No.80 東急田園都市線渋谷駅 夕ラッシュ時(18:50~20:05)

konzatu_data80.jpg

【調査条件】
 ・平成19年4月20日(金)
 ・渋谷駅中央林間方で下り列車の発車時の混雑を75分定点観測
 ・運行状況は最大2分程度の遅延

【調査目的】
 ・東急田園都市線の渋谷駅を利用したので、19時台の下り列車の利用状況を見る。

【調査結果の要点】
 ・急行の混雑率が最も高いが、無待避各停の混雑率も急行に迫る状況。
 ・桜新町待避の各停は比較的空いているが、各停だけで前列車間隔を考えると妥当な利用率である。
 ・東武線からの直通列車は比較的到着遅延の確率が高い。

konzatu_data80.png

【考察】

<混雑状況について>

 混雑状況については、グラフを見て頂くと分かるとおり、やはり急行の利用率が最も高くなっています。が、急行直後の各停の利用率も急行に迫る利用率になっており、決して急行だけが混んでいる状況では無いと言えます。

 急行発車時にホームに結構な人が列を成して留まるため、急行に乗りたい人が乗り切れていないような印象を受けますが、実際には急行は満員になっておらず、ホームに留まる人は各停を利用する人であり、各停として前列車間隔が開くためホームに人が溜まるというのが実状なのではないかと思います(もちろん混雑状況を見て急行を避ける人も居るでしょう)。

<各停の利用率について>

 田園都市線は半蔵門線内が急行を含めて等間隔の設定であるため、多少の時間調整はあるものの各停の運転間隔はだいたい1:2になります。とすれば、単位時間あたりの各停利用者が同じであれば、無待避各停と桜新町待避各停の利用率は倍近い差になるところですが、実際にはそうはなっていません。

 理由として、急行の存在、着席狙いによる増減、半蔵門線内の前列車間隔など様々な要素があると思いますが、そうした事を考えると桜新町待避各停の利用率は思ったより高いのかなという印象を受けます。急行を待避するから敬遠というよりはむしろ空いているから選んで乗られているのかもしれません。

 よって、桜新町待避列車が空いている状況ではありますが、ダイヤパターン上バランスが悪いとは言えないのかなと捉えます。急行が混んでいるのは事実ですが、直後の各停も混んでいる訳ですから、乗り切れていない状況でない限り妥当であると見るのが自然なのかな?と個人的には考えます。

<遅延状況について>

 最後にちょっとだけ気になった点を書いておきますと、今回の調査における対象時間帯の直前の急行が東武線からの直通で2分近く遅延して到着し、その影響で直後の各停(清澄白河発)も遅れを引きずっていました。

 ダイヤを見ると18時台は急行の10分間隔が伊勢崎線のサイクルと合うためか、総ての急行が東武線からの直通になっており、これらは押上での調整時間がほぼ無い状況にあるため遅延の可能性が高いのではないかと思います。

 個人的には夕ラッシュ時の急行は東武線直通ではないほうが良いかな?と考えます。もちろんダイヤ上調整時間があれば直通でも良いと思いますが、田園都市線において最混雑である急行は所定のスジ通りに走り、利用の分担率を高めないことが大切だと思うので、今後そのあたりが考慮されることを期待したいと思います!!