【調査条件】
・平成19年1月19日(金)
・渋谷駅中央林間方で上り列車の到着時の混雑を60分定点観測
・1~3分の遅延有(60分に26本運転)
【調査目的】
・2007年4月5日から朝ラッシュ時の急行が準急化されるため、現状ダイヤの状況把握をする。
【調査結果の要点】
・急行が超満員なのは渋谷着8:07~8:37の30分間で、到着する急行8本のうち6本は6扉車を連結している。
・各駅停車は急行と比較して概ね30%程度平均混雑率が低い状態にあるが、ピーク帯の混雑は厳しい。
・6扉車導入効果が大きく、5~8両目の混雑率が高い。
【考察】
<急行の6扉車の集客効果について>
上記グラフは通常の4扉車両の輸送力を基準に作成しているため、6扉車を導入している5、8両目の混雑率が高くなっていますが、6扉車は集客力があるため実際には混雑率はここまで高くありません。このグラフが示すのは6扉車導入(6編成)により、その車両を利用している人が多数居るという事です。
No.72のデータと比較していただければ分かりますが、全体の混雑率が変わらず急行の輸送力が増したので、そのぶん各駅停車の混雑率が下がっていることが分かります。すなわち、6扉車増加に伴い混雑格差が大きくなってしまったという事になりますが、急行に乗りたい人がより多く乗れているという事でもあり、善し悪しでしょう。
<ピーク帯の各駅停車の混雑について>
要点で各駅停車は急行より30%程度平均混雑率が低いと書きました。確かに数字上はそうなのですが、各駅停車は6扉車を導入していないので、ピーク帯を見ていただければ分かりますが、混雑pが3,600p前後になっており、混雑的にはかなり厳しい状態にあると言えます。
つまりピーク時間帯は急行も各駅停車も混雑が厳しい訳で、いかに遅延を無くして単位時間あたりの本数を確保するかというのが重要だという事です。
急行の準急化における並行ダイヤ化は、上記のピーク帯における「各駅停車に存在する多少の輸送力バッファ」を確実に埋められるようにし、一部列車に混雑が集中しないようにすることが狙いであると言えましょう。実際の効果は改正後に見てみたいと思います!!