2011年8月10日

昔の時刻表を見てみる!! (2) 西武時刻表S63.12.5改正版

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 最近手に入れた古い時刻表を3回に分けて見てみたいと思います。

 先日に続き、その(2)として、西武時刻表S63.12.5改正版についてです。

 古すぎて、オイラがダイヤ研究を始める以前のものなので、ネットで改正内容を調べてみたところ、どうやら西武池袋線の朝ラッシュ時に通勤快速が新設された改正のようですね。

 急行と停車駅を変える、いわゆる千鳥停車することによって運転間隔を詰めて、何とか4サイクル中1サイクルに29本目の列車を挿入設定したエポックメイキングな内容です!!

 以下、コメントです。

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写真-1:路線図

 翌年に秩父鉄道との直通を控えた状況の路線図です。

 西武秩父駅からお花畑までが点線表記になっていて、実際の直通形態とは異なる感じ。

 この時点で設備関係は決まっていたでしょうから、あくまでイメージ表記ですよね!!

 あと現行と異なる点としては有楽町線が完成していないことくらいかな?

 路線カラーについては、西武新宿線系統のうち西武園線が新宿線と同じ青を使用していて、多摩湖線の西武遊園地側区間と拝島線区間に青色併記が無いのが現行とは異なりますね。

 実はこの時刻表の中でも別の表現の路線図があって、そちらは現行と同様なので、このタイプのほうが珍しい形なのでしょうか?

 いずれにしても、西武園線が新宿線と同じ扱いというのは、昔は位置づけが良かったのかな?

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写真-2:停車駅案内図

 池袋線系統、新宿線系統の優等停車駅案内図です。

 多くの種別が設定され、運転区間により同じ種別でも停車駅が異なるなど今よりも複雑な時代であることから、平日、休日別の記載になっています(それでも一見よく分からないけど・・・)。

 赤が特急、青とピンクが快速急行、ピンクが急行、青が快速・通勤快速、緑が準急、薄ピンクが通勤急行、薄緑が通勤準急です。

 前述の通り、池袋線の朝ラッシュ時に通勤快速が設定されており、この段階では急行の後続行に特化して大泉学園のみ停車という形です。

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 ぱっと見の印象は、池袋線系統はそれなりに停車駅の違いを種別の違いで対応させているのに対して、新宿線系統は快速急行で3種類、急行で3種類も停車駅があるのが凄いです。

 急行は朝ラッシュ時の上りの停車駅の違いなので慣れで大丈夫であるという判断、快速急行は行楽期の不定期運行で本数も少ないため、案内で対応できるといった感じなのでしょうか?

 でも、その後新宿線系統も種別が増えて、1種別1停車パターン化したところを見ると、決して望ましい状態ではなかったという事なのかなと思います。

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写真-3:西武池袋線日中時ダイヤ

 急行と準急が合わせて池袋口で10分間隔になっており、各駅停車は10分に2本、特急は1時間ごとの運転です。

 急行と準急が交互運転ではなく、急行、準急、準急、急行、急行、準急という配列になっているのは、飯能行列車を15分サイクルに近づけるべく、特急を退避する列車を急行にすることによって、対の準急と同等にするといった狙いがある模様です。

 池袋口で優等が等間隔であること、遠方区間でも等間隔であることをを基本としていたフシが感じられます。

 中間区間は各駅とも利用が多いので、急行は石神井公園とひばりヶ丘で各停に接続すれば、準急と同等といった感じでしょうか?

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 練馬の高架化工事に伴い豊島線への直通が出来なくなった頃かと記憶していますが、練馬止まりの各駅が3本設定されていますね。

 この練馬止まりは配線上練馬では折り返せず、その後本数が整理されて毎時9本になったんでしたっけ?(平成5年の時刻表では9本になっていました)

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写真-4:西武新宿線日中時ダイヤ

 新宿線は20分サイクルに急行1、準急1、各停3の綺麗なパターンです。

 急行と準急の停車駅差を起点方で7、13分間隔とずらすことによって、20分サイクル中の3本の各停が等間隔になり、準急が各駅に停車する上石神井~田無間でも各停と合わせて等間隔になり、田無以遠の優等が各駅停車になる区間において急行と準急が合わせて10分間隔になるという優れもの!!

 新所沢以遠は急行3本と準急が1~2本(時間帯による)というパターンのため、20分空くことが無いよう時間調整をしているあたり、苦慮している部分はあるのかな?という感じですが、全体的にすっきりしたダイヤですね。

 拝島線、多摩湖線、国分寺線系統が20分間隔というのが今とは異なる時代だなぁという印象です。

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写真-5:西武池袋線通勤快速スジ(池袋8:10着)

 最後に、このダイヤ改正で登場した池袋線朝ラッシュ時の通勤快速についてです。

 所沢~池袋間の運転で、池袋の到着ホームの関係で8両編成にならざるを得なかったようです(後の改正で是正)。

 急行の後続行設定で、停車駅が1駅少なくて2分早いという設定は中々の魅力。

 大泉学園基準で見ると、池袋8:09着の急行に乗ろうと思ったら、直前の各停7:49発にのらなければなりませんので、乗換手間を考えると、大泉学園利用客は大半が通勤快速にシフトするでしょうしね。

 大泉学園1駅のみ停車としたのも、この列車が遅延要素になってはならないという事なのかなと思ったりするのですが、後の停車駅増加の流れを見ると、同時間帯の他の優等列車よりは幾分空いていたのでしょうか?

 実際に調査をしたことが無いので、この列車の働きぶりがよく分からないです・・・

 晩年はダイヤ編成上池袋口での急行の後続行ではなくなり所要時間が増大したことで利便性が低下しました。

 全体的な混雑率の緩和もあって、結局廃止になってしまったのは残念なところでした。

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 色々思うところ感じられる時刻表でした!!