2009年7月 1日

東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近連立工事分析(1) 現地調査編

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 先日6月30日に東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の状況調査をしてきました。

 なぜしたかというと、連立工事の概要が6月23日に住民説明されたことを知ったからです。

 この事を知ったのは本当に偶然で、6月のダイヤ改正で朝ラッシュ時に竹ノ塚発の浅草行普通が削減されたため、その影響はどうなったか、たまたま「竹ノ塚+α」で検索したところ、ネタを見つけてしまったと。

 足立区のHPで概要資料を見ることができますが、そのネタが何とも妄想膨らむというか、通常とは違った方法で工事をするだろう雰囲気がプンプンして、現地を見ておきたい衝動に駆られてしまった訳です(笑)。

 現地調査と公式情報を元に、鉄道工事研究屋・・・いや一土木屋として趣味的に工事概要を分析してみたいと思います。

 その(1)として、現地状況の確認です!!

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写真-1:竹ノ塚駅下り線西新井方を望む

 ホームから西新井方を見た状況です。

 一番外側が下り急行線、真ん中が東京メトロの車庫からの入出区に使われる入換線(正しい呼び方は知りません)、下り緩行線となっており、東京メトロの入出区車両は下り急行線を平面交差する必要があるのが運行上の一つのネックになっています。

 連立工事が完成すると、おそらく平面交差支障はなくなると思いますが、その方法がどうなるかが興味深いところであると言えましょう。


写真-2:竹ノ塚駅下り線谷塚方を望む

 ホームから谷塚方を見た状況です。

 入換線と下り緩行線間にシーサスがあり、いずれからも谷塚方の電留線に行ける配線になっています。

 急行線と緩行線の運行の合間を縫って入出区するために入換線があるのだと思われますが、竹ノ塚折り返し運用をシンプルにすれば、入換線が無くてもやりくりできるものなのでしょうか?

 実は、先般のダイヤ改正で浅草系統の普通の竹ノ塚発が減ったのは、この工事を行うための布石だと思っているオイラです(深読みしすぎ??)。

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写真-3:竹ノ塚駅上り線谷塚方を望む

 下り線側とはうって変わって上り線側の配線はシンプルです。

 谷塚方に電留線からの分岐があるだけで、急行線とも繋がっていません。

 よって、連立工事のポイントは入出区、電留線が絡む緩行線をいかにして構築するか?だと思いますね。

 急行線は外側線ですし、淡々と(簡単という意味ではない)高架化できるのかなと考えます。

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写真-4:竹ノ塚駅西口全景

 竹ノ塚駅は改札口が駅上部位置に存在しているため、出口は単なる連絡通路の位置づけです。

 そのため、切換が実施しやすい状況にあり、高架化に支障しないようにやりくりするものと想像します。

 ちなみに駅の高架化とあわせて都市計画工事も実施され、交通広場と道路を新設する旨が説明会資料に示されています。

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写真-5:竹ノ塚駅東口全景

 東口は西口より規模が大きく、店舗が連なるビルを形成しています。

 線路に近接した位置に存在しており、一般的な高架化工事では支障撤去するケースが多いのですが、この東口に関しては、張り出した用地に建っており、駅前後にスペースが無いため、ここを工事用ヤードにはしないように感じます。

 駅連絡通路のルート変更は生じますが、極力いじらないのではないかな?と考えています。

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写真-6:竹ノ塚駅西新井方をこ線橋から望む

 2005年に発生した踏切死傷事故を受けて設けられたこ線橋から西新井方を見てみます。

 こうしてみると、駅付近は下り線側に東武の用地と思われるスペースがありますね。

 上り線側には殆ど無いので、このスペースを如何に上手く活用して高架化するか?がポイントでしょう。

 その際に、このこ線橋の機能がどのように維持されるのか、施工手順が興味深いです。

 出来た経緯が経緯なので、ここ以外にも数箇所ある、踏切を使わない横断手段の機能は維持されるものと思われます。

 高架化工事の際に改札口等を地下に置き換えると施工がしやすくなりますが、果たしてどうなりますでしょうか??

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写真-7:竹ノ塚~西新井間状況1

 大踏切から若干西新井に進んだ付近の状況です。

 東京メトロ日比谷線の出区列車が待機しているのが右側に見えますね。

 先ほど駅付近には下り線側に若干の用地があると書きましたが、ここから西新井方になると東武だけの用地(東京メトロの線路はメトロ用地と仮定)としてみた場合、仮線1線ぶんのスペースも無いくらいの状況であり、線形を変えたり東京メトロの協力を得ても、同時に施工できるのは1線だろうなぁという印象を受けました。

 詳しくは明日コメントします!!

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写真-8:竹ノ塚~西新井間状況2

 計画では上り線は竹ノ塚を出るとすぐに高架線から地上線へのアプローチになっています。

 その地上に到達する付近から、上り線の脇に若干の用地(1線ぶんは無い)があることが分かりました。

 どのみち東京メトロの協力を得ないと仮線が組めず、高架橋の構築が難しい状況だと思いますが、施工スペース確保の観点で、ほんの少しでも線路を移設する可能性は高そうに感じた次第です。

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写真-9:竹ノ塚~谷塚間状況

 続いて谷塚側の状況です。

 こちらのポイントは電留線を含めてどのように切換を行うか?という事だと思いますが、竹ノ塚方と同様に駅付近は下り線側に若干の用地はあるものの、留置線の真ん中あたりから谷塚方は殆ど用地がありません。

 よって、仮線スペースを確保するためには、現行の線路を一部撤去する必要があると思われ、その対象は電留線の可能性が高そうであることを現地で感じました。

 というか、そうしないと無理かなと・・・

 高架化後の電留線が2線になることは説明会資料で示されているので、ならば工事中も2線で行けるんじゃないのかなと思うオイラであります。

 以上、現地状況の報告でした。

 明日は住民説明会資料の中身を分析します!!