2009年9月28日

コースター評価:ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

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 2009年9月21日にUSJに行って来まして、かねてから乗りたかったハリウッド・ドリーム・ザ・ライドを体験することが出来ました!!

 という事で、記憶が薄れないうちに評価しておきたいと思います。

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写真-1:エントランス全景

 ハリウッドエリア内のアメリカンな町並みの一角にエントランスがあります。

 まんまローラーコースターですから、ある意味場違いな施設であると言え、新設アトラクションとして既存のエリアのイメージを極力損なわない印象を随所に感じますが、このエントランスについても一見ローラーコースターの入口と分からない感じが良いと思っています。

 乗り場が外界からあえて見えないロケーションにしているのも、エリアのイメージに若干そぐわないという見方をしているのではないかという感じでしょうか?

 ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドはコースター車体の形状上、物をコースター内に持ち込むことが出来ないため、このエントランスの左側に乗車専用のロッカーが完備されており、身軽な体でエントランス内に進んでいくことになります。

 携帯電話やカメラ等の小物は乗車ホーム内の荷物置き場に置くことも出来ますが、基本的には持ち込まないのが賢明なようです。

 そんな訳でカメラを預けてしまったため、ここからエントランス内の写真が撮影できなかったので、文字で記録を残しておきます。

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 エントランスを進むと、優先乗車列やシングルライダー列や通常乗車列など複数のQラインが並んでおり、その合流箇所が乗車ホームの建物の下になります(1回にチャイルドチェンジ用の待合室があります)。

 乗車ホームは2階になっており、合流箇所からは一般列とシングルライダー列に分かれて2階への階段を進んでいきます。

 ホームは2つの乗り場の間に乗車ホームがあり、外側に降車ホームがある2線3面式の構造になっており、コースターは交互に到着・発車することで運転間隔の短縮を図っています。

 運転間隔を見ると、概ね1分程度の間隔で走っており、なかなかの高頻度と言えそうです。

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 車両は横4人乗りの9両編成になっており、一般的なコースターと比べると、幅が広く、両数のわりに編成長は短く感じます。

 それより特徴的なのは、体を固定する方法でしょう。

 座ってすぐに分かるのは、足がフリーだという事です。やや椅子が高めになっており、座ると足が床に付かず、ブランブラン状態なんですよね。何か自転車のサドルに腰掛けるような雰囲気さえあります。

 後方からハーネスを降ろした上で前方の音楽選択機能付き安全バーを下げるのかと思ったら、何と前方の安全バーを降ろすだけでした。

 むろん前方のバーだけでしっかりと体は固定されるのですが、上半身を前傾させようと思えば出来ますし、前述の通り足はブラブラ・・・

 こりゃ相当な浮きを感じることが出来るな・・・ そんな期待が持てた一瞬でありました。

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 オイラ的にはあまり意識しませんでしたが、音楽を聴きながら進むというのが、このコースターの最大の特徴ですので、出発時にボタン操作をしてセレクト完了!!

 ホームを出ると、すぐに180度左旋回してリフトアップとなります。

 周囲はハリウッドの建物の裏側になっており、この乗り場がそれら建物の高さを超えないような位置関係になっているのは、おそらくあえてそうなっていると思われますが、乗っている側からすると、裏路地から出発するかのような雰囲気が妙に興奮します(笑)。


写真-2:リフトアップ状況

 リフトアップ部はレール周囲に円筒形のシェルターが組まれており、周囲の景色はあまり見えません。

 これはリフトアップの演出とも言えますが、前述の通り周囲がバックヤードなので、そうした部分を見せない部分もありそうです。

 リフトアップ角度は標準的ですが、速度が比較的早めなこともあり、実際以上に勾配がキツい印象を受けました。

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写真-3:ファーストドロップ状況(横から)

 リフトアップ頂点部分は水平部分が無いため、直後にファーストドロップとなります。

 よって前方車両は若干ドロップ部分に入ってから加速が付く感じになりますが、ドロップ角度が高めなので十分スリリングでした(オイラは昼の乗車は最前列でした)。

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写真-4:ファーストドロップ状況(前から)

 横から見るとそれほどドロップ角度が無いような印象もありますが、最大勾配59度とのことですから、十分な数値です。

 実際もう少しあるような感じを受けたのは、ドロップがスムーズだったということもあるかもしれません。比較的早いリフトアップからドロップまでの移行の乗り心地が良いのでしょう!!

 ドロップ高さは比較的短めになっていますが、周囲に建物があるためこれ以上地上側にはドロップできないという制約があったのかと思われます。

 とは言え、ドロップ高さは適度な感じで、万人向けの怖さのバランスに収まっていると思われ、テーマパークのコースターとしてはベストな感じです。

 ドロップ直後に、やや線形を右に変えつつ上り勾配と繋がっていく感じもグーです!!

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写真-5:メインアーケードの屋根に沿った緩やかなキャメルバック

 パーク入口のアーケードという、いわばランドマーク的な場所にコースターのレールを設置するということで、この部分は相当拘ったと思われますが、周囲の構造物に合わせた線形が何とも素敵な浮きを味わえる部分でありました。

 何しろまだ前半部分、十分な速度がでる区間です。

 ファーストドロップ後の勢いを高さに充てるのではなく加速に充てている感じで、ゆるやかな下り勾配部分で体が浮くこと浮くこと!!

 更に左に旋回しつつ加速をつけ、右旋回しつつ上り勾配になって、そこから「ホースシュー」と呼ばれる急旋回ゾーンに突入します。

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写真-6:ホースシュー旋回状況

 かなりの急旋回で、車体は90度以上傾いているでしょうか?

 この旋回がなかなか気分爽快で、パーク外のゾーンに近いこともあり、周囲に高い建物が見えるなどロケーション的な開放感があって良いですね。

 旋回後のドロップから再び上り勾配になり、再びメインアーケードの屋根に沿った緩やかなキャメルバックを進んでいきます。

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写真-7:メインアーケードの屋根に沿った緩やかなキャメルバック2

 先ほどと同様緩やかな線形のキャメルバックで、体が浮きます。

 このあたりで、このコースターはこういう感じなんだということを乗っている人は概ね理解してくるのではないかと思います。

 しかし、この後の怒涛のキャメルバックは想定の範囲以上だということも、まだ分からない、そんな感じです。

 序盤の怒涛の展開が凄すぎて、尻すぼみになりそうな予感がするも、決してそんなことはないのでありました!!

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写真-8:建物上部の連続キャメルバックに突入!!

 やや左旋回するとハリウッドエリアの建物のラインに沿って建物の上を進んでいくような感じで連続キャメルバックに突入します。

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写真-9:建物上部の連続キャメルバックを進む!!

 レール位置自体は高い部分を走っていますが、キャメルバックの下端が建物上部という事で、落差はさほどありません。

 そのためか、比較的緩やかな線形のキャメルになっており、落下を楽しむというよりは浮きを楽しむという感じになっています。

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写真-10:まだまだ建物上部の連続キャメルバックを進む!!

 3つのキャメルバックを過ぎると、ハリウッドエリアの連続する裁ち物の端部にたどり着きます。

 ここでパーク内の通行エリアと交差しますが、通行エリアからの視界を考慮してか、往復するコースターのレール位置を近づけており、高い位置にある行きのレールは交差部が最下端となるキャメルバック、低い位置にある帰りのレールは逆に交差部が際高端となるキャメルバックを構築しています。

 恐らくあえてそうしているのだと思いますが、優れたコース設計に感心します。

 交差部の角から2つの建物の上には以前は無かった看板を配置して、極力コースターのレールを見せないあたりは流石ですね!!

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写真-11:ラグーン湖畔のダブルヘリックスに突入!!

 キャメルバック直後にやや左カーブのドロップとなり、ダブルへリックス(二重螺旋)に突入します。

 これまでが建物上でのドロップだったのに対して、ここは地上面へのドロップですので、予想以上に高さがあってドキっとしますね。

 前方にラグーンを望む形でのドロップはなかなか爽快です!!

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写真-12:ダブルヘリックスを昇っていく!!

 このダブルヘリックスは下から上への螺旋線形になっています。

 狭いスペースの旋回という事でバンク角度もかなり高めになっており、Gが強めにかかりますね。

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写真-13:ダブルヘリックス頂部からのドロップ

 ダブルヘリックスを抜けると、すぐさまドロップになります。

 決してドロップ高さは無いのですが、昇りきった直後のドロップですから、効果抜群です。

 息を決して抜かさない所が良いですね♪

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写真-14:建物に突入してフィニッシュ!!

 ドロップ後は前述のパーク内通路の交差部のキャメルバックです。

 その後、ハリウッドエリアの建物端部の中に突入していきます。

 よくよく考えると不思議なロケーションですが、まぁ良いや。建物突入は視覚的な意味合いで効果的な演出と言えましょう。

 この建物に突入すると、建物内の暗闇でピカピカとライトが点滅!! 撮影かと思いました(笑)。

 建物を抜けるとブレーキがかかり、180度左旋回してホームに到着します。

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 感想ですが、とにかくキャメルバックが多いというのが印象的でした。

 最後の最後までコンテンツが連続して、休み無く興奮が得られるコース設計は見事というしかありません。

 パーク内の限られた敷地に後付けで設置されたコースターという認識だったので、予想以上の素晴らしいコースターでした。

 コースター好きなら、絶対乗っておきたい所でしょう!!

 夜乗ると、怖さが増すので更にオススメです♪

◆落下的スリル:★★★★☆(良好)
◆コース的スリル:★★★★☆(良好)
◆爽快感:★★★★★(最高)
◆総合満足度:★★★★☆(大満足)