【調査条件】
・平成18年10月26日(木)
・目黒駅武蔵小杉方で上り列車の到着時の混雑を50分定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・9/25のダイヤ改正で朝ラッシュ時に急行が設定されたため、現状を確認する。
【調査結果の要点】
・ピーク30分間の混雑率は増発効果により10%程度減少した(150.6%→141.2%)。
・サイクル中、急行が最も混雑率が高くなっており、最ピーク列車で180%弱程度である。
・無待避各停は急行に迫る利用率になっており、武蔵小山待避各停は比較的空いている。
【考察】
<ピーク30分間の混雑率について>
No.46にて旧ダイヤの朝ラッシュ時調査を実施していますが、それと比較するとピーク帯30分における本数が9本から10本に増発されたことにより、輸送力が一両定員140人計算とすると7560人から8400人と11%増加しました。この30分間の輸送量は調査結果から推定11,300人~11,800人程度となっており、概ね150%から140%程度に減少したと判断できます。あくまで平均値とするならば新ダイヤの混雑率は下がっている事が確認出来ます。
<9分サイクルにおける混雑バランスについて>
上記グラフをご覧の通り、急行の混雑率が最も高くなっています。急行が混むことについては武蔵小山で緩急接続を行っていることから容易に推測できる部分はありましたが、予想よりは混雑率が低かったというのが率直な感想です。
武蔵小山における緩急接続が別方面(南北線系統と三田線系統)接続となっており、白金高輪でも別方面接続があるため、急行に集中するのではないかと考えていましたが、実際には最混雑列車で180%弱程度と何とかギリギリの混雑率に収まっており、待避各停も120~140p程度の利用率になっていました。数分程度の差なので混雑列車に乗りたくない、最初から目的路線の電車に乗りたいといった思考があるのかどうか分かりませんが、有る程度分散している状況と言えるのではないかと思います。
急行に乗りたくても乗れないからではないか?という見方もありますが、サイクル全体の混雑率が下がるパターンにおいて急行、待避各停とも利用率が下がっていることから、あくまでサイクル上の利用客の選択の結果なのだろうと考えています。
細かい所を見てみると、目黒着時点の前列車間隔が開いている列車の利用率が高くなっている事に気付きます。9分サイクルに3本なので、基本的に3分間隔なのですが、列車によって3分半から4分程度になっています。この遅延の理由は分かりませんが、大岡山の接続関係が影響しているのかな?という感じです。
遅延は無待避各停の場合、そのままその列車の混雑率に影響し、待避各停の場合は緩急接続する急行の混雑率悪化を引き起こします。よって、急行の混雑を一定範囲に抑えるためには、関係する待避各停スジを如何に遅延させないかという事が重要かもしれません。
予想より急行の混雑が厳しくなかったという印象ですが、やはり列車毎の利用率の差が激しいなという印象が残ります。現行程度の利用率であれば緩急接続は決して悪くないと思うものの、今以上に全体の混雑率が高まってくれば、優等は武蔵小山通過というセンも考えていかなければならないかもしれません。今後の利用率次第でしょうね!!