2016年1月 7日

2015年12月31日小田急線下北沢駅利用状況調査

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 2015年最後の日は夜勤明けで自宅に帰ることになりました。

 ならば利用状況調査をば、ということで小田急線の下北沢でちょっくら調査をしました。

 先日、3月26日の改正内容が公式にupされ、日中時のパターンが大きく変わる事になるため、現行状況を確認しておこうという事です。

 バランスを見るだけなら大晦日でもいける筈!!

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 小田急線の複々線化工事区間に対する個人的な見解としては、小田急線の輸送構造もあるのですが登戸から下北沢に対してはさほど利用者が増えない区間という認識です。

 もちろん各駅の新宿方面への利用はありますが、登戸側区間から世田谷区内で下車する降車利用も少なからずあり、その結果、トータルで見ると登戸段階と下北沢段階はさほど変わらないということです。

 その乗降流動を担うのが急行・多摩急行と各駅停車ですが、各駅停車のみ停車する利用者は急行系が利用できるシチュエーションであれば急行を利用するが、結果各駅停車乗り通しになると判断されれば各駅停車を利用するという傾向かなと長年の調査から感じているところです。

 急行系と各駅停車の緩急接続が経堂が良いのか成城学園前が良いのかは判断が難しいですが、優等系統が10分サイクルベースなのはかなり昔から継続している事であり、各駅停車が10分サイクルをベースにしながらもパターン上10分以上間隔が開いてしまうところが無いように増発対応して処理してきた経緯があり、それは区間準急が登場した段階でほぼ10分間隔以上になる部分を無くせそうになるも本数的な意味合いで継続してきた印象を持っています。

 現行ダイヤの区間準急の利用率を踏まえて、区間準急の機能としてある「新宿~代々木上原間の多摩急行接続列車」という部分を別の形で解消できるならば、区間準急は各駅停車の機能も含めて整理できるという見解なのかなとは思います。

 話を緩急接続に戻すと、もし各駅停車が成城学園前か経堂かどちらかに整理するならば(各駅停車等間隔化のため)、成城学園前になろうかと思います。

 これは、単純に下北沢方の利用が多いため、多い区間側で各列車の利用バランスが良くなることや、和泉多摩川~喜多見間のほうが新宿までの距離が長いため成城学園前緩急接続のほうが全体の所要時間的バランスが良くなることや、登戸方からの降車利用が多いのは成城学園前~経堂間各駅であることからベターなのかなということです。

 元祖師ヶ谷大蔵民としては思うところもありますが、現実的には妥当なところなのかなと。

 増発される快速急行には遠距離区間をがっつり担ってもらって、残る急行形と各駅停車にとって下北沢~登戸~新百合ヶ丘間の利用バランスが良い感じになると良いなぁと思いますね!!

 見解はこの程度にして、現状を確認したいと思います。

 以下、調査データに対するコメントです。

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【上り方面について】

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図-1:上り方面(到着)利用状況

 <全体の混雑傾向>

 グラフで分かるとおり、快速急行が編成全体で利用率が高く、急行は平均値でその快速急行を幾分超えるものの、小田原寄り車両は比較的空いています。

 各駅停車は平均値で最混雑の先頭部分は快速急行・急行程度であるものの、後部車両は比較的空いています。

 最も空いているのは多摩急行で、各駅よりも空いている状況です。

 <バランスについて>

 最混雑は経堂で各駅停車と緩急接続する急行です。

 成城学園前で緩急接続する急行との利用差がそのまま関係する各駅停車の利用差に繋がっているため、純粋に同じボリュームをどの列車が担うか?という形になっている事が分かります。

 多くの人が急行を利用できるのが良いのか、利用バランスが良いのかは冒頭で申したとおり判断が難しいですが、こと利用面だけ見れば成城学園前緩急接続のほうが利用バランスは平均的になっており、双方に着席できる車両がある望ましい状況と言えるのではないかと思います。

 <区間準急について>

 区間準急については各駅停車の平均値程度の利用になっており、下北沢段階では各駅停車の直後設定の割りに集客していることが伺えますね。

 この理由として、複々線区間で緩急接続が無く、経堂までは前列車間隔が開いているため集客することと、後続の優等が多摩急行なので、新宿を目指すならば乗りとおしでも同じという事が挙げられましょう。

 この区間準急が従来の10分間に急行系+各駅停車という部分に単純挿入されるため、その分後続のサイクルの2列車(多摩急行と各駅停車)が比較的空いている事に繋がります。

 <上り方面まとめ>

 以上のようにサイクルパターンが微妙に異なることにより利用状況にバラつきがありますがバランスの良い成城学園前緩急接続の急行と各駅停車を快速急行と比較すると、快速急行の利用が多い事が分かります。

 そのあたりが新ダイヤにおける快速急行増発の速達化以外の狙いとなるのかなと捉えています。

 急行系と各駅停車を適切なパターンで組めばバランスが良くなり、10分間に各1本で行けることから、区間準急のリソースを快速急行にシフトさせることが出来るという事なのかと思います。

 急行系(新ダイヤでは急行に統一)と各駅停車が10分等間隔であることが条件となるならば、この両列車の緩急接続は成城学園前になるというのも仕方ないところなのかもしれません。

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 【下り方面について】

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図-2:下り方面(発車)利用状況

 <全体の混雑傾向>

 グラフで分かるとおり、快速急行と急行の利用率が高く、いずれも小田原寄り車両が比較的空いています。

 各駅停車は平均値で優等の2/3程度の利用率で、優等と同様に小田原寄り車両が比較的空いています。

 多摩急行は各駅停車と同等程度で中間車両の利用率は各駅停車程度で両端部は空いています。

 区間準急は各駅より幾分空いている状況です。

 <バランスについて>

 新宿の利用傾向が色濃く出ているのが下り方面です。

 新宿における着席指向が働くため、前方車両に移動して座るという傾向に平行して次の列車を待つという傾向を生み出し、概ね等間隔に設定されている列車がそれを担うだけの輸送力があるため、前方車両が空いているという形ですね。

 各駅停車についても10分等間隔のため、緩急接続が成城学園前か経堂かの影響は無く、概ね均等の利用状況のところに区間準急があると、各駅停車の直前出発設定ということもあり、大半が区間準急にシフトしていて後続の各駅停車が空くという形です。

 区間準急+後続の各駅停車の利用率が他の各駅停車とおおむねイーブンであるところに、区間準急が各駅停車の補佐的機能しか有していないことが伺えます。

 代々木上原で多摩急行に接続するにせよ、各駅停車ホームからの出発では利用されないという事かと思います。

 <多摩急行について>

 多摩急行は上りと同様に利用率が低めです。

 直前に毎時1本の小田原快速急行が設定されていることから集客していない形なのかと思います。

 <下り方面まとめ>

 下り方面は比較的利用バランスが明確です。

 快速急行と急行の利用バランスが比較的良いですが、小田原快速急行が無いパターンではその利用者が他の急行系にシフトする形になります。

 それが多摩急行にだけ行くならば良いのですが、前の急行にもシフトして、その列車が混みがちです。

 そういう意味で新ダイヤの快速急行増発は新宿発が10分前後の間隔が最低限確保されることから利用バランスの弱点は無くなるものと思います。

 その分急行が明確に空いてくると思いますが、それが千代田線直通系統の急行とどういうバランスになるかが注目です。

 各駅停車については現行の前列車間隔10分を担っている列車程度に利用が統一されるものと思われ、そこはあまり問題視されないかなとは思います。

 以上です。

 ダイヤ改正後に新ダイヤの状況を確認し、あらためてコメントしたいと思います!!