2013年5月30日

京王線新宿駅20時台利用状況調査

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 京王線新宿駅で20時台の利用状況を確認しましたので、報告します!!

 確認の主旨としては、橋本系統特急の利用状況、橋本系統特急有無による八王子系統特急の利用状況の影響などです。

 以下、コメントです。

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図:京王線新宿駅20時台利用状況調査

 <全体の傾向>

 グラフを見て分かる通り、京王八王子系統特急(単独運転)が最も混み、次いで京王八王子系統特急(続行運転)、橋本系統特急となり、快速と各駅停車は同程度といった形です。

 特急の本数が多く設定されていますが、バランスを見ると輸送傾向には合った設定という感じですね。

 編成中の傾向については、新宿駅の構造によるところが大きいですが、後部6~9両目の利用率が高く、京王八王子系統特急の単独運転のみ新線側からの乗換えがあるためか、先頭1~2両目の利用率が他列車と比べて高いところは注目すべき点でしょう。

 単に3番線からの発車という事であれば、もう一本の京王八王子系統の特急も似た傾向になって良さそうですが、そうなっていない理由として、特急が続行で設定されているため先頭部分の利用が分散されているという考え方がまず一つ。

 快速と各駅停車の状況から見て分かる通り、新宿の構造上特に1・2番線の先頭部分は利用が少ないのですが、その中にあって橋本系統の特急はある程度集客しており、その結果3番線の八王子系統特急も空くというロジックかなぁと。

 もう一つは、都営新宿線~新線が20時台は20分サイクルに3本の設定で、京王線方面直通利用で考えたとき、急行を逃すと次の急行まで待つのは辛いので、新宿まで出て特急に乗り換える流れがあるのかなと思います。

 1本あとが急行という状況ならば、急行を待ちそうな感じもするので、最も新宿で乗り換えをしようと思わせるのは、急行の直後の列車(新宿着20:14、34、54)なので、乗換え時間5分とすれば京王八王子系統特急(単独運転)に乗る形になるのかなと考えます。

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 <橋本系統特急の状況>

 橋本系統特急の有無により、京王八王子系統特急の混雑差が20%程度出ていますので、橋本系統特急が八王子系統特急の混雑緩和に寄与している事が分かります。

 橋本系統特急自体の混雑率もある程度出ていますので、八王子系統特急の単独運転列車の混雑緩和も図っていると言えましょう。

 快速や各駅停車よりも利用率が高く、2番線発で2分続行の後続列車としては十分に集客している印象です。

 階段の利用状況を幾分観察してみたのですが、大半が座れる状況の列車という事もあって、発車10分前から5分前くらいは2・3番線ホームに分散している流動が確認されましたので、狙い利用が一定数あるという事なのでしょうね。

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 <快速と各駅停車の状況>

 橋本特急の設定により、急行が快速化され、かつ行先が高尾山口となった点も変化点です。

 急行が持っていた相模原線内の急行停車駅への利用は橋本特急がその機能を担っていることもあり、快速は急行の近距離区間利用を担う形になります。

 そのボリュームはやはり急行と比べると少なく、急行のままならば利用が減る所、快速化で停車駅が増えた事である程度の利用を維持したという感じでしょう。

 その結果、各駅停車の利用分散を図ることができ、快速の後続の各駅停車は8両編成なのですが、それでもある程度の混雑率に収まり、対となる10両編成の各駅停車と比較しても良いバランスになっていると言えましょう。

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 以上、橋本特急の設定は増発設定であることから、従来の各列車の混雑を良い感じに分散させたと思います。

 京王八王子系統特急の後続続行という設定であるが故に、これ以上の集客がなされない訳ですが、パターン構成上続行順序を変更するのはデメリットも出てくることから、これはこれで良いのではないかと考えた次第です。

 調布までの区間で停車駅を増やしても、現時点で課題となっている八王子系統の特急からのシフトがされる訳ではないので、続行運転であることが何よりの分散効果といえるのではないでしょうか。

 こんな感じです!!