東武東上線2013年3月16日ダイヤ改正について考える!!
少々遅くなってしまいましたが、東武東上線の2013年3月16日ダイヤ改正について1月22日に公式発表がありました。
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<2013年3月16日ダイヤ改正要旨>
1)メトロ副都心線を介した東急東横線・みなとみらい線との相互直通運転開始
2)快速の新設・日中時運転パターンの変更
3)TJライナーの増発・運転区間の延長
4)快速急行の増発
5)平日ラッシュ時帯の急行増発・下り急行15分間隔化
上記内容について簡単にコメントしておきたいと思います!!
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1)メトロ副都心線を介した東急東横線・みなとみらい線との相互直通運転開始について
日中時間帯の地下鉄直通運転が川越市~元町・中華街間2本、川越市~新木場間2本の計4本であることが示されています。
現行は志木折り返し系統があり、本数で見ると毎時5本あるのですが、新ダイヤでは志木折り返しが削減される形となります。
このあたりは運用上の調整もあるのかもしれませんが、後述の通り東上線の普通の成増折り返しのウエイトが高まっているあたり、他区間に比べて利用に対して本数が多かった和光市~志木間の輸送力適正化のためという印象を受けます。
いずれにしても、和光市~川越市間の普通(各駅に停車する列車)を地下鉄直通でまかなう構成は変わらずですから、副都心・有楽町両方向2本ずつの設定は妥当なところかと考えます。
直通列車の副都心線内、東急線内の種別が何であるのかは特に明示が無い辺りは、東武の立ち位置的になるほどなぁという感じはしますね。
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2)快速の新設・日中時運転パターンの変更について
個人的には1)よりこちらのほうが驚きました。
<快速について>
副都心線との直通開始以降、複雑なダイヤパターンを構成してきた東上線でしたので、きっと東横線直通時も見据えていたのかと思っていたら、ここでまたシフトチェンジとは!!
快速急行と急行の中間種別という事で「快速」となりましたが、快速急行設定時に快速が想定されていたなら、快速急行とはなっていなかったように感じるので、副都心線直通後の急行増発以降の利用状況を踏まえて、上位種別をつくろうという機運が高まった感じかなぁとは思います。
分かりやすさで考えれば急行毎時6本で良いような感じもしますが、都心区間の普通を6本には出来ない事、越生線が15分サイクルであることを考えると、15分サイクル+αという形が望ましく、ある程度急行に似た機能を有する形で、運用等も考慮して今回の快速設定になったのかなと。
快速が池袋発段階で急行の5分後に設定されているあたり、停車駅が似ているのに続行に近い辺りも、こうしたダイヤ構成、輸送上のキモに沿っているのかなと思います。
<日中時運転パターンの変更について>
快速と準急が30分間隔、急行が15分間隔、普通が7~8分間隔という事で、狙いとしている等間隔化は図られています。
運転間隔の多少のバラつきはあるものの、以前の緩急1:1パターンに戻った形で、手堅いパターンと言えましょう。
快速と準急が合わせて15分間隔とならない事については、快速のスジ設定に思惑がありそうな雰囲気があり、準急と合わせられないのかなと思うも、このズレにより成増で快速を待避した普通川越市行と準急が成増~川越市間で等間隔になりそうで却って良い感じのダイヤかもしれないなぁと思っています。
地下鉄からの直通スジは不明ですが、今までのパターンに沿うならば、和光市で急行と接続する形ですから、緩急接続駅は和光市とふじみ野が基本となり、和光市~川越市間の普通もある程度等間隔になりそうで、すっきりしたパターンになりそうです。
また、削減要素なので大々的に記載はされていませんが、和光市~志木間の複々線区間の本数が大幅に整理されていることも、上記のパターン構成に寄与していそうです。
従来ダイヤでは和光市~志木間に14本もの各駅停車(準急3本、普通4本、有楽町線直通3本、副都心直通4本)がありましたが、新ダイヤはプレスを読む限り8本(準急2本、普通2本、有楽町線2本、副都心線直通2本)になるものと想定されます。
準急を除く6本の優等に接続する各駅停車を設定するのが最も効率的かつ利便性が高いのですが、どうやらそのあたり図られそうに思えるので、本数は減ってもそれほど不便にならないものと思います。
実際の図式としては空いている列車が無くなるという感じでしょうから、それが川越市以遠の毎時6本化にリソースを割り振ったと考えるならば、妥当な変更と捉える事が出来ましょう。
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3)TJライナーの増発・運転区間の延長、4)快速急行の増発について
好評のTJライナーについて、今回の改正でも拡充が図られることになりました。
増発は平日ダイヤの21:30の1本、土休日ダイヤの18:30、19:30の2本となっており、平日ダイヤにおいては夜間帯の増発、土休日ダイヤは夕方の利用の多い時間帯の増発という形になっています。
専用車両を使う事と、池袋のホーム使用方の関係で現行の30分間隔を縮めるのは困難であることから、30分間隔の時間帯が拡大されたという見方になろうかと思います。
また平日ダイヤで設定されていた森林公園行4本が小川町行となり、全列車が小川町行となりました。
このあたり車両運用の変更により調整したものでしょう。
元々夕夜間の下りTJライナーと上り快速急行は対になっており、
TJライナー 18:00池袋-18:48森林公園/快急18:58森林公園-19:49池袋
TJライナー 20:00池袋-
という2時間サイクルを構成するために、上りを速達で返すために快速急行が運行されていますが、小川町行になると快速急行として運行しても2時間サイクルにはなりません。
新ダイヤでは上りの快速急行が夕夜間に2本増発されていますが、時刻を見てみると以下のような運用になることが想定されます。
TJライナー 18:00池袋-19:01小川町/快急19:17小川町-20:19池袋
TJライナー 20:30池袋-
つまり小川町まで運行すると2時間サイクルは組めないけれど、2時間半サイクルなら組めるので、総てを小川町行にして2時間半サイクルで運行するという事かと思います。
ここまでやって良い施策になったと思うと、本当にTJライナーは成功したのだなと感じますね!!
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5)平日ラッシュ時帯の急行増発・下り急行15分間隔化について
注目すべきは朝ラッシュ時の急行が1本増える事でしょうか。
ここ最近は朝ラッシュ時の混雑率が低下傾向にあるためか、急行の増発(正しくは準急の格上げ)が繰り返し行われており、最ピークの池袋着8:01~8:31の間の時間帯を除き、概ね15分間隔で急行が設定されるまでになっていました。
今回増える急行は前述ピークの中間時間帯になっており、ついに急行が概ね15分間隔で設定されるレベルにまでなりました。
パターン的には急行、通勤急行、準急の3本が15分サイクルに設定される形となり、分かりやすい状況になったと言えましょう。
言い換えれば、最ピークにも急行が設定できるような状況になったという事でもありますが、それは置いておきましょう。
急行がここまで増えても通勤急行が維持されているのは、興味深いところであります。
次に朝の下り急行の15分間隔化ですが、ノータッチだったので現行ダイヤを見てみると、7~9分間隔に優等1本、普通2本という緩急比率2:1のパターンで、その優等が急行、準急交互になっているため急行の発車時間がやや分かりにくい状況になっているようです。
15分間隔という事は恐らく分かりやすい発車時間にするという意味合いもありましょうが、それは時間帯により緩急比率を変えてでも急行の時刻は揃えるという事なのか、回送を設定するなどして緩急比率も維持する事なのかは分かりません。
いずれにしても分かりやすいダイヤにはなろうという感じでしょうから、期待できそうです!!
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以上です。