2010年5月19日

2010年5月16日京急線工事・施設調査(3) 京急蒲田編

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 2010年5月16日に京急蒲田駅付近の上り線が高架化された京急線の工事調査をしました。

 その(3)として京急蒲田駅の状況についてコメントします!!

 この京急蒲田編のみ、後日5月19日の夜に行った追加調査時の写真を含めています。

 5月16日の京急蒲田駅は人が多すぎて、欲しいアングルの写真が撮影出来ませんでしてね・・・(苦笑)!!

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写真-1:空港線側4番線合流付近状況

 空港線合流部付近の状況です。

 横浜方面の線路が直線になっていて、線形はなかなか良いですね。

 分岐位置がホーム端部ギリギリという配置は高架化されても変わらないのが味と言えるかな。

 ホーム端部に仮のフェンスが設置されていますが、エスカレータと階段がこれから設置されることが誘導・警告ブロックの準備状況、暫定舗装状況から伺え、その際に本設の柵が設けられるものと思います。

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写真-2:本線側空港線・副本線分岐付近状況

 本線の雑色方から進んできて、空港線および副本線へ分岐する付近の状況です。

 従来の蒲田の状況からすれば、何と余裕あるレイアウト!!

 分岐の番数も大きい感じでスムーズな運転が出来そうな感じですね。

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写真-3:本線側副本線ホーム付近状況(今回未使用範囲)

 普通列車が優等を待避するための設備として、雑色方に待避用ホームが構築されていますが、待避する普通が副本線部分で停車した後、位置を移動して本線部分に再度停車するのかどうかは良く分かりません。

 今までの文庫や川崎の運用を見る限り、そうなりそうですけど、どうなりますやら!!

 ちなみに、この副本線部分は大方工事は完了していますが、今回の上り線高架化というタイミングでは使用開始されませんでした。

 これは、上りホーム下に設けられるコンコースの工事が既存設備に支障し、暫定的な配置になっているのと、位置が離れた地上ホームとの行き来をする暫定連絡通路の位置を考慮して、本線6番線の停止位置を最終系より終点方すべく、仮ホームを構築するためかと思われます。

 詳しくは後ほどコメントします。

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写真-4:本線側副本線合流付近状況(暫定ホーム化中)

 これが、その暫定ホーム部分です。

 軌道自体は最終系のため、分岐部分をホームが覆っている、あまり見られない状況になってています。

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写真-5:梅屋敷方本線・空港線合流付近状況

 続いて梅屋敷方の状況です。

 本線と空港線の合流はホームからある程度離れており、余裕ある線形になっています。

 上層の桁形状から線路の位置が推測できますが、この先の線形を考慮しつつ、似たような線形になっている模様です。

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写真-6:京急蒲田~梅屋敷間状況1

 分岐を過ぎて暫く直線を進むと、上層の線路が少しずつ右側にシフトしていき、1線分離れたくらいで高架橋の構造が変わります。

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写真-7:京急蒲田~梅屋敷間状況2

 このあたりから下り線がアプローチ区間となります。

 元々の線形が曲線だったところなので、緩やかに曲線を進んでいきますが、線形はやや改善された感じがしないでもありません。

 若干上り勾配な感じなのは、梅屋敷駅の段階で上下線が同一レベルになる必要があるからでしょうか?

 下り線の勾配がギリギリ一杯なので、上り線を多少上げているのかな?

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写真-8:京急蒲田~梅屋敷間状況3

 下り線と同一レベルになるのは、本当に梅屋敷駅ギリギリのところです。

 梅屋敷のホームから京急蒲田付近を望むと、楽しい景色が見れそう(笑)!!

 アプローチ好きのオイラにはたまりません!!

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写真-9:京急蒲田駅構内図

 続いて、京急蒲田駅の施設状況のチェックです。

 この案内図が施設切換後の構造を的確に(当然か)示していますが、複層式で上下線の位置が異なり、かつ運転系統上両ホーム間の移動が一定数あるという状況は、仮線方式による大規模駅改良の難しいところであります。

 京急蒲田は構造上、そういう施工方法しか出来なかった訳で、通路の切替えが細かく必要だったり、場所により施工時期が異なっていたりという状況を見れば、決してこうしたくてこうなった訳ではないことは明らかです。

 その難しさが直接移動先が見えない事による部分が大きく、通勤利用など一度わかれば移動自体はさほど困難ではないことが幸いといえば幸いな状況と言え、課題は利用頻度の少ない空港利用者の誘導であると言え、それに対して出来る限りの工夫がなされているというのが現場を見ての感想でした。

 そのあたりコメントしていきましょう。

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写真-10:番線別移動カラーライン案内

 移動を分かりやすくするため、移動経路に4つのカラーが引かれており、各番線への移動ルートを間違えないように工夫しています。

 これが機能するかどうかが一つのポイントになりましょう。

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 京急蒲田駅の移動について整理してみると、大きく分けて3つになります。

 1.上り高架ホームと各出口間の移動
 2.下り地上ホームと各出口間の移動
 3.上下ホーム間の移動

 1と2については、ホームから出口への移動は出口案内に従えば良く、乗車の場合は乗りたい方面が上記番線カラーに従えば良いので、空港線方面の先発が1番線か4番線かが明確であれば、特段問題は無いのかと思います。

 その部分については、改札口付近に設けられたLED案内版で確認することが可能ですが、当面は案内等の工夫で乗り切るしかないのかな?というのが現地で感じた印象です。

 3については、まず上下線間の連絡通路を使用させるというのがポイントになりましょうか。

 上り高架ホームに居ると、出口へ向かう階段も連絡通路も見た目は殆ど変わりません。

 後述しますが、出口に繋がる階段は案内が「出口」だけ、連絡通路は案内が「番線表記」だけなのですが、そうは言っても何となく進んでしまうのが心理です。

 仮に間違えて進んでも、遠回りにはなってしまうものの別経路で辿り着くことは可能ですが、ここをキッチリさせれば、3の移動もさほど大変という事ではないのかな?と感じます。

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 ・・・

 とまぁ文字でダラダラ書いても訳が分からないので、写真で状況を示したいと思います。

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写真-11:上下ホーム間連絡通路状況(地上ホーム部)

 地上ホームと高架ホーム間を連絡する通路を地上ホームから見た状況です。

 高架ホームから地上ホームへの移動を示す緑と青のラインと、地上ホームから高架ホームへの移動を示す水色と赤のラインがあるため、4本のラインが引かれています。

 改札口への移動は総て下りのため、ホーム移動は上に上がる階段を使えば良く、その点は高架ホームより分かりやすいかもしれません。

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写真-12:上下ホーム間連絡通路状況(通路部)

 階段をあがって右に向かう通路を進んでいくと、高架ホームに上がる左右の階段があります。

 空港線方面の停車位置を考えると、4番線は右側のみ案内のほうが良いような気がしますが、階段幅が広くないのと、案内上複雑になることから、仕方ないところでしょうか。

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写真-13:上下ホーム間連絡通路状況(高架ホーム部)

 高架ホームから見た連絡通路階段状況です。

 前述の通り、出口の表記は無く、1番線・2番線への移動用であることが示されています。

 階段の側壁構造が仮設になっており、現在施設が仮設であることは明らかですが、本設に転用するものではない事が分かります。

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写真-14:高架ホーム出口方向への仮設階段状況1

 一番梅屋敷方にある出口への階段です。

 構造は地上ホームへの連絡階段と同様になっており、仮設であることが分かります。

 案内ラインは改札口からホームへのもので、品川方面の赤ラインと、羽田空港方面の水色ラインが引かれています。

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写真-15:高架ホーム出口方向への仮設階段状況2

 階段の段数が結構多く、下からの移動は結構しんどいですが、改札からだとより近いエスカレータがある通路があるため、こちらの使用頻度はやや低くなるんじゃないかと思います。

 なお、開口の状況からして、ここをホーム面として埋める感じになっていないことから、最終系としてはエスカレータ+階段とか、エスカレータ2基の構造になるように思います。

 上りホームとの位置関係から、エスカレータを事前構築することは無理だったようですね。

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写真-16:高架ホーム出口方向への本設階段・エスカ状況1

 上記階段から雑色方に進んでいくと、連絡階段の手前に本設の出口への階段およびエスカレータ(上り)があります。

 行き着く先は上記階段と同様に出口であり、地上ホームへの移動のつもりで降りてしまうと、地下道を通って行く事になり、「降りて、降りて、上がる」形の乗り換えになっちゃいますので、注意が必要。

 こちらも出口のみ示してありますが、場所が連絡通路に近いこともあり、地上ホームはここじゃない的な追記をしても良いのかなと感じた次第です。

 案内ラインは前述階段と同様です。

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写真-17:高架ホーム出口方向への本設階段状況2

 本設構造という事で、出来る範囲で最終構造になっていますが、高架ホームと改札のある地上階との丁度中間の高さからは仮設構造になっています。

 この位置がコンコース高さという事なのでしょうか?

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写真-18:西口改札付近状況

 写真-17の位置から西口改札側を見たアングルです。

 元々の上りホームの高さが基準になっており、上下ホーム間の下連絡通路は改札から地下ホームへの移動手段として継続使用する形です。

 改札口には各方面の先発列車を示すLED案内版が設置されており、それを見て各ホームに移動することになります。

 やはり1番線と4番線の空港方面が分かるかどうか・・・でしょうねぇ。

 ちなみに、真ん中上に見えている階段らしき構造は、上下ホーム間の連絡通路です。

 今後地上施設の改修をする際、支障しない絶妙な配置であることが分かります。

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写真-19:高架ホーム・出口間エレベーター状況

 上下ホーム間連絡通路付近に設けられた、地下道階(東口出口)、地上階(西口出口)、高架ホーム間の3フロアを移動できる設定です。

 これだけの設備ではありますが、暫定施設だったりします。

 本設のエレベーターは既にやや終点方の空港線線路側に外観のみ構築されている状況ですが、地上部分の施工が位置上行えないために、暫定設置を行ったものであると思われます。

 そのため、これより上の層への移動は行えません。

 仮設の連絡通路が隣にあることや、手前部分の路面の仕上げが暫定であることからして、このエリアは今後手が沢山入りそうです。

 おそらく本設の使用開始→機能移設→仮施設撤去という流れになるでしょう。

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写真-20:普通列車待避用5番線付近状況

 前述の通り、今回の上り線切換時には副本線の使用は開始されませんでした。

 本線6番線ホームは12両分の有効長があり、4両と6両編成はその有効長に対して後ろ合わせで停車する設定になっていますが、ちょうどこの位置に上下ホーム間を結ぶ連絡通路があるため、8両編成、12両編成からのホーム移動を考慮して、停止位置を連絡通路に対しても、空港線4番線への乗り換えに対しても便利な位置を「暫定」の停車位置にしたものと思われます。

 そのため、下りホームとの連絡通路を使用する限りはこのままであると思われ、この副本線を使用するのは、下り線高架化時ではないかな?と予想します。

 切り欠き副本線ホームの運用がどうなるか分かりませんが、ダイヤ上やむを得ない待避を行うにしろ、通常パターンとして頻繁に待避するにしろ、利便性を考えれは5・6番線いずれも停車する形になるのではないかと思います。

 階段やエスカレータがバッチリ整備されていることから、5番線のみ停車というセンも無くは無いと思いますけどね・・・

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写真-21:雑色方暫定停止位置状況(12両快特停車時)

 前述の通り、8両編成と12量編成は暫定位置に停車しており、雑色方は3両分の仮設ホームが設けられ、12両編成だと一杯一杯に停車しています。

 12両編成は正規の位置と3両ぶんずれているという事です。

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写真-22:雑色方暫定停止位置状況(8両快特停車時)

 こちらは8両編成が停車した状況です。

 1両のみ仮設ホームにかかっており、正規の位置とは1両ぶんずれていることが分かります。

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写真-23:梅屋敷方暫定停止位置状況(12両快特停車時)

 12両編成が暫定位置に停車している状況をホーム端部から見た状況です。

 先頭が空港線停車位置とほぼ一致しており、これはこれで便利という感じにはなっていますね。

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写真-24:ホーム上LED案内版状況

 最後に、6番ホームのLEDについて。

 種別欄の左側に2マスの空白があります。

 5番線を運用した際に何らかの補足的表記がなされるのではないかと思っていますが、はてさて??