【調査条件】
・平成19年4月9日(月)
・二子玉川駅渋谷方で上り列車の発車時の混雑を60分定点観測
・運行状況は最大2分遅延(回復傾向にあり60分に28本運転)
【調査目的】
・2007年4月5日から朝ラッシュ時ピーク帯の急行が準急化されたため、二子玉川の状況を確認する。
【調査結果の要点】
・ピーク時の準急と各駅停車の混雑率の差は編成合計で300p程度で、6扉車有無を考慮すると同等の状況。
・準急運転時間帯はドア閉めに手こずる列車が無くなり、遅延は発生しなかった。
※調査日は急行運転時間帯の遅延を準急運転時間帯で回復させた。
【考察】
<急行の準急化による混雑率の変化について>
グラフを見ていただければ分かる通り、急行の準急化により桜新町での追い越しが無くなったため、準急の利用率は急行と比較して編成全体的に下がりました。一方各停の利用率が上がっており、編成中央部が混んでいた状態が変化して編成全体が均等に混むようになりました。
混雑率の差は編成合計で300p程度ですが、準急に6扉車がある事を考えると、準急運転時間帯の準急と各停の余裕(旧新玉川線内での集客バッファ)は同等であると考えます。
<遅延状況について>
準急運転時間帯は全列車が渋谷に先着することになったため、混雑率が均等化された結果、ドア閉めに手こずる180p~200p程度の混雑状況の車両が無くなり、遅延はほぼ発生しませんでした。
これは大きな改善とも言えますが、言い換えれば渋谷に近づくほど総ての車両の混雑率が高くなる事になるわけで、旧新玉川線内での利用者個々が乗車位置を決めるなど混雑状況に対する慣れが確立されるまでは遅延が解消されないかなと感じます。 ※実際この日も渋谷までで8分遅延しました。
上記グラフで見ると、急行運転時間帯は各停が編成中央の利用率が高く、前後に向かって利用率が下がっています。この傾向を旧新玉川線内利用者は理解した上で約4分おきの各停に乗車していた訳ですから、ダイヤ改正により準急と各停の2分おきになったとは言え、今まで乗れた位置に乗れなくなったりというケースは多々あるでしょう。
編成全体の利用率が均一化された(今日の調査では)ことに対して、利用条件的には良くなる筈なので、試行錯誤して乗る位置が決まってくれば、渋谷到着時の混雑率は自然と旧ダイヤに近くなり、遅延も減っていくのではないかと思います。