2011年3月12日

西武新宿線2011年3月5日改正ダイヤ分析 朝ラッシュ時

110312.jpg

 西武新宿線2011年3月5日改正ダイヤを分析します。

 まずは朝ラッシュ時です。

 朝ラッシュ時の主な変更点は、改正ソースにあるとおり、

 1)小平における優等列車の時間調整を無くすことによる速達化
 2)各駅停車の中井待避を沼袋待避に変更

 ですが、実際にダイヤを引いてみるとその他に細かい変更がたくさんあるようです。

 以下、分析です!!

110312_01.gif
図:西武新宿線2011年3月5日改正ダイヤ 朝ラッシュ時

 <優等の速達化について>

 小平において本川越方面、拝島方面いずれかの急行が別系統の各駅停車と接続を行うのが基本パターンでしたが、その場合各駅停車が先に小平を出発する形になっていました。

 その理由は、花小金井、田無2駅が以遠新宿側の駅と異なり下車が多く、急行が田無まで各駅停車の機能を有しているため、小平で別系統の利用客を集客すると混むからです。

 小平からは対西武新宿方面の優等の機能が強まることもあり、上記2駅への利用は空いている各駅停車に担わせるという狙いであるという事ですね。

 今回、そのパターンを崩す形になった訳ですが、新ダイヤを見ると決して混雑が緩和されてきたからという事ではなく、単純に小平での接続の見直しにより急行への集中を回避したからということのようです。

 具体的には、今回の改正で本川越系統の急行と拝島発急行スジのあり方が見直されました。

 長らく15分サイクルをベースとしたダイヤが採用され、本川越発の通勤急行と急行、拝島発の急行がそれぞれ西武新宿口で15分等間隔、合わせて7.5分間隔になるように設定され、かつそれぞれの列車に別方面からも乗り換えで利用できるパターンを採用していました。

 枝分かれ路線であるからこそのダイヤパターンという感じですが、本川越系統と拝島系統の最速優等をあわせて7.5分間隔にするのは、平成13年12月15日の改正まで本川越発が鷺ノ宮通過の通勤急行、拝島発が上石神井通過の快速であり、両列車のスジを接近させないというダイヤ上の配慮がそのまま継続されてきたような印象もあります。

 その後「新」通勤急行が設定され、本川越発優等2本が小平を通過する形になっても拝島発各駅停車から田無で乗り継ぎ出来るパターンを維持するなど、基本的な考え方は旧ダイヤまで維持されてきましたが、今回ついにダイヤの見直しが行われることになりました。

 本川越発の通勤急行と急行、拝島発の急行がそれぞれ西武新宿口で15分間隔であるのは同じですが、この両系統が続行運転する形になったのです。

 拝島発各駅停車は本川越発の準急に接続する形となり、一応優等列車に乗り継ぎできる形は維持されたことになりますね!!

-----

 <優等の速達効果について>

 小平(着)~高田馬場(着)の所要時間で新旧ダイヤを比較してみます。

 ◆旧ダイヤ

 本川越急行1 7:13→7:46(33分)
 拝島急行1 7:20→7:53(33分)
 本川越準急1 7:25→7:58(33分)
 拝島急行2 7:34→8:05(31分)
 新所沢準急1 7:37→8:10(33分)
 本川越急行2 7:41→8:14(33分)
 本川越準急2 7:47→8:21(34分)
 拝島急行3 7:50→8:26(36分)
 本川越準急3 7:57→8:28(31分)
 拝島急行4 8:07→8:37(30分)  →平均所要時間 32.7分

 ◆新ダイヤ

 本川越急行1 7:11→7:43(33分)
 新所沢準急 7:14→7:48(34分)
 拝島急行1 7:19→7:50(31分)
 本川越準急1 7:25→7:57(32分)
 拝島急行2 7:36→8:04(28分)
 本川越準急2 7:40→8:13(33分)
 本川越急行2 7:46→8:17(31分)
 拝島急行3 7:49→8:20(31分)
 本川越準急3 7:55→8:27(32分)
 拝島急行4 8:06→8:34(28分)  →平均所要時間 31.3分

 改正プレスで示されていたのは、高田馬場着8:20着列車(6分短縮)と7:43着列車(3分短縮)で、最大6分という記載、短縮されない列車もある旨の記載から平均短縮時間はさほどではないだろうと捉えていましたが、上記の通り通勤急行を除く10本の平均で見ると、1分半程度の短縮に留まりました。

 とは言え、旧ダイヤでもっとも所要時間がかかっていた拝島発急行を小平~高田馬場間で5分短縮させたあたり、きちんと見直しをした印象を受けます。

-----

 <各駅停車の中井待避を沼袋待避に変更したことについて>

 改正プレスでは待避駅変更のみ記載されており、それ以上のことが分かりませんでした。

 蓋を開けてみると、本当に待避駅を変更しただけでした。

 高田馬場着基準7:45~8:45の1時間で見たとき、旧ダイヤでは沼袋のみ待避1本、中井のみ待避6本、沼袋と中井で待避3本の計10本であったのが、新ダイヤでは沼袋で2本待避6本、1本待避4本の計10本という形に変わり、2駅待避を2列車待避と同等に捉えれば、3本分待避が増える形になりました。

 優等の平均所要時間が1分半短縮できた背景に、この待避要素増加が絡んでいるのかもしれません。

 なお、待避駅を沼袋に集約した理由はよく分かりません・・・

-----

 <その他の変更について>

 上記変更点によるダイヤの変更はあるものの、西武新宿口で16分サイクル2組(優等3本、各駅停車4本)、14分サイクル(優等3本、各駅停車3本)2組で合計26本運転であることは変わりありません。

 よって各駅における始発列車の本数などは特段変化はありませんが、パターン変更により始発列車の時刻が変わっているようです。

 一番大きな変化としては新所沢発準急7:23を7:01に変更したことが挙げられますでしょうか。

 この変更に伴い、田無始発の準急の等間隔化が図られており、全体的に見ると新ダイヤのほうがバランスは良さそうです。

 その他も、特に本数の少ない本川越口で列車間隔の調整が図られています。

-----

 以上が、朝ラッシュ時の分析です!!