2007年5月14日

東急田園都市線の朝ダイヤについて考える!!

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 今日は午前中外回りだったので、これはチャンスだと思い東急田園都市線の朝ラッシュ時の調査をしました。ちょっとの違いなのですが渋谷に居られる時間が長くなるので、準急の状況が見れるのです!!

 調査開始は7時半で、GW明けから新たに6扉車が導入された急行を見てみましたが、混んではいるものの1本後の急行と比べるとやや空いている感じです。時間帯的に早い勤務の方々に人気の列車なのかな?と思ったのですが、どうなのでしょうか?溝の口までの混雑が厳しいという事なのかもしれませんね。

 その後は比較的混雑が厳しくない状況が続き、7時49分の急行から「あ~、田園都市線だなぁ」といった混雑状況になりました。ここから12分間の急行:各停=1:1ダイヤは以前のダイヤと同様の傾向ですが、急行の混雑は以前と比べるとやや混んだようです。7時59分の急行は特に混雑が厳しいですが準急移行前の最終の急行であるため、利用が集中したのでしょうか。

 8時から準急ダイヤになりますが、全列車各駅であることから以前と比べると混雑分散は図られましたね。気になったのは、6扉車を有する準急よりも各停のほうが混雑が厳しい車両が多く見られたという事でしょうか。等間隔で運転しているため、渋谷下車時に便利な位置の車両が混む傾向は変わりませんが、準急は6扉車の集客効果が高く、隣接する車両の混雑もそこそこの所に収まるのに対して各停はかなり厳しいです。

 混雑ポイント的に見ると準急のほうがやや高いですが、輸送力に対するバッファという観点では準急も各停もどっこいどっこいという感じですね。そういう意味では上手い感じに分散されていると言えますね。

 8時半を過ぎて6扉車が無くなった段階で急激に混雑率が下がったため、GW一週間後のため、休みの人が多いのかよく分かりませんでしたが、明らかに空いていました。そのためか8時頃に発生した4~5分の遅延はそのまま維持され、以降はきっちり2分少々の間隔で到着・出発していきました。

 さて、状況の概略はこんなところで、以下に混雑概略と停車時間のグラフを以下に示します。準急導入前状況は2月21日のブログを参照ください(下記)。

 https://okiraku-goraku.com/2007/02/21/

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図:東急田園都市線の渋谷における停車時間グラフ

 このデータを元に混雑の比較計算をしてみます!!

 8時半以降は混雑率が低いなと思いましたが、8時半までは旧ダイヤ調査時と殆ど変わらない気がしたので、2月21日で報告した旧ダイヤと今日の新ダイヤを7:58~8:28の30分間で比較してみることにしました。

 すると、利用の合計はほぼ同一になりました。よかった!!

 <準急導入前> 合計49,018p
 
 急行7本 平均 4,011p
 各停6本 平均 3,490p
 全体   平均 3,770p

 <準急導入後> 合計48,630p

 急行1本 平均 3,970p
 準急5本 平均 3,824p
 各停7本 平均 3,648p
 全体   平均 3,740p

 こんな感じです。準急が従来の急行と比べて200p近く混雑ポイントが下がり、そのぶん各停の混雑ポイントが増えていますから、狙いの分散化は図られたという事になりますね。

 混雑自体は5~8両目の混雑が厳しいという傾向は従来通りですが、各停に6扉車が無い事もあり従来の急行に近い混雑状況で到着しているにも関わらず停車時間が伸びていない事から、混雑分散が遅延解消に寄与していることが分かります。

 急行時間帯から準急時間帯に移行する段階でいきなり4分遅延になっているのは、準急1本目の直前の各停と1本目の準急の2本が遅延していたためで、この2本が今日調査したなかでは混雑率が高かった事もあり、なにかしら弱点になっている事が想像できます。

 ラスト急行の混雑が高い事もあり、その影響が待避する各停に出て、更に準急に影響を与えたと考えるのが自然ですが、そう考えると、溝の口~二子玉川あたりの並行ダイヤ区間の状況が気になるところです。

 時間があったら見てみたいと思います!!

 <調査・分析のまとめ>

 職場に田園都市線利用者が居るので、さりげなく状況を聞くと準急化後も遅延は継続的に起きているようですが、どの区間で起きているのかが分からないのと、一部の列車が原因で発生しているのか、複数の列車が原因で発生しているかにより、対応が変わってくるものと思います。

 少なくとも今日見た限りでは、8時頃の2列車だけで4分程度の遅延を起こさなければ、1~2分程度の遅延で乗り切れたように感じるわけで、準急時間帯が悪いというよりも移行期、つまりピーク前半部分に改善のキモがあるような気がしてなりません。

 田園都市線は急行の混雑が厳しいという認識が持たれていますが、実のところ桜新町で待避をしない各停も急行同様に利用が集中する傾向があり、急行から準急に移行する時間帯の渋谷まで先着する各停が、渋谷への先着列車への機能を有していながら前列車間隔が開いているという事で、溝の口~二子玉川あたりのスジ確保が困難なのでは?という懸念があります。

 準急ダイヤ直前にこうした要素があるため、準急時間帯のスジが列車詰まりにより遅れていると仮定すると、準急ダイヤそのものが悪いのではないという事になります。

 そのあたり現地で後日確認したいと思いますが、仮にここが改善点だとすれば、例えば露払い列車の設定で幾分改善がなされるかもです。

 準急時間帯の列車を全体的に2分遅延させる前提で、最終急行の直後に鷺沼始発の準急もしくは各停を挿入すれば、とりあえず長津田方面の方には悪いけれど、列車を2分間隔で走らせる事が重要なので、2分遅延くらいのレベルで運行できる方法として、チューンナップされると、随分違ってくるのでは?という気がします。