京成本線2010年7月17日改正ダイヤを分析する!! (2) 日中時下り
京成本線2010年7月17日改正ダイヤの日中時下りダイヤについて分析したいと思います。
日中時ダイヤについては、60分サイクルと40分サイクルを融合した120分サイクルになっており、更に成田空港付近の回送運用の関係で多少のスジの揺らぎがあります。
よって、厳密に分析するのは難しいので、京成本線ダイヤについてはスカイライナーおよびシティライナーを基準として60分サイクルベースで捉えたいと思います。
<全体概要>
京成本線については、主として以下の変更点が挙げられます。
・旧スカイライナー廃止
・新スカイライナー新設(成田スカイアクセス経由)
・シティライナー新設
・快速の運転区間が羽田空港~佐倉間から西馬込~佐倉間に変更
このほか、成田スカイアクセス運転に伴う青砥~京成高砂間の処理の関係でスジの調整はあるものの、一般列車の運転本数、緩急接続パターンは従来ダイヤを維持しています。
よって京成本線区間だけ見れば、それほど旧ダイヤと利便性は変わっていないというのが率直な印象です。
もちろん、成田スカイアクセスが開業し、スカイライナーを最優先でダイヤ構成していることから、その影響が無いと言えば嘘になります。
最たる部分は特急の所要時間が増えたことと、新設されたシティライナーが以前のスカイライナーに比べて相当遅くなってしまったことが挙げられるかと思います。
以下、個人的な感想です。
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<特急スジの変更について>
直前の5月16日ダイヤでは、特急は75~76分運転でしたが、新ダイヤでは81分ですので、概ね5分増になっています。
この増分の内訳は日暮里~青砥間のスジが寝たことで1分、成田での時間調整で3分、成田空港付近のバッファで1分といった感じのようですね。
いずれもスカイライナースジを優先した影響であることが明確で(たとえば成田の時間調整を無くすと、空港第2ビル~成田空港間でスカイライナースジとバッティングする)、数分の調整なら可能なのかもしれませんが、空港第2ビル~成田空港間の回送を含めた制約を回避するうえで、この調整は避けられなかったものと推測します。
京成本線の空港外利用者に極力影響を与えないよう成田で時間調整しているのは、せめてもの対処なのではないかなと思います。
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<シティライナーについて>
京成本線系統のスカイライナーが無くなり、変わってシティライナーが新設されました。
青砥に停車しただけですが、所要時間は従来のスカイライナーの61分運転から、74分運転と13分も増えてしまうことになりました。
この数字だけ見ると、意図的に不便にしているような印象を受けますが、実際にダイヤを見てみると、シティライナーのスジはさまざまな制約の中で設定されていることが伺えます。
1.スカイライナーとシティライナー両系統あわせて空港第二ビルでライナー系上下列車を交換する設定にして、折り返し時間を確保した上、単線区間制約を極力無くしたかったことから、空港第2ビル~成田空港間のスジは変えられない。
2.1と同様に京成上野~京成高砂間において、スカイライナースジを最優先に設定しつつ、特急の20分間隔を維持すべくスジを設定したい。
この2点が最も大きい制約であると思われ、青砥停車のみならば64分運転はスジ上構成可能だったかもしれませんが、無理して設定して他の列車のパターンを変えることは、ただでさえ120分サイクルになっている状況をして、避けたかったのかなと思います。
結果として特急と「ほぼ」続行運転という運転形態が選択されたものと推測します。
仮に64分運転だったとしても、スカイライナーとの所要時間差は大きく開いており、大半はスカイライナーを選択すると思います。
よって、決して利便性を低くして廃止を狙うという事では無いと思っています。
従来のスカイライナースジに対して一部区間が極端に遅くなっているということではなく、全体的にスジが寝ているため、京成上野~日暮里~船橋間、船橋~成田空港間といった利用に対して、著しく不便という形になっていないのは、せめてもの対応なのかなと感じますね。
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<その他>
その他で気になる点としては、快速スジが羽田空港系統から西馬込系統に変わったため、単純に言えば都営浅草線のスジが5分ずれた形になり、その影響で青砥~小岩間で時間調整をすることになってしまいました。
以前の特急と急行くらいの停車駅差であれば、青砥付近は5・15分間隔くらいが都合が良かったのですが、快速だとちょっとキツイ感じです。
ダイヤ構成上仕方ないのですが、このパターンを今後維持していくとなると、快速を急行に格下げして時間調整を停車駅増に充てるとか、特急の停車駅を見直して、特急と快速の運転間隔によらず普通が等間隔にするようなパターンも求めていく必要があるのかもしれません。
今回はスカイアクセス開業最初のダイヤですので、次回改正でどのようにチューンナップがされていくのか、期待したいところです!!