2012年7月14日

西武新宿線2012年6月30日改正ダイヤを分析する!!

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 西武新宿線の2012年6月30日改正ダイヤについて、西武時刻表24号をもとに新しいダイヤグラムを作成したので分析したいと思います。

 今回の改正は主として日中時ダイヤの見直しで、運転本数を削減しつつも分かりやすいダイヤを維持したい雰囲気が感じられる内容となっています。

 以下、時間帯別にコメントします。

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図-1:朝ラッシュ時ダイヤ(上り)

 朝ラッシュ時については、上記ダイヤに示すピーク60分間では一部列車の時刻修正があったのみで、殆ど変化はありませんでした。

 この時間帯以外においては、公式プレスどおり朝ラッシュ時後の時間帯において多摩湖線の運行形態の変更を行い、国分寺~一橋学園間の区間列車を減らして、運転間隔の見直しとともに萩山~国分寺間の列車を等間隔に設定する修正を行っています。

 その一部列車が西武遊園地発となっており、拝島発・西武遊園地発の併合運転が数本系統分離した形になりました。

 混雑緩和という理由がありましたが、都心方レベルの混雑と比べれば厳しい区間でもないと思われ、ソース文面通り混雑緩和の理由だけではなく各線区の運行形態の見直しに伴い、ピーク時間帯から外れた併合運転を取りやめたという印象を受けます。

 この効果によっては、今後もう少し併合が減っていくかもしれません(完全には無くならないと思いますが)。

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図-2:日中時ダイヤ(下り)

 日中時ダイヤは、今回の改正で最も大きな変化があった時間帯です。

 優等は急行に統一し、毎時1本の特急と、10分サイクルに急行1本、各駅停車1本を設定する形になりました。

 快速急行と拝島快速は種別自体が無くなり、準急も日中時間帯は走らなくなりましたので、随分とシンプルになった印象ですが、本数自体が減っているため内容としては整理方向のダイヤ見直しという事になろうかと思います。

 この改正内容を知ってから現地で利用状況を30分ほど見ましたが、その結果から見ると新ダイヤもやむなしというか、まぁ許容できる削減だなぁというのが率直な印象でした(下記参照)。

 <2012年6月7日西武新宿線高田馬場駅利用状況調査>
 https://okiraku-goraku.com/2012/06/201267.php

 緩急比率1:1というのは利用状況的に妥当なところで、運転パターン上旧ダイヤでは間隔が一定ではなく混んだ優等列車もありましたが、10分等間隔になることで混雑均等化が図られるものと思います。

 各駅停車については、運転間隔が短いために空いていた列車が無くなるというのが妥当な表現かと思います。

 急行は本川越、拝島に半数ずつ設定されましたが、小平別系統接続を維持する形になっていることから、おそらく行先の違いで利用率は変わらないものと思います。

 新宿線の所沢で調査したところ、各駅停車であっても小平で接続があるという認識があるためか、特段敬遠する流れも無かったですから、優等比率が下がるという事は本川越口で見れば確かにマイナスではあるものの、実際の利便性の観点ではそれほどマイナスではないのかな?と。

 このあたりが削減するなかでも維持しなければならないダイヤ上のキモといったところでしょうか。

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 さて、下りのダイヤですが、起点方では鷺ノ宮で緩急接続するパターンとなりました。

 構造上鷺ノ宮は下り方面のみ緩急接続できる形になっているので、この機能を活かした形になりましたね。

 ある程度鷺ノ宮の待避時間を長めに取る事で特急の有無に関わらず急行、各駅停車が田無までほぼ10分間隔(各停1本の東伏見~田無間のみ2分ズレ)を維持できているのは良い所です。

 小平以遠の本川越方面も10分サイクルベースを維持しつつ、国分寺線からの直通を含めて概ね10分前後の間隔になっているので、これも問題無いでしょう。

 拝島線も10分サイクル基調のまま玉川上水まで設定した結果、以遠が20分間隔の急行+各駅停車1本というパターンになってしまったところは、やや利便性が落ちたところでしょう。

 しかし、前述の通り新宿線のダイヤのキモを維持する以上、このあたりは割り切りという範疇かと思います。むしろ急行3本だけという形にならなかっただけよしと見るべきかもしれません。

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図-3:日中時ダイヤ(上り)

 日中時上りのダイヤですが、基本的には下りのダイヤのひっくり返しですが、緩急接続可能駅の配置上、起点方では上石神井で緩急接続するパターンとなりました。

 方面性格上、下りと比べて起点方で優等に利用が集中する形になりやすく、中井や沼袋で優等待避を行うと鷺ノ宮で優等に乗り換える人が出てしまい、利用のバランスが崩れてしまいます。

 そのため、ダイヤ上ギリギリ待避無しで設定できる上石神井を緩急接続駅とし、各駅停車も起点方である程度集客する形にしたものと考えます。

 このあたり下りと比べて余裕が無いパターンではあるものの、は西武新宿の折り返し制約や他路線との直通制約等色々な事項があるためやむなく設定した部分もあろうかと思います。

 特急を待避する駅が井荻という事もあり、特急絡みの各駅停車は待避分スジが遅くなり完全10分間隔になっていないところは仕方がないところでしょう。

 この特急待避の各駅停車の後続の急行も幾分徐行する形になっていますが、それでも各駅を追い越さない設定のほうが良いと思うので、このあたりは許容すべきところでしょう。

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図-4:夕ラッシュ時ダイヤ(下り)

 夕ラッシュ時は特段変化は有りませんでしたが、小平~本川越間の急行の時間調整の設定の仕方が毎回ちょこちょこ変わっていて、今回も多少調整しています。

 このあたりは池袋線との乗換考慮的な面もあるものと思われ、池袋線のダイヤが動く限り、少なからず調整が出てくるのかもしれませんね。

 以上です!!