2014年5月 3日

2014年5月1日相鉄線新ダイヤ利用状況調査

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 2014年5月1日に相鉄線の新ダイヤの利用状況を調査しました。

 まだ改正直後で落ち着いていないことから、全体の印象を感じ取るべく、横浜駅、二俣川駅、大和駅で30分1サイクルずつサラッと確認することとしました。

 以下、3駅の状況について上下別にコメントしたいと思います!!

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 <横浜駅下り出発時状況>

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図-1:横浜駅下り利用状況データ(30分1サイクル)

 横浜駅下りについては、表の平均混雑率を見て分かるとおり、最混雑は単独走行の快速で、次いでいずみ野特急、本線特急となり、特急後続行の快速は利用が前者3種の半分程度となり、各駅停車は更に混雑率が下がっています。

 二俣川までノンストップの優等と各駅停車の本数が1:1なら、概ね3:1の利用比率となるところに、星川、鶴ヶ峰停車の快速へのシフト、特急と快速が続行の場合、停車駅の違いおよび続行により適切に分散されるというのが全体のロジックになっていると捉えられます。

 星川と鶴ヶ峰以遠のすべての駅利用者集められる単独快速がやはり最混雑になりますが、いずみ野特急も星川と鶴ヶ峰を除けばほぼ同等の機能があり、敬遠するほどの前後他列車設定も無いことから、思いのほか利用率が高い状況なのは、ダイヤの狙い通りといった印象です。

 本線特急も快速と続行設定の割には集客していると言えますが、この特急が急行で、後続の快速が無くなった場合、星川と鶴ヶ峰利用者が後の快速にシフトするとなると、前述2本と同程度の利用状況になるものと思われ、停車駅、ダイヤから見てこれ以上の集客は全体バランスからみても無理なのかなぁと考えます。

 海老名方面の続行がどうなのか?という印象もあったのですが、ある程度適切に分散がされていることから、これはこれで良いのかなと考えるところです。

 各駅停車は純粋に前列車間隔と、直前に快速があるかどうかで利用率が決まってくるようです。

 この程度の利用ならば、快速は急行のままで各駅停車に星川、鶴ヶ峰利用者を担わせても良さそうですが、そもそも優等列車も混んでいる訳ではありませんし、今回のダイヤが運用抑制のため待避を極力無くすスタンスのようなので、これはこれで良いかと捉えるところ。

 ただ、いずみ野特急が思いのほか利用率が高いので、各駅停車の10両運用と交換しても良いのかなぁとは感じるところです(今後の調整ポイントでしょうか?)。

 編成位置による混雑傾向は以前と同様ですね。

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 <横浜駅上り到着時状況>

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図-2:横浜駅上り利用状況データ(30分1サイクル)

 横浜駅上りについては、下りと異なり快速といずみ野線特急がほぼ同等(編成両数の関係で8両快速が最混雑)、各駅停車がそれに次ぎ、本線特急が最も空いている状況です。

 二俣川での接続を基本とするパターンで、快速といずみ野線特急はいずれも二俣川以遠からの利用が集中する形になっているのに対して、接続の無い本線特急が空いているのはパターン上納得できる状況とは言えそうです。

 各駅停車は近距離区間の集客でこの程度の利用になっており、下りと異なり快速の直前設定となっている事から利用があるのかと考えるところです。

 各駅停車3本の利用の差は前列車間隔と直前に快速があるかどうかという部分で決まっているようで、少なからず快速の影響はあるようですが、特に星川は快速直前となることから大半は各駅停車が集客すると捉えると、鶴ヶ峰での乗車で決まるウエイトが高そうに感じます。

 編成傾向を見ると、混んでいる優等は着席思考が働くためか横浜の構造が影響していないのに対して、各駅と本線特急は降車条件が良い車両の利用率が高いところは面白いところですね。

 本線特急が快速の直後設定で空いているのに集客力が低いところが気になるところですが、最混雑でも100p程度の状況なので、特に混んだ列車があるという訳ではありませんが、ちょっともったいない感じではあります。

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 <二俣川駅下り出発時状況>

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図-3:二俣川駅下り利用状況データ(30分1サイクル)

 二俣川駅下りの状況ですが、本線方面列車の利用率が高く、いずみ野線方面の利用率が低いという二分の結果が明確に出ています。

 本線系統では単独運転の快速が最も利用率が高く、特急直後の快速は特急に利用がシフトする分利用率が若干落ちます。

 本線系統の各駅停車はこの続行快速と同等程度となっており、いずみ野線特急からの乗り換えである程度まとまった利用があることが伺えます。

 一方特急については停車駅の少なさのためか本線系統では最も利用が少なくなっています。

 いずみ野線方面については特急、各駅停車とも空いていますが、その中でも若干の傾向はあり、特急があると後続の各駅停車が空いており、本線同様に特急停車駅利用者が特急にシフトしていることが伺えます。

 もともとのパイが少ないため、ものすごく空いている印象ですが、機能はしているという事なのでしょう。

 二俣川以遠の遠方区間は停車駅設定上、特急の利用率が低いことはある程度仕方ないと捉えるべきなのでしょう。

 他の列車が混んでいるということでもありませんし、速達化の需要引き出しを考えると、このダイヤで様子を見たい感じというのが実態かなと。

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 <二俣川駅上り到着時状況>

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図-4:二俣川駅上り利用状況データ(30分1サイクル)

 二俣川駅上りの状況ですが、本線系統の快速2本がほぼ同等の利用状況で最も高く、本線系統の各駅停車、特急、ぐっと落ちていずみ野線特急、各駅停車といった状況です。

 本線系統は特急と各駅停車を足すと概ね快速と同程度になることから、特急があることで後続の各駅停車の利用がシフトする状況と言えます。

 特急が速達列車といっても、前の快速を追い越すわけでは無いので、前列車間隔相当の集客しか出来ず、海老名と大和の2駅集客ではこの程度の利用になるのも仕方ないかなと思うところです。

 編成位置による混雑傾向ですが、快速は概ね座れて立ち客少々程度の状況のため、降車条件よりも着席志向があるためか後部車両を除いて似たような利用状況になっています。

 本線系統各駅停車は利用率が低いため、乗車条件、降車条件で選ばれた車両の利用率が高くなるようで、先頭、中間付近の利用率が高くなっています。

 いずみ野線系統については、二俣川止まりの列車が横浜行と同等の利用状況になっており、従来から二俣川で優等に乗り換えという流れが基本のためか、区間列車の敬遠はありません(まぁダイヤ的に見て当然か・・・)。

 特急の後続の各駅停車も直前に特急があるため幾分他列車より利用が少なくなるかなと思いましたが、さほど差は無いようです。

 湘南台時点での特急シフトはあるのでしょうが、対横浜方面の集客はいずみ野線の途中区間からの集客と考えると、いずみ野以外停車しない特急の存在が各駅停車の利用率にほとんど影響を与えないと捉えられるのかなぁと思うところです。

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 <大和駅下り到着時状況>

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図-5:大和駅下り利用状況データ(30分1サイクル)

 大和駅は横浜方状況が確認したく、前述2駅とはホーム反対位置で調査しました。

 大和駅下り方面の状況ですが、最も利用率が高いのが単独快速、次いで特急、各駅停車の順となり、最も利用率が低いのは特急後続の快速でした。

 特急の後続の快速の利用率が低いのは、直前に特急があるため大和、海老名利用者は特急にシフトするためですね。

 希望が丘~瀬谷間の下車で快速と各駅停車の利用率が下がっていくため、大和段階では特急の利用率が他列車と同等になっています。

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 <大和駅上り出発時状況>

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図-6:大和駅上り利用状況データ(30分1サイクル)

 大和駅上り方面の状況ですが、快速2本が概ね同等の利用状況で、特急と各駅停車は快速の半分以下程度となっています。

 快速は半数が8両のため、8両編成の前後部の利用率が高くなっていますが、横浜方に進むにつれて他の車両が同等になってくることが確認できたため、大和段階の利用率の高さはあまり問題が無いのかなと考えるところです。

 概ね特急+各駅停車=快速の利用率になっている事から、特急は前列車間隔、停車駅を考えると相応の利用という感じがしますが、ここで集客しないと二俣川の接続が無いため横浜まで利用率が低くなってしまいます。

 なら瀬谷で追い越せば・・・とは思いませんが、上りはむしろ特急が8両でも良いのかなとは思ったりしますね。

 以上、3駅の状況コメントでした!!

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 <まとめ>

 ■特急の利用状況について

 新設された特急の利用状況ですが、停車駅数から見て急行以上にはならないと思っていたので、だいたいイメージどおりかなというところです。

 懸念があったいずみ野線特急は上下とも横浜~二俣川間では利用率が高く、列車として機能していることから、いずみ野線内の利用率の低さは他の各駅停車の状況を見れば、これはこれで良いのかなと捉えるところです。

 むしろ上りの本線特急が全線で空いているのは、快速の横浜口の利用率が比較的高いことからすると、ちょっともったいない状況かなぁとは思います。

 かといって二俣川で接続するのがいずみ野線系統では集客はさして望めないでしょうし、海老名と大和の集客に期待するしかないのかなぁと。

 まだ初期段階ですから、本線特急は空いていて横浜着が快速の1分後であることが認知されれば(放送・案内次第では)、二俣川では特に快速の混雑が顕著になってくることもあり、特急待ちが少なからず出来るのかなぁと。

 そうなると、現行パターンで特段問題はないのかなと思います。

 ■8両快速について

 ダイヤパターン上、上りの快速の半数が8両になる部分が気になるところでした。

 が、利用状況を見ると8両快速は確かに利用率が高いものの、編成全体が平均的で前後端部が10両編成と比べて高い訳ではないので、許容できる状況かなとは感じたところ。

 むしろ10両編成の後部が空いている(昔のダイヤからの傾向)事のほうが気になりますが、これは後部2両は海老名の改札口に近く海老名口で埋まる車両で、位置的に横浜方面利用の場合狙わない位置であることから、横浜に進むに従い降車はあるけど乗車が無く空いていくというのが実態かと思われます。

 今後、後続特急へのシフトの期待を含めて様子を見たい感じですね!!

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 今日のところは以上です。