2009年3月20日

2009年3月20日阪神なんば線開業ダイヤを考察する!!

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 今日は阪神なんば線の開業日ですね。

 3連休ですが、今日はお仕事のオイラ。もちろん現地には行けてませんでっせ(苦笑)!!

 まぁしかし、先日JTBの時刻表を手に入れたので、せめてダイヤぐらいは確認しておきたく、帰宅後に日中時ダイヤを作成してみましたので、若干考察してみます。

 本当はさらっとコメントするだけにしようかと思ったのですが、阪神梅田駅の特急系の発車時刻が00、10、20・・・ではなくなっていたことに驚き、また平日と土休日でも時刻の違いがあったので、関係する近鉄奈良線、山陽電車の一部を含めたダイヤを上下別に作った次第です(苦笑)。

 こういう時はパワーが出るものですな♪

<阪神なんば線開業ダイヤの格子>

 阪神なんば線と直通する近鉄奈良線のダイヤが平日・土休日ともほぼ従来ダイヤを強襲していることから、近鉄側は概ね直通ダイヤを踏まえたうえで近年の改正を行ってきた印象を受けます。特に区間準急を設定したパターンは、今だから言えることですが直通を視野に入れていたように感じます。

 とは言え、まったく変更していない訳ではなく、平日ダイヤで言えば奈良方面の快速急行スジと急行スジが入れ替わっていたり、土休日ダイヤで言えば難波方面の区間準急を難波の時点で快速急行の直後スジにするため快速急行を待避したりと若干ながらスジが変わっていたりしますが、あくまで大阪線系統の特急スジの確保したうえでの出来うる範囲の対応という印象でしょうか。

 一方の阪神線内ですが、そうした近鉄側の状況を踏まえてか、近鉄側で調整しきれない部分は総て阪神線内で調整しているかのようです。その直通相手の山陽電車を巻き込んでいるのは、山陽としては直通特急の存在が重要であり、そのの運転に関して阪神と歩調を合わせざるを得ないということかと思います。

 その山陽も、神戸寄り区間の普通を削減しており、やりたい調整はしたかな?という感じにはなっているので、直通に際して様々な制約に対して各社できるだけのことをしたという事かと思います。

 そんな訳で、オイラの率直な感想は「思ったより綺麗なダイヤになっている」です。むろん犠牲になっている部分もありますが、まぁ仕方ないでしょう。特急の所要時間が増えた部分だけは残念に思いますが、快速急行の今後の利用如何で快速急行が重視されるか、梅田口の特急系が重視されるか次回の改正で弄ってきそうな気もするので、今回はまぁ良いかなと。

<快速急行の設定について>

 例によって予想を大きく外してしまいました。

 外した理由は、阪神線内の利用状況からして、西宮~三宮間の本数はあまり増えないと捉えていたため、まさか近鉄奈良線の本数にあわせた20分間隔の列車が三宮まで単純増で増えるとは思えなかったんですよね。

 近鉄奈良線の20分サイクルを変えるより、ほぼ10分サイクルと言える阪神線を擬似20分サイクルにしたほうがラクで、利用しやすい運転本数を確保したということでしょうか。

 極力運用を増やさないため、急行の半数を尼崎折り返しにすることで、実質の増発区間を西宮~三宮間にしているのはバランス的に妥当なところかと感じます。

 停車駅については、近鉄車の車両長さが阪神車より長いため、設備的な理由で停車駅を絞った印象を受けますが、元々快速急行は西宮から三宮側は通過する設定だったので、まぁ妥当な感じでしょうか。

 西宮~三宮間において普通を追い越すのが御影なので、緩急接続できればなお良かったのでしょうが、設備的な理由で停車できないですし、特急系統が毎時6本等間隔に設定されていることを考えれば、まぁやむを得ない感じかなぁというのがオイラの見解です。

 特急と続行でスジ的なバッファはあり、多少の停車駅増が見込めそうな感じではありますが、とりあえず現行のまま様子を見たいところです。

 特急の一部をなんば線方面へというのがオイラの以前の予想でしたが、よくよく考えると梅田口の特急系10分間隔が崩れるのは拙いんじゃないかなと思ったり。今は開業直後なのでなんば線熱が高まっているかもしれませんが、落ち着いてくれば現ダイヤが適当なバランスであると見られるのではないかと見ております。

<平日日中時ダイヤ下りについて>

 以下にダイヤグラムを示します。

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図-1:平日日中時ダイヤ(下り)

 快速急行がなんば線内各駅の設定になっており、その結果近鉄奈良線のダイヤはほぼ従前どおりで、梅田発の特急系統の発車時間は01、11、21になっているので、旧ダイヤに近いパターンが組めている印象です。

 特急系統が甲子園に停車するようになったのは、急行の半数が尼崎行になったことに対するフォロー、甲子園の利便性をあげたい施策上の理由がありそうですが、快速急行と尼崎~三宮間で続行運転するにあたりスジが寝てしまうので、なら止めようというダイヤ的な理由もありそうです。

 快速急行スジを見ると、今津に停車させても良さそうな気がしますが、直通運転故の尼崎での停車時間のバッファを持たせたいことと、急行の連絡を受けるため停車時間を確保したいことが理由としてありそうかな?

 魚崎~三宮間のスジが寝ているのは仕方ないところでしょう。

 快速急行スジの有無にかかわらず、西宮~三宮間の特急系統、普通が10分間隔になっているのはなかなか良いですね!!

 気になる点は、近鉄奈良線から直通する普通が快速急行を八戸ノ里で待避する列車なので、快速急行に直通利用が集中しそうなところでしょうか。急行と区間準急から乗り換えようと思うと結局快速気有効というのは、快速急行の編成が短い平日ダイヤとしてどうなのでしょうか??

<平日日中時ダイヤ上りについて>

 以下にダイヤグラムを示します。

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図-2:平日日中時ダイヤ(上り)

 基本的には下りダイヤのひっくり返しパターンになっています。

 近鉄奈良線内のパターンは従前のダイヤの快速急行スジと急行スジを逆にした形で、停車駅の差が布施と石切の2駅なので、概ね同じと居えます。

 そこになんば線スジを繋げた形になりますが、下りと異なり、なんば線普通から奈良線の急行に乗り継げる形になっているのは良い点と言えます。

<土休日日中時ダイヤ下りについて>

 以下にダイヤグラムを示します。

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図-3:土休日日中時ダイヤ(下り)

 土休日ダイヤはちょっと複雑で、尼崎における快速急行の増解結がある12時頃までと、15時半以降増解結が無いその間の時間帯で、阪神本線全体のスジがずれています。

 快速急行スジは近鉄奈良線内の20分間隔が固定なので、尼崎にて解結作業がある列車は尼崎からのスジがその分遅くなります。ところが阪神本線内の特急系統と快速急行の続行というパターンを維持せざるを得ないので、快速急行のスジにあわせて特急系統のスジ全体をずらしている訳です。

 その影響が直通相手である山陽電車まで及んでいるから、なかなか凄まじいものがありますね。

 ちなみに以降時間帯は2サイクルで調整し、約25分を2サイクルでまわすため、そこだけ12~13分サイクルに間引かれています。

 さて、ダイヤグラムで示しているのは12時台の尼崎における快速急行の解結作業が無い時間帯のものです。特急系統の発車時間は毎時05、15、25・・・となっており、0、1が駄目ならせめて5みたいな感じになっています。

 なんば線区間は快速急行が通過運転することもあり、近鉄奈良線の区間準急スジが尼崎まで延長されていますが、難波の時点で快速急行スジの直後にする必要から、快速急行スジと急行スジを逆にし、更に区間準急は従前のダイヤでは石切から難波までは先着でしたが、布施で快速急行を待避することになってしまいました。

 また、普通スジの運転間隔も従前に比べると悪くなっており、近鉄奈良線のダイヤの利便性が最も損なわれたパターンという印象を持ちます。平日よりなんば線内の本数が多いにも関わらず、奈良線急行から乗り継げる列車が快速急行だったり、尼崎において区間準急と普通(一部)から梅田発の特急系統に乗り継げないのも勿体無い部分でしょうか。

 個人的には、これなら平日のパターンのほうが良いなぁと思ったりします。

<土休日日中時ダイヤ上りについて>

 以下にダイヤグラムを示します。

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図-4:土休日日中時ダイヤ(上り)

 基本的に平日同様、下りダイヤのひっくり返しパターンです。

 尼崎におけるなんば線普通への接続は急行系になっているのが下りとやや異なる点でしょうか。

 一方で近鉄奈良線内のパターンが従前とほぼ同様であったりします。

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 こうして比較してみると、近鉄奈良線内の快速急行スジの維持が最も重要視される点ですが、20分サイクルが維持されれば大阪線系統との絡みで10分ずらしは出来るので、そのいずれかで阪神線内ダイヤとマッチングするパターンを採用したという感じであります。

 快速急行の増解結の設定がポイントであるというのは大方の見方かと思いますが、その調整は阪神線内の全体パターンずらしという大技を使っているので、結局パターン内の利用バランスはどうかというのが重視される部分じゃないのかな?と思います。

 現地を見ていないので、そのあたりは言及できませんが、いずれ調査してみたいです♪

 とりあえずこんな所で!!