2009年10月13日JR竜飛海底駅見学ツアー体験!!
2009年10月13日にJR竜飛海底駅の見学ツアーを体験してきましたので、コメントします!!
学生時代トンネルの研究室に在籍し、その後土木屋として働き始めてからも、トンネルに対しては並々ならぬ思いを持ち、またロマンを感じて居たわけですが、そんな身において青函トンネルは常に気になる存在でありました。
かねてから竜飛海底駅と吉岡海底駅の見学がしたいなと思っていましたが、なかなか機会に恵まれず、数年前に北海道新幹線工事に伴う吉岡海底駅の見学ツアーが廃止され、竜飛海底もいつまで維持されるか・・・そんな状況にいてもたっても居られなくなり、今回突撃したのであります!!
以下、体験状況をコメントしたいと思います。
写真-1:竜飛海底駅見学整理券
全国のみどりの窓口等で一ヶ月前から購入できるもので、定員制見学コースのため定員枚数しか発券されません。
そのため今回も早めに買っておきたかったのですが、旅の行程次第で変更の可能性があったため、ギリギリまで買えませんでした(いずれにしても火曜日見学になることから、平日なので大丈夫だろうという判断有)。
北海道入りした12日の段階で、概ね行程確保は大丈夫だろうと判断し、木古内駅で購入しました。
注意書きが事細かに書いてあり、妙に興奮する券面になっています。
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さて、この竜飛海底駅見学整理券ですが、大人2,040円、子供1,020円と比較的高めの設定になっていますが、行程の中で体験するケーブルカーが1,000円、体験坑道展示場の見学に300円、青函トンネル記念館の入館料が400円なので、実質竜飛海底駅体験に要するのは実質300円少々と捉えることも出来ます。
行程において専属のガイドさんがつき、2時間以上対応してもらえることを考えると、むしろ格安という気がしますね。
そのあたりのことが時刻表等にはあまり書いていないので、実際体験してみると、良いツアーだったなと実感します。
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次に見学コースですが、以下の3つのなかから選択することになります。
<竜飛1コース>
函館10:40-(白鳥18号)-竜飛海底11:48(見学2時間11分)13:59-(S白鳥22号)-青森14:45
<竜飛2コース>
青森11:56-(白鳥3号)-竜飛海底12:44(見学3時間34分)16:18-(白鳥15号)-函館17:33
<竜飛3コース>
函館12:53-(S白鳥22号)-竜飛海底13:58(見学2時間20分)16:18-(白鳥15号)-函館17:33
定員はガイドさんに聞いた話では1コースが30名、2コースと3コースが合計30名だそうです。
2コースと3コースが合計30名なのは、ツアー終了後に乗り込む列車が同じ白鳥15号になってしまうため、竜飛海底の停車時間を考慮した設定になっていると思われます。
土休日などはどのコースも定員一杯になるようなので、早めに予約をされるのが良いかと思います!!
どのコースを選ぶかは旅の行程によるかと思いますが、3コースを体験した感じからすると、見学時間が3時間以上ある2コースが地上部分のフリータイムが多くおススメですが、竜飛海底駅自体の見学として捉えるならば、上下ホームいずれも体験できる3コースが良いかも。
オイラはその観点で3コースをチョイスしました!!
写真-2:竜飛海底の乗降状況
竜飛海底駅に到着する直前の2号車指定の出口付近に居るのは、竜飛海底見学ツアーの面々です。
下車しなければ、トンネルの中にデッキには居ませんよね(笑)。
火曜日の平日という条件でしたが、オイラ以外にはオイラ同様のスタンスの旅1名、夫婦、カップルが2組、親子連れ1組の合計8人でした。
3コースは2コースとあわせて30人の定員なので、最高で30人になる計算ですが、さすがに平日なのでそこまではならず、ガイドさんのお話が聞きやすく、それでいて寂しくない適度な状況でしたかね。
2時間も居ればチームとしての空気が出来てくるもので、特段会話するという訳でもないのですが、こうした出会いも旅の醍醐味といえるのかなと思います。
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さて、竜飛海底駅に到着し、イメージとしては下車時に車掌さんに切符を見せてホームに降り立つ感じでしたが、実際にはホームに下ろされると、すぐさま鉄道線路のある本坑と連絡誘導路を結ぶ通路を進むよう案内され、ホームから離れるよう指示を受けます。
ホームが狭く危険だからということもありますが、単に1コースの見学者が乗車するため、さっさと下車してねって事ですかね(苦笑)。
せっかく降りた記念すべき瞬間という事で、撮影したい気持ちもありましたが、正直そういう雰囲気ではなかったかも。
以上は何とかゲットした一枚です!!
写真-3:連絡誘導路を進む!!
竜飛海底駅は、青函トンネルの青森方の定点(竜飛定点)として非常時の旅客待避所や保線基地、トンネルの維持に必要な各種機械類を設置した場所です。
吉岡海底駅も同じ位置づけですが、ガイドさんの話によると、新幹線の運行が開始された際に、新幹線車両に故障等が発生した場合、地上に搬出せずにトンネル内で修理するためのスペースを構築すべく、見学ツアーが中止になったとのこと。
工事の関係ももちろんあるのでしょうが、色々と理由があるんですね。
そんな興味深い説明を聞きつつ連絡誘導路を進み、斜坑を目指していきます。
写真-4:連絡誘導路の合流部状況
この連絡誘導路は、位置的には本坑の下り線側に平行して通っている作業坑の一部であります。
文字のごとく異常時の誘導路ですので、竜飛海底駅部分のみ上り線側にも存在し、吉岡海底川で写真-4のように合流します。
左側が本坑をアンダークロスして上りホームに繋がる誘導路で、右側が下りホームにつながる誘導路で、この合流部から吉岡海底側に若干進むと吉岡海底方面に繋がっている作業坑と待避所への枝分かれがあり、ツアー見学者は待避所に向かって進むことになります。
以前、この作業坑を歩くツアーが企画されたとの事。ちょっと歩いてみたい・・・
ちなみに写真右側通路に見える棚に荷物を預けることが可能です。オイラもお土産袋が邪魔だったので、預けてスッキリ♪
写真-5:待避所を経由して斜坑を目指す!!
非難時に使用する待避所を通過します。
壁面に青函トンネルの概要パネルが掲示され、見学コースの説明ブースと化していますが、待避時に使用するトイレや更衣施設などが配置され、あくまでも非難設備であることをうかがわせます。
その後、門を2つ越えます。
1つ目の門を開けて入り、1つ目の門を閉じてから2つ目の門を開けるという、気圧の違う場所を通行するような手順です。
よく分かりませんが、通風門とかそういう機能を有しているのかと思います。
更に進み、写真-5の通り門扉を過ぎるとケーブルカーが走る斜坑部分に到着となります。
以上の門扉の奥が竜飛海底駅見学ツアー者のみが立ち入れる場所ということでして、そこに価値が見出せるならば、ぜひとも鉄道を利用してツアーを経験してほしいかなと思います。
この手前の部分は「体験坑口」として青函トンネル記念館から入場ができる部分です。
写真-6:体験坑道駅からケーブルカーで地上を目指す!!
体験坑道駅からケーブルカーで地上にある青函トンネル記念館を目指します。
前述の通り、青函トンネル記念館からケーブルカーを利用して地下深くにある体験坑道展示場を見学するのがデフォルトで、竜飛海底見学者は地下から逆行する形になります。
あとから考えると理解できますが、実際ツアーの時には「体験坑道駅」という名称の意味が分かりませんでした(苦笑)。
写真-7:斜坑を進む!!
ケーブルカーで約800mを約8分かけて昇っていきます。
海底より低い部分から出発するため、海面位置を示す目印があるなど刺激的です!!
ちなみに運行していない期間は作業用のケーブルカーに置き換えて運行しているようで、その車両は地上部の駅舎脇に置いてありました。
写真-8:地上部に到着!!
ケーブルカーの乗り場もトンネル内と外気が遮断されており、ケーブルカーがホームに到着すると、トンネル側のゲートが閉まり、その後に外へと繋がるドアがオープンする仕組みでした。
写真-9:ここまでの流れ(図)
写真-10:ここまでの流れ(模型)
写真-9、10で竜飛海底駅から青函トンネル記念館までの足取りを示します。
ここまでの所要時間が概ね30分弱といったところです。すなわち帰りも同様の時間がかかるわけで、地上部分の滞在時間は3コースで約1時間といったところです。
写真-11:青函トンネル記念館
青函トンネル記念館に到着すると、ガイドさんより再集合15時25分のアナウンスを受け、基本的にフリー時間となりましたが、施設や周辺の説明を聞いているうちに、参加メンバーのなかで竜飛崎と階段国道が見たいという雰囲気になり、結局はガイドさんの案内で前述2箇所を見てくる形になりました。
このあたりは、ケースバイケースかと思います。
記念館の施設内をじっくり見るのも面白いかと思いましたが、ここまで通ってきたルートが十分すぎるくらい面白かったので、ここで展示物を見るよりは、めったにいけない場所の観光がしたいなぁというのがオイラの本音。
土木屋的にじっくり展示物を見るのは、いつでもいいかなと。
展示館自体は新幹線云々の影響を受けなさそうですしね!!
写真-12:竜飛崎
青函トンネル記念館からは徒歩で10分少々といったところ。
とにかく風が強くて、津軽半島最北の地らしい雰囲気にテンションが高まります。
観光バスコースに組み込まれているようでして、既設柄観光客が結構居ましたね。石川さゆりさんの津軽海峡・冬景色が流れている歌碑の部分で記念撮影がさかんに行なわれていました。
やや霧がかっていましたが、薄ら見える北海道が美しかったです!!
写真-13:階段国道(国道339号線)
国道339号線のうち竜飛崎付近の一部区間が階段として指定されている珍しい箇所です。
階段上下に339号線道路部があり、2点間を結ぶ形で配置されているんですね。
調べたところ、車道を作ろうとする動きもあったようですが、このほうが観光地として望ましいという事で階段のままなのだとか。
確かにそのほうが観光的には面白いですよね。
写真-14:再びケーブルカーで竜飛海底駅を目指す!!
上記2箇所を見たあと、ガイドさんの案内でケーブルカーを管理する施設の見学をさせて頂きました。このあたりは竜飛海底駅見学ツアーならではかと思います。
一般のケーブルカーと異なり途中行き違いが無いため、どでかいワイヤーの巻き取りドラムが管理施設内にありまして、稼動している状況が見れるなど興味深かったです。
そんなこんなで約1時間があっという間に経ち、再び竜飛海底駅を目指すことになりました。
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このタイミングでガイドさんより体験坑道乗車券や青函トンネル記念館の入場券を貰います。
本当に総てが総て逆コースですな(笑)。
貰った切符には「33便15:38」という表記が見られます。
ひょっとして、このケーブルカーは時刻表通りに運行しているのかな??
写真-15:体験坑道を体験する!!
ケーブルカーの体験坑道駅を下車して、行きとは異なるルートで進んでいくと、トンネル施工機械等の展示やトンネルの施工の概要等を見ることができる体験坑道という部分を進んでいきます。
土木屋的に興味深い部分でしたが、指定列車の発車時間も迫っており、のんびりする時間もなく雰囲気だけ味わいました・・・
写真-16:竜飛海底駅全景
色々楽しめた見学ツアーの最後の締めは、竜飛海底駅の見学です。
列車の到着までやや時間がある状態で到着することから、連絡誘導路で待機ではなくホーム端ギリギリまで出て撮影することが出来ました。
ん~、狭いホームですなぁ・・・
写真-17:新幹線用のレール設置工事状況
元々標準軌企画の構造に狭軌のレールのみ敷設している状態だったわけですが、新幹線工事進捗に伴い、標準軌用のレール締結装置が設置されていることが目視確認できました。
いずれここにレールが敷設されることでしょう。
楽しみですね♪
写真-18:下り白鳥に乗車!!
楽しかった見学ツアーはこれで終了です!!
行きと同様に到着した白鳥のドアが開くなり、一気に乗り込みました。
どうやらガイドさん他作業員の方々も同列車に乗るようで、そうした運用も含めて現行の見学コースが設定されているんだなと最後の最後で分かりました。
座席に着き、再び青函トンネルを進んでいくわけですが、こうして体験した後は印象がまた変わってくるから、良い経験をしたなぁと感じた次第です。
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いつまで体験できるかわからないので、見れるうちに見ておいたほうが良いのではないかなぁ~と、皆様におススメしておきます。