2013年4月26日

2013年4月25日東急東横線祐天寺駅の状況を見る!!

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 東急東横線の祐天寺駅が改良工事を行う旨の掲示がされているという情報をサイト閲覧者の方から頂きまして、興味深い内容だったので仕事終わりに駅に寄ってみました。

 確かに改良工事の概要がコンコース内に示されていて、その内容を確認したあと、駅周囲の状況を確認しましたので、簡単に報告したいと思います。

 以下、コメントです!!

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写真-1:コンコース内工事概要掲示

 改札内コンコースの掲示ブースに工事概要が掲示されていました。

 いわゆるパンフレットタイプのもので、オフィシャルな内容であることが伺えます(情報を頂くまでオイラはさっぱり知りませんでしたが・・・)。

 今回の改良工事のポイントは3点です。

 1.耐震補強工事を行うこと
 2.駅施設改良工事を行うこと
 3.優等列車通過線整備工事を行うこと

 これらをセットで行うことから見て、いずれも計画・検討はなされていたのでしょうが、様々な理由で今回整備することになった、そんな印象を受けます。

 高架駅の線路を増やすことは普通に考えると困難な工事ではあり、通常は別構造で横付け拡張をするものですが、今回のように耐震補強工事絡みで大掛かりな工事をするのであれば、その中で一体の改良をするというのもアリでしょう。

 この一体工事だからこそ、2面3線化もできるというのが実態なのかなぁとは思う次第です。

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写真-2:完成イメージパース(手前が渋谷方)

 完成イメージパースを見ると、下の交差道路の位置関係から、現在よりも上りホームは大きく渋谷方に移設され、下りホームも幾分渋谷方に移設されるようです。

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写真-3:改良工事ステップ図

 工事ステップ図です。

 まず鉄道を支える高架橋の耐震補強を行い、合わせて拡張を行うようです。

 その後下り線、上り線を幾分外側にシフトさせて、上家の改修を行いながら、ホーム施設の改修・改良を行う流れのようですね。

 2面2線構造を2面3線に構造にすると言っても、ホームが最も広い改札口付近の断面で見ると、駅施設の外側ラインは現行通りで、ホーム幅の見直しで1線分のスペースを確保することが分かります。

 ただし、これは最も施設幅のあるエリアで、ここから外れると用地条件が異なっているため、そのあたりを踏まえたレイアウトが前述のパースの通りなのかと思います。

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写真-4:改良工事・施設概要図

 上部に計画平面・断面図、下部に耐震補強工事概要と駅施設改良工事概要が示されています。

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 耐震補強工事はイメージを見る限り、基本は既設の柱を鋼板で巻く形の補強のようですね。

 高架橋下が店舗等になっている状況においては、間仕切り壁等が支障する形になりそうなので、その他の方法で補強するケースもあるのでしょうか。

 高架下店舗は営業を止めたり、機能移設しているようなので、大々的にやるのかもしれません。

 高架橋の補強といいつつも改良の関係で形状も変えている事が断面図から分かるので、がっつりやる公算が高そうです。

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 駅施設改良工事は、現在は各ホームとも階段1箇所とエレベーター1基という状況ですが、学芸大学側にエスカレーターを各ホーム2基(上下1基ずつ)新設し、合わせて学芸大学方に改札口を新設する形のようです。

 ポイントになるのは、階段とエレベーターは既存のものを活用するという部分でしょうか。

 前述の通り、現行駅舎部の建物外面ラインは現状維持であるため、その部分は改良する必要が無いのでしょうね。

 祐天寺の上りホームは渋谷方の階段付近はかなり広くなっており、このホーム広さを線路増設に割り当てるというのが工事実態を示していそうです。

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 優等列車通過線整備工事は、現行の上下線の間に通過追越線を整備するもので、基本的には上り線を外側にシフトさせて、上り線部分に通過線を整備する形ですが、下り線も若干外側にシフトさせるので、線形改良範囲は駅部分のみならず広範囲に渡りますね。

 分岐形態を見ると、上り線は通過線が直進側になり、上り外側線が分岐側になりますが、分岐の番数は大きく、線形は相当緩やかになっていますので、祐天寺停車列車も高速進入出来そうです。

 一方下り線から通過線への渡りも設置されますが、こちらは分岐形態が上り線と比べると厳しく、通過線を使用する場合速度を落として走行することになりそうです。

 追い越す事に意味があるのかもしれませんが、どちらかというとパンフの説明文に示している通り、都心方面への優等列車の速達化を図ることが最大目的という感じがします。

 とは言え配線的に上下の融通を利かせる事でダイヤ異常時等に活用する上での整備ではないかなぁと推測しているところです。

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写真-5:ホーム学芸大学方状況

 さて、続いて現地状況を見てみましょう。

 まずは、ホーム学芸大学方の状況です。

 見ての通りホーム幅は上下とも中目黒方と比べると狭く、線路1線を上り線脇に敷設しようとすると、ホーム位置がまるまる線路になってしまいますので、新設するホームはこの外側部分に構築せざるを得ません。

 そうなると周辺の用地との兼ね合いが出てくる訳で、改良後は幾分中目黒方にシフトするのはそういった条件を加味しているのではないかと感じた次第です。

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写真-6:ホーム中目黒方状況

 ホーム中目黒方の状況です。

 上りホームの幅広さが目立つところで、線路が1線分脇にあっても、ある程度のホーム幅が確保できるようです。

 ホーム端部からすぐ道路交差部の桁となっていますが、上りホームはこの桁を越えて更に先まで、下りホームはほんの少しだけ桁部分までホームが伸びる形になっており、端部の電気施設の移設等を含めてホーム延伸をしていくものと思います。

 ポイントになるのは上りホームの切換方法でしょうねぇ、この感じだと・・・

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写真-7:高架橋中目黒方状況(上り線側)

 続いて駅周辺の状況ですが、上り線の移設に伴って高架橋を拡幅するあたりの状況は、スペース的にはやれそうな状況になっていることを確認しました。

 こうして計画が示されているという事はそのあたりは当然クリアしているでしょうから、このあたりは今後工事範囲として姿を変えていくものと思います。

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写真-8:高架橋学芸大学方状況(上り線側)

 続いて学芸大学側のホーム端部付近の状況ですが、耐震補強工事の関係もあってか、既に工事作業ヤードが確保されており、ホームをつくるくらいのスペースはありそうでした。

 このスペースが将来的に上りホームの移設位置になることが図面と照らし合わせて確認できるところで、ああなるほどなぁ~といった感じです。

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写真-9:高架橋学芸大学方状況(下り線側)

 下り線ホームも決して広い訳では無いので、少なからず線路を外側にシフトするという事は、ホームが狭い部分に関しては同様に外側にシフトする必要があるものと思いますが、現状の高架橋ラインの外側に若干用地があるようなので、ここを活用すれば何とかなりそうです。

 以上、ぱっと見たままの感想ですが、今後はちょこちょこと状況を確認していきたいと思います!!

 東急はいつだってオイラの工事調査欲を満たしてくれますな(笑)。