】
 ・ダイヤパターンの変化は混雑バランスを変化させた。
 ・最混雑列車は8:00~8:30の新宿行通勤快速。
 ・編成中の最混雑車両は5両目。

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【考察】

<ダイヤ変更点について>

 今回(9/1)の朝ラッシュ時ダイヤの改定変更点として、所要時間見直しに伴う停車時間、追い越しパターンの変更がありました。

 具体的には高尾山口・京王八王子発の急行の八幡山での追い越しを取りやめ、新線・都営新宿線直通系統優等から接続させる列車を前述の急行ではなく各駅停車にした事が最大の変更点です。その事が混雑面でどのような変化を生み出したか、改定2週間後の状況を見てみることにしました。

 結論を述べると、上記の変更は優等の混雑に大きな変更をもたらし、混雑バランスの是正を図ることが出来たと言えます。

 最も大きな変化はダイヤ遅延の要因であった高尾山口・京王八王子系統の急行が最混雑でなくなったことです。前回の改定で調布における相模原線系統各駅停車の接続をとりやめて混まないようにしたものの、つつじヶ丘と千歳烏山での集客は相変わらずで、抜本的な改善とはなりませんでした。

 今回は調布~新宿間のスジを大きく変更し、つつじヶ丘および千歳烏山において、直前に新線・都営新宿線直通系統優等を充てたことにより、集客を大きく減らすことが出来たと言えましょう。八幡山で追い越しをしないことから新線・都営新宿線直通系統優等の先着機能が働くため、うまく利用客が分散していることがデータから読みとれます。これはかなりの改善点です!!

 一方、上記を達成するため最混雑列車は通勤快速になってしまいました。前ダイヤの急行に近い機能を有してしまったことから当然と言えば当然ですが、到着時刻を見て頂いて分かるとおり、2分間隔を達成できない要因列車になってしまっています。

 10分サイクルに優等を3本設定する現行パターンを強襲する場合、どうしても混んでしまう列車が出来てしまうので、調布における接続関係や発駅調整等により極力一部列車に集中しないダイヤにしたと思うので、致し方ない部分なのでしょうか。

 前ダイヤと比較して遅延を増大させる列車は減少したと思いますが、依然として混雑列車は存在しているという点について、どのように改善するかが次回改定のポイントでしょう。

<今後の展望>

 今回の急行スジ変更が最ピーク帯のみで、ピーク後は旧ダイヤを継続させたことから、どの時間帯のどの列車が混んでいるという事は京王も重々承知の上でスジを模索していることは伺えますが、10分サイクルを壊すという手段はまだ用いていませんね。

 以前の12分サイクルベースの時にはピーク後に緩急比率1:2というパターンを用いて、優等が混み各駅停車は空いているという傾向をうまく活かした時間帯を設定していました。このことが今後のダイヤのカギかな?と個人的には考えています。

 新線・都営新宿線直通系統優等を10分間隔で設定するという制約があるのかもしれませんが、元々12分間隔であったわけですし、10分サイクルを最ピーク帯は12分サイクルにすることは出来無くないと思います。現行の10、10、10、10、10、10というサイクルを10、10、12、10、12、10といった感じにするのが得策と思えます。

 上記混雑データを見ると8時頃と8時30分前あたりに2つピークの山がありますので、ここに優等を入れたら良いのかなと感じています。続行運転の場合、前の優等はつつじヶ丘、千歳烏山の乗車に耐えうるよう調布の段階で混まないようにし、後続に集中させるという旧ダイヤのパターンは混雑バランス的に良かったと記憶しているので、そのパターンが個人的に得策なのではないかと考えています。