副都心線開業半年後調査に向けたメモ(小竹向原編)
副都心線開業から半年経ったという事で、先週3回に分けて副都心線開業直前の西武池袋線、東武東上線朝ラッシュ時混雑状況を現地調査結果から分析しましたが、今回はダイヤ改正から2週間経った小竹向原駅の状況について報告しておきたいと思います。
開業当初から運行面の煩雑さや複数路線直通による遅延が発生していたようですが、そのあたりも含めて現地調査から幾つか分かった事があるので、あわせてコメントしたいと思います。
図:2008年7月8日(火) 有楽町・副都心線小竹向原駅混雑状況データ
調査データの前提ですが、ピーク60分間を含む90分間調査しました。
ピーク60分間はデータから読み取ると7:31~8:30の60分間になりました。池袋基準だと概ね7:37~8:37かと思います。東武東上線の最ピーク40分間が7:50~8:30の40分間と言われていますから、概ね同じという事になりますでしょうか。
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グラフを見ると分かるとおり、小竹向原発状態では有楽町線系統の利用率が高く、副都心線系統は通勤急行がやや利用率が高いものの、急行と各駅停車は立ち客少々といった状況でした。
ただ、このデータをして副都心線が空いているという印象は受けませんでした。
なぜならば、率直に言えば「全体的に空いている」からです。
有楽町線は旧ダイヤ時で最混雑区間において173%程度の混雑率になっているようですが、池袋での増加が大きく、池袋着時点ではそこまでの混雑率にはなっておらず、更に千川、要町の増加もあるため、小竹向原発時点の混雑率を推測すると、概ね135%程度と試算が出来ます。
更に副都心線開業に伴って運転本数が増加しましたから、有楽町線系統であっても100%程度というのは納得の状況という感じでしょうか。
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そうなると、なぜ遅延が発生するか?ということが気になりますね。
開業当初は、小竹向原における複数系統のクロス(X)運行がダイヤ上のネックと言われておりましたが、実際現地を見てみると、乗り換えを含めて小竹向原だけが原因ではないなという印象を受けました。
小竹向原の構造が原因とするならば、小竹向原到着は正常で、乗り継ぎ等要因により発車時に遅延するという状況であるはずなのですが、この調査時に全列車到着時刻、ドア閉め時刻、発車時刻をメモってみると、到着時刻がすでに遅れていたんですよね。
特に和光市方面からの列車の遅延が見られ、そこがポイントかなと個人的に感じた次第です。
そのあたり、以下に少々掘り下げて見ます。
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まず、和光市~小竹向原間がダイヤ改正前後でどう変化したかを抑えておきたいと思います。
旧ダイヤはピーク60分間に17本が設定され、新木場行13本、新線池袋行4本となっており、運転間隔は3~5分で新線池袋行を挟む場合の新木場行間隔は最大7分です。
一方、新ダイヤではピーク60分間に22本が設定され、新木場行13本、渋谷行通勤急行4本、各駅停車7本の計24本となっており、副都心線系統を挟む場合の新木場行間隔は最大8分(11/29改正で7分に変更)です。
この変更内容から分かるとおり、副都心線系統を設定するにあたって、有楽町線系統の利便性は維持したことが分かります。
ダイヤを見ると副都心線系統が2本連続だったりして、そのあたり不便になったような印象を受けてしまう訳ですが、やはり7本増発は大きいということなのでしょうね。
旧ダイヤ時において新線池袋行を設定する場合に、前後の列車間隔を配慮していないことと、小竹向原において西武線方面からの直通列車に乗り換えられ、かつその列車が空いていることから特に敬遠傾向はなかったのではないかなと思ったり。
それが新ダイヤ策定の背景にあったのかなと感じています。
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小竹向原の構造が遅延の理由ではないとする考え方の根拠として、以下の2点があります。
1.小竹向原の池袋方においてクロス干渉するのは、和光市~新木場系統列車と西武線方面~副都心線系統ですが、ピーク60分間で見ると西武線方面~副都心線系統は6本しかなく、快速は練馬~池袋間のスジに余裕を持たせて、新木場行の合間を抜ける設定になっていること。
2.西武線からの直通は立ち客程度で到着しており(先週の練馬の分析参照)、小竹向原発段階で和光市系統と同等の混雑率になっていることから、小竹向原における乗換えは機能していること。
今回の調査でも確かに遅延はありましたが、和光市方面は東武線からの直通としては前列車間隔が13分開いている「小竹向原7:54発通勤急行」から遅延が到着段階で増していました。
西武線からの直通についても7:42発が3分程度遅れて到着していましたし、こうした遅延の影響がそのまま有楽町線、副都心線双方の遅延を生み出しているような気がしてなりません。
小竹向原におけるホーム番線の使用方については、和光市系統は1番線、西武線直通系統は2番線と固定しており、西武線系統は本数が少ないため小竹向原での停車時間を確保できるのに対して、本数が増えてしまった和光市系統は1本の遅れがそのまま後続に影響を与えてしまっています。
よって、「小竹向原に到着する時刻の確実性を高める」ことがを確保する」ことが解決の方向性と思われ、場合によっては和光市~小竹向原間の本数を若干間引いてでも和光市の停車時間に余裕を持たせるなどして、東武線内の遅延影響を受けない形にする必要があるのかなと考えます。
混雑的にはやや余裕があることから、例えば池袋始発が構造上設定しやすい有楽町線系統を2本程度設けて、その余裕分を和光市の停車時間に充てるといった事もアリかなと思います。
この調査をするまで、新木場行に利用が集中して遅延が発生しているのかと思っていましたが、ん~、思いっきり考え方が変わってしまいました・・・
まだ分からない部分もありますし、一日の調査で断定するのもアレなので、また時期を見て再調査して、再度考えてみたいと思います。