【調査条件】
・平成19年10月11日(木)
・北千住駅つくば方で上り列車の到着時の混雑を90分定点観測
・運行状況はほぼ正常
【調査目的】
・10月18日にダイヤ改正が行われるため、現行ダイヤの各列車の混雑状況を確認する。
【調査結果の要点】
・8:00~8:30の30分間は列車種別によらず混雑率が高く、普通の遅延が顕著である。
・ピーク1時間帯において、優等は守谷発の快速が比較的空いている。
・八潮発の普通設定は、後続列車の混雑緩和に寄与している。
【考察】
<全体の混雑状況とダイヤ改正の意図について>
前回調査(No.62)は昨年年末という事もあり、通常期よりやや少なかったかもしれませんが、それを差し引いても随分と混雑率が高くなった印象です。元々混雑率が高かった8:00~8:30の30分間は種別・車両位置を問わず混んでいる状況で、10月18日の改正で出来うる対策として守谷発快速の区間快速化と八潮始発普通の増発を行う事は頷けます。
最混雑列車は8:01のつくば発快速で、この前後の守谷発快速が前後の区間快速に比べて混雑率が低い事が分かります。決して空いている訳では有りませんが、普通の利用率が快速と同等もしくは上回っている事から、10月18日の改正で区間快速に種別変更することにしたのでしょう。
グラフを見ると分かりますが、快速の後の普通と比べて区間快速の後の普通のほうが空いており、区間快速が三郷中央と八潮の2駅で確実に集客していることが分かります。すなわち快速を区間快速にすれば、確実に混雑率を高める事ができるという事です。
区間快速化により混雑率が高くなるでしょうが、現行の区間快速が180p程度の混雑になっており、それを越える分は直後の普通にシフトしているという事から、同様の分布になると判断しているのかもしれません。優等は多少ドア閉めにてこずっても通過駅があるので挽回できるという事で、ピーク帯の普通の「停車駅が多い分だけ遅延している状況」を解消したいという事なのでしょう。
<編成の混雑傾向について>
グラフをご覧の通り、種別によらず先頭よりの車両が混む傾向があることが分かります。快速は特に1、2両目と5両目の混雑が顕著であり、南流山の階段位置とほぼ一致することから、南流山において混んでいても乗る傾向が強いようです。乗ってしまえば北千住までノンストップで到達時間差もありますし、納得できる傾向と言えます。また、女性専用車の利用率も高めであることも注目点ですね。
区間快速と普通は停車駅の差がさほど無いため混雑傾向は比較的似ていますが、顕著な差として区間快速は遠距離発でかつ優等であるかめか、女性専用車の利用率が5両目と比べて高くなっていました。一定の利用率があると見るべきなのでしょうか。
<八潮始発の機能について>
10月18日の改正で八潮始発の普通が1本増発されるため、その効果を推測すべく既存の八潮始発の普通の状況を見てみると、同時間帯の他の列車と比べて利用率は低いものの、3駅だけの集客で後続の普通比で2/3、区間快速比で1/2程度の利用率になっており、充分機能していると見ることが出来るかもしれません。仮にこの普通が無かったとして、その利用客を後続の普通、区間快速にシフトさせるとすると、ちょうど15分サイクル後の利用率程度になりますから、この混雑差は大きいと見るべきでしょう。
新設の列車が既設列車と同等の集客機能があると仮定すると、八潮始発普通が900p程度、後続の普通が1,400p程度(-600p)、区間快速が1,700p程度(-300p)程度になりそうです。区間快速が空くことで、更に後続の普通から直前の区間快速にシフトする可能性はありそうですが、結果として普通の混雑が緩和されれば遅延が軽減される訳で、上手く機能することを期待したいと思います。
ダイヤ改正後の状況は早めに確認したいと思います!!