2011年3月 1日

東武東上線2011年3月5日改正ダイヤ 日中時分析

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 東武東上線2011年3月5日改正ダイヤを分析したいと思います。

 昨日に引き続き、日中時ダイヤです!!

 主な変更点は以下の通りです。

 1)急行の12分間隔化
 2)準急の20分間隔化
 3)志木~川越市間の各駅停車を1本増発

 これが実際のダイヤではどのようになったのか、確認してみましょう。

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図-1:東武東上線・越生線ダイヤグラム 日中時下り

 下りのダイヤです。

 <急行について>

 ソースの通り、急行は池袋発0、12、24、36、48分発の綺麗な12分サイクルになっており、この間隔が本数が減る森林公園まで維持されています。

 以遠は毎時3本のため1本が森林公園で時間調整していますが、残りの時間調整無し列車が小川町で寄居行に接続しているなど、注力したい急行スジについては旧ダイヤと比べると利用しやすくなった印象を受けます。

 途中の接続関係ですが、本数が少なくなる志木以遠で見ると、ふじみ野で緩急接続するのが5本中3本ですが、基本的に志木で急行の直後に各駅停車が設定されているので(志木~川越市間無待避列車を設定するため)、乗り継ぎ関係は概ね良さそうです。

 列車によって接続駅がまちまちという弊害は現行のパターンを採用する以上仕方ないところですが、その中では考慮したダイヤなのだろうなというのは各所における各駅停車スジの時間調整で見出せるところではあります。

 各駅停車が志木~川越市間で1本増発したのも、利便性を考慮した結果、7本ではうまく組めなかったという事なんだろうなぁと思ったりして。

 <準急について>

 ソースだけ見ると、20分間隔で分かりやすくという趣旨は表向きには分かりますが、やっぱり急行の12分間隔との融合性という意味で疑問が出てしまうのは仕方ないところでしょうか。

 急行とサイクルが合わないため、3本のスジの機能が異なってしまいます。

 池袋発10は成増で急行待避をしたのち川越市まで先着するスジ、30はふじみ野待避スジ、50は川越市まで先着するスジになっており、いずれも急行を補佐する位置づけとして設定している形です。

 ふじみ野待避スジは副都心線直通前の基本的なスジで、川越市まで先着するスジは副都心線直通後の基本的なスジですから、求める機能が果たされることは今回のスジでも確認できるところでしょう。

 いずれにしても急行より混まないことは明らかなので、混雑面を考慮しての設定ではないですね。

 池袋発10が成増待避という形で設定されたのも、池袋の折り返しを見ると50と同様に急行直後発にすることは不可能ではなさそうな事から分かりやすさを優先したのかなぁと思った次第です。

 普通のスジを均等にしないと、前列車間隔の開く列車の利用率が準急より高くなったりするので、準急よりも普通スジ確保の観点があるんじゃないかなと思いますね。

 <普通について>

 ここでは池袋口部分について書きます。

 旧ダイヤでは、急行5本、準急3本というパターンになりましたが、池袋口であわせて概ね等間隔の運転になっていたことから、普通も待避駅が中板橋もしくは上板橋(8本中2本)というパターンでしたが、だいたい7~8分間隔、開いても10分間隔という形をキープしていました。

 しかし、今回のダイヤでは急行12分間隔、準急20分間隔となったため、これに合わせざるをえず、池袋口で最大10分、中板橋~成増間で最大13分間隔という部分が出来てしまっています。

 単純に前後の運転間隔だけ考慮するならば、もう少しやりようはありそうですが、池袋の発着番線の縛りと、中板橋・上板橋の2箇所待避は避けたいことから考えると、まぁ妥当というか仕方ない形に収まった感じです。

 下りだけ見れば、池袋の前列車間隔でほぼ利用率が決まるので、ここを10分間隔にすることで何とか一部列車が混むことは避けたといった形でしょうか。

 <地下鉄直通について>

 ここでは地下鉄直通と和光市~川越市間の各駅停車スジについて書きます。

 地下鉄直通スジは有楽町線・副都心線それぞれ2本川越市行が設定され、更に副都心線の志木行が2本設定されていましたが、今回の改正で副都心線志木行1本を有楽町線に変更した上で川越市行に延長されました。

 この意味合いとしては、東上線のダイヤが変更したことが大きく、各駅停車区間の準急スジが賄えない部分のスジをあてはめたら、従来スジではカバーしきれなかったという事でしょう。

 副都心線内急行運転のスジは殆ど変わっていないなど、変えちゃいけないスジはあるようですが(今後を見据えているのかな?)、今回の変更は変更できたからしたという感じなのでしょうか。

 結果として、地下鉄直通スジ6本が有楽町線3本、副都心線3本となりましたので、東上線のダイヤが30分サイクルからどんどん遠ざかっているのが気にはなりますが、まあ現時点ではこれで良いのかなと思ったりです。

 志木~川越市間は時間調整や急行待避を駆使して、最大11分間隔をキープしています。

 ふじみ野待避列車が3本ある他は無待避で、前述の通り急行からの乗り継ぎも考慮されているので、急行の運転間隔がまちまちだった旧ダイヤよりは利用しやすくなかったように感じます。

 <越生線について>

 旧ダイヤと同様に、東上線のダイヤとは無関係に15分間隔になっていますが、毎時1本の列車が東上線到着直前に越生線出発という形になるため、それを解消するためか発車時間を早めて一本松で時間調整しています(上りも毎時1本同様の処理をしています)。

 下りについては以上です!!

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図-2:東武東上線・越生線ダイヤグラム 日中時上り

 次に、上りのダイヤです。

 基本的に下りのダイヤの裏返しパターンになっていますが、ダイヤ構成上の調整「しろ」を上りダイヤで消化しているようで、各所に調整部分が伺えるパターンになっています。

 それらポイントを示すと、

 1)急行は12分間隔になっているが、池袋の折り返し制約で2本のスジが寝ている。
 2)準急は池袋口で20分等間隔になっていない。
 3)普通は下りは志木系統と成増系統が交互運転であるが、上りは一部配列が崩れる。

 主として池袋の折り返し制約が大きい印象を受けてしまいます。

 東上線だけのダイヤを組むならば、上りのスジを全体的に動かして、これら制約を解消しそうな感じですが、下りと同様副都心線内急行のスジが不変であるなど直通制約というものもあるのか、池袋手前の徐行を上りの一部列車に課すことでクリアした形になっています。

 特に一部時間帯は4・5番線に上り列車を入れるのに下り列車との行き違いに苦労しているのが伺えます。

 今の番線使用方法は列車種別ごとになっていて分かりやすく、それは維持したいという事なのでしょうが、折り返しで列車種別を変更したり、結構苦労して作った印象です。

 そこまでしてキープするのが、下り列車の発車時刻の分かりやすさ、急行の等間隔化という部分が今の東上線が目指す部分というのは、分かるような気もします。