2015年4月 7日

2015年4月7日京王線明大前朝ラッシュ時利用状況調査

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 今日は機会があったので、京王線の明大前において早朝特急・準特急運転時間帯から、朝ラッシュ時ピーク60分あたりの利用状況調査をしました。

 2月27日改定ダイヤで朝ラッシュ時ダイヤが一部修正されましたが、その修正が思いのほか多岐にわたっていました。

 秋に予定されている改定に向けて何かしらの準備的な意味合いもあったりするのかなと思ったので、仮にこの一部修正が取り急ぎであるならば、何かしら利用状況に傾向があるのかなという事で現状把握をしようと思った次第です。

 以下、データと考察です。

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図-1:京王線朝ラッシュ時明大前着利用状況データ(6:30~8:50)

 まずは調査全時間帯のデータを示します。

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 <早朝特急・準特急の状況>

 早朝特急・準特急の運行時間帯である6:35~7:15の約40分ですが、特急・準特急で合計6本の速達優等列車が設定されています。

 1本目準特急の111%から6本目の特急204%(推定混雑率)まで時間帯が遅くなればなるほど混んでいく傾向となっており、続行運転の3、4本目、5、6本目は双方似たような混雑傾向にあり、概ね調布で利用したい人は乗り切れている状況なのかなと考えるところです。

 そういう意味では京王線系統と相模原線系統の続行運転は妥当なところかと思います。

 この速達運転のため、この時間帯は概ね10~12分間に区間急行がサイクル中1本、各駅停車が途中駅発を含めてサイクル中2本走っていますが、比較的利用率の高い区間急行が速達系よりも利用率は低く、速達系列車の利用率の高さが顕著に見られます。

 ピーク時間帯の前シフトを図るという設定の狙いがハッキリ見える状況と言えるのではないかと思うところです。

 これ以上の設定に関しては、5、6本目の続行の前到着となる区間急行が180%近くになっているので(ピーク帯よりは利用率が低いですが・・・)、設定に配慮が必要な感じですが、この区間急行の混雑率は前の区間急行からの運転間隔が開いていることによる状況なので、この運転間隔を短くする=速達系列車のスジを寝かせるという事をやってまで設定したいかどうかという事が判断となりそうですね。

 個人的にはピークに近づくにつれてスジが寝るのは仕方が無いと思うので、明大前7:20頃に速達系スジがあってもとは思います。時間帯的におのずと続行になるかなぁと考えますが、なかなか難しいかな・・・

 調査の印象・感想はこんな感じです。

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 <ピーク時間帯の状況>

 7:25頃から急行系と各駅停車2本の約5分サイクルの時間帯が続き、7:40過ぎから最ピーク60分間帯となります。

 最ピーク時間帯と前時間帯との違いは、各駅停車の混雑率が高いか低いかという事になります。

 要するにピーク前時間帯は乗りたい人は優等に乗り切れる状態で、ピーク時間帯になると優等が満員のため各駅停車の利用率が高くなっていくということですよね。

 更に最ピーク時間帯となると各駅停車の利用率が優等と同等となり、明大前の停車時間が長くなり列車間隔が詰められない状況になるというのが端的な言い方かなと思います。

 基本的に優等列車はほぼ満員の状態なのでピークは7:55~8:25くらいかなぁというのが各駅停車の状態から感じるところです。

 <編成中の混雑傾向>

 編成中の混雑傾向としては、優等列車は3~4両目をピークとして前寄り後ろ寄りに向かって緩やかに空いていく形で概ね210%~180%の範囲といったところです。

 各駅停車は5両目をピークに前寄り・後ろ寄りに向かって空いていきますが、その差が前寄りは緩やかなのに対して、後ろ寄りはぐっと空いていく感じです。

 空いている車両を狙うのであれば各駅停車の後部車両という事になろうかと思います。

 一点目立つ部分として10両目が9両目よりも混んでいるというのがありますが、新宿における新線方面利用ということなのかと考えます。

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 最ピーク帯の状況を分かりやすくするため、上記図に前列車間隔と明大前における停車時間を追記し、更にピークライン(八幡山で追い越す優等と各駅停車の混雑差を均す)を入れてみました。

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図-2:京王線朝ラッシュ時明大前着ピーク時傾向分析データ

 <最ピーク時のパターンと混雑傾向について>

 基本的には20分サイクルパターンなのですが、近年のダイヤ変更で運転間隔の是正や接続・追い越しパターンの変更等があり、崩れている印象です。

 急行か区間急行かの違いは起点方においては無いので、明大前においては基本的には緩急比率1:1もしくは1:2のサイクルパターンの連続という見方が出来ます。

 ピーク後半まで各駅停車の優等2本待避は無いため、優等列車はつつじヶ丘と八幡山の両方もしくはいずれかで各駅停車を追い越しますが、その追い越しによる利用集中がサイクルの中で偏らないようにしている配慮が見られます。

 そのため、明大前到着段階で緩急比率1:2の部分を見てみると、2本目のほうが八幡山で各駅停車を追い越すため多少利用率が高いものの、概ねほぼ満員レベルでの比較ですが似たような混雑率になっていることが分かります。

 このバランスが悪いと明大前の停車時間等に影響が出て遅延が出来やすい事を過去の調査から感じているところですが、今日調査した感じではまあまあな感じだったかなとは思います。

 結局のところ弱点列車を作らない事が定時運行のキモになるという事なのかなと考えます。

 ピーク後半では八幡山における2本待避が出てきますが、各駅停車の混雑率が低くなっており、優等への集中があっても問題が無いからの設定であると考えれば、スジを立てられる所は立てようという部分も当然あることを現行ダイヤからは感じますね。

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 <前列車間隔について>

 表を見ていただくと分かるとおり、前列車間隔は1分50秒から2分20秒程度の列車が多く、最ピークを中心に一部各駅停車が2分30秒を超える状況となっています。

 優等列車は通過駅があるため前列車に詰める事が出来るのに対して、各駅停車は並行ダイヤの中でも停車駅があるため、どうしても詰められないという事を考えれば当然の結果かなと。

 以前であれば、そんな各駅停車でも詰めれてしまうような状況でしたが、多少こういう形になったのは、今回のダイヤ改定のスジ見直しによるところが大きいでしょう。

 <列車間隔に対する見解>

 明大前においては停車時間が長く、次列車が前列車発車よりも前に構内にて待機するような状況が通常設定という感じはあります。

 その設定の結果2分間に1本の列車を捌いている訳ですが、以前の緩急比率1:1の4分サイクルを止めて以降、列車間隔は少しずつ開いている印象です。

 以前もコメントしましたが、絶対的に混んでいる優等列車と空いている各駅停車という明確な二極化を図っていた事で運転間隔を維持していたのを崩しているので、当然停車時間が長い列車が増える事になるわけで、仕方ないところであると考えています。

 平均混雑率を考えれば、無理に30本走らせるよりも適切な本数で遅延が無い状態のほうが望ましいと思われ、それが現行の27本運転なんだろうなと捉えているところです。

 前述の通り各駅停車が詰められない状況は優等スジが立っているとも捉えられ、当然サイクル維持が出来ず最ピークでは3本7分という形になってしまっていますが、混雑面で許容できるならばこれで良いのかなと感じるところです。

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 <停車時間について>

 表をご覧頂くと分かりますが、最ピーク帯で概ね1分から1分10秒程度の停車時間となっています。

 最ピーク前後の比較的空いている列車は優等・各駅停車ともに停車時間が短くなる傾向にあり、混んだ列車・・・というより混んだ車両を有している列車は乗降に時間がかかり停車時間が延びているということが言えるかと思います。

 7:56着の都営線直通区間急行は明大前着時点ではダントツに混んでいる列車ですが、停車時間は59秒とさほどではなかったり、降車条件と乗車条件が重なっての結果という感じで、実際には色々と背景がありそうですが、混雑率を均等化することが停車時間の均等化にも寄与するのではないかと思うところです。

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 今回は以上です!!

 また機会を見て別駅・別条件で確認したいと思います。