2014年9月20日

京王線ダイヤの調整を試してみる!!

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 鉄道ピクトリアルの京王特集に刺激されて、現行ダイヤの利用状況を各所で確認してみましたが、誌面の記載で懸念とされるところは利用そのものとしてはさほど拙い状況とは思えないというのが率直な感想です。

 とは言え、やはり色々と課題や調整事項はあるだろう事が誌面の記載から伺えたので、現行ダイヤの利用状況を前提として、可能な調整ができないかダイヤ想定をしてみようというのが本日のネタです。

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 個人的に誌面の記載で最も気になった部分は「特急から下位列車への乗換えが緩急接続という形ではなく、ホームで待つため分かりにくい」という部分が問題提起の冒頭にきているところです。

 この話題を受けて、特急を続行でサービス向上はしているものの、結局は続行で既存のパターンを大きく変えるものではないため、その部分のケアーには現状ダイヤはなっていないと。

 さらには続行により不満もあるといったところで、このあたりは別の記載で概ね好評という部分から見ると、色々な見解に対しての万能なコメントといった印象をうけますが、いずれにしても是正したい部分は感じられました。

 次期ダイヤとやらがすぐに導入という感じはしませんでしたので、朝ラッシュ時の修正は来年行われそうですが、日中時他はいつになるか分からない感じでしょうか(予想が楽しめて却って良いかな)。

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 現行ダイヤを見ると、確かに考えられて作成されていますが、色々細かいところを見ると都営新宿線との直通に絡み、一部ダイヤの調整しろ的なものを感じるところがあり、都営の10両化スケジュールとの絡みかどうか分かりませんが、多少なりとも暫定的なところを感じるところがあるかなぁと。

 その部分が仮に是正できるとすると、どんなダイヤパターンの調整ができるでしょうか?というチャレンジです。

 ごちゃごちゃ考えたくないので、以下を前提として考えました。

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・都営の10両車両増備に伴い、京王線直通運用を本八幡折り返し固定が不要となる。
・上記の制約回避により、現行無理な上りダイヤのスライドが可能になるとする。
・区間急行スジの制約回避により京王線内でスジが起こせる部分は起こす。
・調布における利用状況調査で、区間急行以下の利用率の低さから多少の時間調整は許容する。
・特急系の時間調整は極力無くすため、調布以遠の間隔は多少ばらつくことを許容する。
・各駅停車を京王線、相模原線に2分させるため、以遠の各停運転間隔がばらつくことも許容する。
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 以下、想定ダイヤとコメントです!!

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想定調整ダイヤ-1:スジずらしによる区間急行スジ起こしパターン

 前述の前提に基づき、まずは上り列車のスジずらしをしてみました。

 現行ダイヤ全体を眺めていて、京王八王子と高尾山口の折り返し時間が長めに設定されていたため、上りダイヤ全体を10分スライドさせても何とか組めそうな感触があったのがそもそもの出発点です。

 新宿の折り返し構成を見ると、10分サイクルに優等スジ2本、各駅停車スジ1本があり、それぞれに必要な折り返し間合いがあれば良いと考えても、現行ダイヤが相当カツカツという事もあり、かといって余裕を持たせようとすると各駅停車の番線塞ぎによる部分がタイトになることから、スジを動かさないか10分ずらしが現実的なところかなと考えた次第。

 現行ダイヤのポイントとしては、都営線内で10両運用となる急行スジを固定するところにあると感じていたので、この上り全体の10分ずらしは当然都営新宿線に影響が出てきてしまいますが、本八幡で各駅停車で折り返した列車は笹塚往復をすると再び本八幡で急行スジに乗ることが出来るので、10両編成が増備されている昨今、運用調整的な観点でも問題がなくなってくるのかなぁと。

 そこを信じて、ダイヤ調整続行です!!

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 前述の都営線内急行スジずらしが岩本町追い越し制約をクリアできたところで、笹塚における着発時刻を多少調整することが可能になったため、新宿発着の各駅停車と接続することとしました。

 実際の利用状況はともかく、接続する事で比較的利用率が低い区間急行を活かす為、ここはちょっとどうにかと考えていたところです。

 その他の笹塚~調布間は現行パターンを基本とし、区間急行のスジ起こしにトライしてみました。

 やはり多少スジが寝てしまうところはパターン維持上許容するしか無く、その余裕分がつつじヶ丘の2本ないし3本続行維持に必要な部分のため、これで良しとしました。

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 続いてトライした部分は、快速の系統変更です。

 現行の各駅停車を京王線系統に固定すると、特急スジの調布時間調整が発生してしまうので、それが京王線系統の特急の10分等間隔化に繋がっているとは言え、現行ダイヤの中で勿体無い部分として何とかしたいと考えていました。

 調布で利用状況確認をした結果、上りだと相模原線快速、下りだと相模原線区間急行が幾分利用率が高いものの、特急系と比較すると利用率は低いため、系統変更の影響は全体から見れば大きくないと捉え、京王線系統、相模原線系統とも急行系1本、各駅停車1本にすることとしました。

 都営線直通系統という事もありますが、橋本、京王八王子、高尾山口の折り返し状況を確認した結果、快速を京王八王子系統にシフトさせることとしました。

 快速が快速として折り返し可能なため、うまくハマる感じです。

 この変更により、京王線系統、相模原線系統いずれも急行系であれば特急とのホーム上乗換え、各駅停車であれば現行同様にホームで少々待つという形となりました。

 調布以遠の各停スジを等間隔から不等間隔にすることを許容する前提なので、京王線で8~12分、相模原線で6~14分間隔となりますが、特急スジの時間調整が解消できることもあってここは許容しました。

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 続いて調布以遠の調整です。

 京王線系統は現行パターンと同様に府中における緩急接続、北野における別系統接続は上下ともクリアできる事が確認出来ましたが、相模原線系統については、橋本の在線時間が長くなるという支障が出てきてしまい、色々と調整した結果区間急行をスジ上は橋本まで走らせることが出来るものの、京王多摩センターで特急との緩急接続という形にするしかクリア方法がありませんでした。

 特急の利用状況から見て、上りだと特に特急の利用率を高めることで、調布以遠の特急の利用分散が図れる計算もあって、これはこれで良いかと思うこととしました。

 というか、こうした許容をすることによって、想定調整ダイヤ-1が達成できた感じです。

 詳細までは詰めていませんが、全体として組めるかなというパターンであります!!

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 続いて、高尾山口系統が準特急になり、高尾線内が各駅停車になる土休日ダイヤへの展開という事で再調整をしてみました。

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想定調整ダイヤ-2:続行の半数をつつじヶ丘停車の準特急にしてみたパターン

 今回の出発点が上りダイヤの10分ずらしのため、橋本特急との続行のペアがいずれも高尾山口系統の準特急という形になります。

 高尾線内のスジが各駅停車になることから、スジ的に若干余裕が無くなるものの、快速の北野~京王八王子間、各駅停車の高尾~高尾山口間を若干調整することで北野の平面交差もクリアできそうです。

 この変更だけでも良いかなと思いましたが、鉄ピクの特急続行運転の言及があるので、仮に準特急をつつじヶ丘に停車させることができるかなという事で確認しましたが、結果として停車させることも出来そうかなぁというのが実感です。

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 個人的には特急系の続行運転は、停車箇所だけ見ると2分間隔が基本となるも通過区間は1分少々の運転間隔に詰めることで他列車スジの余裕を生み出している部分があり、停車駅の少ない特急系だからこそ意味があるスジ設定だと感じていましたが、故に下りの調布手前や上りの明大前手前で続行2本目の構内停車が生じてしまうというのが実態かと思います。

 現実的つつじヶ丘の詰め具合を見ると、各駅停車の待避時間短縮、つつじヶ丘~府中間のスジ維持の観点で特急系の連続通過に意味があると思いますが、上記の通り今回の調整で調布以遠の各駅停車の半数を相模原線にシフトさせたので、つつじヶ丘の待避時間が伸びることによるスジ影響が出なくなるんですね。

 となると、特急系続行の2本目はいずれにしても調布手前で停車するなら、つつじヶ丘に停車させることは出来るかもしれません。

 良し悪しはともかく、上記想定調整ダイヤ-2は準特急をつつじヶ丘に停車させてみました。

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 現行ダイヤにも意味・理由は見出してはいるつもりで、大きく変える必要性は現時点では考えていませんが、鉄ピク記載に刺激されてちょっくら考えた次第です。

 以上、前提条件を定めた上でのスジ調整のトライでしたが、こんな考え方もあるのかなという事で参考にして頂ければ幸いです。