2010年5月10日

2010年5月8日京急線利用状況調査(2)

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 2010年5月8日に京急線の利用状況調査をしましたので、報告します!!

 その(2)として、エアポート快特の京急蒲田通過化、エアポート急行新設といった変化が発生する空港輸送についての現状把握という事で、京急蒲田駅と都営浅草線の三田駅の2箇所で40分ずつ利用状況を見ました。

 まず、前提として捉えることは、新ダイヤでは京急蒲田駅の構造が工事ステップ上、完成までの過程で最も条件が悪くなるという事でしょう。

 また、京急蒲田から大鳥居手前までが単線並列運転にならざるを得ないことから、これに応じたダイヤにしなければならない事は明らかです。

 現状ダイヤは1線しかない京急蒲田駅1番線のホーム使用制約を回避したパターン、新ダイヤは上記を加味したパターンにせざるを得ないことは理解しておく必要があるでしょう。

 とりあえず、現状ダイヤで確認できたことを整理しておきたいと思います。

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図-1:京急蒲田駅での調査データ

 <全体概要>

 上下列車とも、急行が最も輸送量は多く、特急も輸送量は急行と同等ですが4両編成であることから混雑率は最も高いという状況です。快特系は上下とも急行・特急より少なくなっており、特に下りが顕著です。

 この状況ですが、どうやら単なる空港輸送という事では説明が出来ないようです。

 ホームで観察していて率直に感じたことは空港を目的地としない人がイメージよりも多いなという事でした。

 それはどういう事かと言うと、エアポート快特羽田空港行を見送って後続の特急に乗る人が居たり、上りの特急から横浜方面の普通に乗り換える人が居たりと、いわゆる近距離移動が少なからずあるんだなという事です。

 当然これらの人はエアポート快特は利用しませんので、急行と特急の利用率が高いのは空港外利用が一定数居るからと言えるかと思います。

 そう捉えれば、エアポート快特の利用率もこれで妥当と見れるのかもしれませんね。

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 <接続関係について>

 エアポート快特の京急蒲田の通過化が一つの変化ですので、京急蒲田の接続・乗換え関係について観察してみました。

 まず、品川方面の利用(空港方面)ですが、下りエアポート快特と急行の乗降状況を見る限り、空港利用については最初から羽田空港行を利用している人が大半のようです。

 確かに下り快特から急行に乗り換える人は若干居ましたが、全体から見ると微々たるもので、品川の案内を見る限りフリークエンシーをアピールすべく、京急蒲田接続の快特案内もありますが、やはり「羽田空港行」を選ぶ人が多いのかなと推測します。

 次に横浜方面の利用(空港方面)ですが、快特次第というのが端的な表現かな。直通が連結されていれば直通を利用し、連結されていなければ京急蒲田で乗り換えるということです。

 前述の通り京急川崎~京急蒲田間で直通特急に乗っている人が空港利用とは限らない訳ですが、その比率に相当するボリュームが、京急蒲田での階段使用と概ね一致するような感じだったので、直通特急の混雑ぶりから想像するイメージよりは少ないのかなと感じた次第です。

 グラフの下り列車の急行は13:31と13:52の2本がありますが、13:31の列車は所定運行だったため、上り快特からの乗り換えを受けなかったのに対して、13:52は大半を受けてしまいました。その違いが後続のエアポート快特の利用状況にも影響しており、その量が100p程度であることからすると、直通特急の半分が空港利用と仮定するならば、直通特急嗜好はそれなりにあるという事になります。

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 <まとめ>

 エアポート快特の利用率は他列車より低く、京急蒲田でも敬遠傾向があるなど、やはり空港輸送特化型列車であることが分かりました。

 現状ダイヤでは上り快特の接続列車という機能を持ち合わせていたものの、新ダイヤでは上下列車の時刻が変わったことから接続ができなくなりました。

 よって、決して通過が望ましいことではありませんが、仮に停車しても利用状況への影響は殆ど変わらないものと思われ、そうした面の配慮から8両編成のエアポート急行の新設がこのタイミングで行われたものと考えています。

 エアポート急行の利用状況が、新ダイヤの効果を示すのではないでしょうか。

 極めて設備的制約のあるダイヤなので、色々思うところはあるかと思いますが、冷静に見守りたいところです!!

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図-2:都営浅草線三田駅での調査データ

 都営浅草線の三田駅の調査は、エアポート快特とエアポート急行の利用率が都営線内の停車駅の差で生じているのかどうかの裏づけのために行いました。

 結果はデータの通りですが、調査時間帯の影響は若干ありますが、エアポート快特と急行の違いは都営浅草線内ではさほど無いことが分かります。

 エアポート快特の場合と快特の場合で直前の西馬込行普通の利用率が異なっているのが気になりますが、まぁさほど影響は無いかと。

 ちなみに、押上・京成線方面は西馬込からの区間列車の接続がエアポート快特の場合と快速の場合で異なるのですね。その利用率の違いに、西馬込方面の利用って侮れないなと思いました。