※このライブラリは過去の調査データを新形式にして再掲したものです。
【調査条件】
・平成16年9月2日(月)
・渋谷駅中央林間方で下り列車の発車時の混雑を195分定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・No.80、82、83で現状ダイヤの利用状況を確認したため、増発効果を確認すべく過去データを再掲する。
【調査結果の要点】
・2002年の20時台~21時台の急行及び急行直後の各停の混雑が厳しい。
・急行の2本あとの無待避各停の利用率が高いことから、一部車両に積み残しがあったと考えられる。
・この後のダイヤ改正毎に少しずつ増発がなされたため、混雑率は確実に減少した。
【考察】
<2002年ダイヤの混雑状況について>
混雑グラフをご覧頂くと分かるとおり、20時台から21時台にかけて急行の混雑率が極めて高く、ほぼ全車両が満員です。急行直後の各停についても急行に迫る混雑率になっており、車両位置によっては急行同様の満員状態です。
急行が混むのは20分間隔であるため、狙い乗車が集中することと、鷺沼までの先着列車としての分担率が高いこと(10分前の各停を逃したら急行に乗る事になる)が理由でしょう。2007年ダイヤでは毎時トータル15本運転で急行が平均12分間隔で設定されていますから、今になって考えると、そもそも列車本数が少なかったという事なのだと思います。
急行直後の各停も急行に迫る利用率になっていますが、各停としての前列車間隔が9分あるため、利用が集中することと、急行が満員であることから急行に乗れなかった人が利用している可能性が高そうです。2007年ダイヤでは運転本数増加に伴うサイクル短縮があったため、前列車間隔が縮まったことと、急行が満員で無くなったこともあり、混雑率はぐっと下がっていますね。適切な増発がなされたと思います。
<積み残しの存在について>
2007年の調査を実施した結果、夕ラッシュ時については遅延等で一部列車に利用が集中しない限り、基本的に積み残しは存在しない程度の輸送力が確保されていると見ていますが、この2002年の状況においては急行、各停問わず積み残しが有ったように思います。
根拠ですが、急行については明らかに満員で乗ろうと思っても乗れない状況(時間帯により編成全体、編成のうち一部と差がありますが)であることから、各停については前列車間隔が5分しかない急行の2本後の各停の混雑率が倍近い前列車間隔の直前の各停に近い混雑率になっており、急行直後の各停に乗り切れない人が後続の各停に乗っているだろう事から判断できると思います。
<5年間の差はあるのか?>
上記のような状況が利用者の印象として根強く残っているような気がしますが、No.80、82、83のグラフと比較すれば差は歴然です。その変化は列車の増発、サイクルパターン変更であり、列車、乗る場所を選べば混雑回避が出来るようになった現行ダイヤは改善されたと見て良いでしょう。5年の差は確実にありますね!!