2012年8月20日京王線地下化3駅施設調査(2) 布田駅編
京王線調布駅付近地下化に伴い地下駅になった国領駅、布田駅、調布駅の切換直後の施設状況を調査しましたので報告します!!
その(2)として布田駅です。
布田駅は島式ホームで緩やかな曲線部に位置しています。
様々な施工条件から単線シールド2本の間にホームを構築する形をとったため、シールドとホーム構造の接合部に柱が並ぶ構造になっていますが、メトロ南北線のようなホームドア構造にして、そのあたりの構造が自然な形で隠れているのは上手い設計と感じた次第です。
最初下車した時にやけにスッキリした構造だなぁと思ったら、ホーム真ん中に柱が無いんです。
そういった面もあって調布や国領とはホームドア構造が異なっています。
運用上複雑になる面もありながら、こうならざるを得ない部分もあったかと思うと、布田に関しては構造的にも施工計画的にみ色々課題事項があったのかなぁと推測する次第です。
土木屋的に見てですけどね♪
デザイン的には国領同様にシックな色合いですが、柱部分の茶色が強めに出ている感じでシック感が強いかな。
ホームドアがピンクとブルーですが、このアングル的にはあまり見えないですね。
ホームドアは前述の通り、天井まで高さのあるタイプです。
上り線は京王ピンク、下り線は京王ブルー色になっており、上下の区別をつけています。
車両のドアに対してホームドア幅はかなり広くなっており、寸法的には国領と調布と同等のように感じます。
ドア脇の黒い部分が柱になっており、あえてここにあることでスペースが活かせるんだなぁと感じた次第です。
LED案内板は時計を挟んで上下別に2列車表記するタイプです。
国領駅と同じ表記ですね。
ホーム階の昇降設備を終点方からチェックしていきます。
まずはエスカレーターです。
2人幅タイプが2基設置されるところですが、現時点では片側1基のみの稼働状況です。
詳しくは後述しますが、地上施設の位置制約上、エスカレーターを2基とも構築することが出来なかったためで、片側については可能な範囲のみ設置している状況です。
エスカレーター側部の仕上げ等も完成しており、出来る範囲は施工した状況が分かります。
なお、1基運用のため「上り方向」で使用しています。
エレベーターが当面使用開始されないため、このエスカレーターは車椅子対応タイプになっていることが駅の掲示で分かりました。
エレベーターについてはまだ使用開始されていない状況です。
前述エスカレーターの半分と同様の理由であり、位置的には確かにどうしようもない事が分かります。
ただ、切換後から使用開始までのタイムラグを無くすため、出来る限りの施工をしている事は随所に見られます。
そのあたりは土木屋的には理解できるところですが、利用者から見ればやはり早く出来てほしいというところでしょう。
工事中の掲示がされていて、秋頃完成とおおよその完成時期を示しているのは、こういう部分に対する配慮なのかと思います。
起点方に配置されている階段です。
地上施設が未完成のため、案内掲示に一部目隠しがありますが、ホーム階施設としては完成しています。
幅はエスカレーター2基分よりやや広い程度で、広めの印象です。
側壁部分がガラスになっているのは国領と同様ですね。
階段をホーム階から地上階に向かって見上げてみると、途中から階段幅が狭くなっているのが分かります。
地上階軌道レベル付近で構造が変わっているので、本設仕様で施工が可能であった範囲が手前方、仮設で施工が可能であった範囲が狭くなっているその先、更に地上に近い数段は階段の踏面そのものが仮設構造になっていて、切換の段階で施工した事が伺えます。
階段地上部は地上下りホームの仮囲い内であり、営業中のホーム幅確保も必要であったことから、相当苦労して施工した事が容易に想像できます。
前述の施工の違いも施工条件によるものであることが明確ですね。
階段を上がりきった付近の状況です。
とりあえず通れるようにしたといった感じの状態ですが、階段の側部、上部はすでに次の工事も見据えて覆われていますね。
このあたりは切換後すぐに動きが出る部分なので、頻繁に見ないと工事の苦労が分からないかも・・・
エスカレーターホーム階側から地上階側を見上げてみました。
左側のエスカレーターがちょうど中間位置まで構築しているのが分かります。
その上部はまったく手つかずですが、位置的に仕方ない所でしょう。
壁も可能な範囲で本設仕上げがされているようですね。
エスカレーターを上がったところです。
位置的には地上下りホームがあったところになり、右側の仮フェンスの上に下り線の架線が見えることから、この位置関係が分かる所ですね。
相当ギリギリの位置での施工であったことが伺えます。
新改札口付近から起点方を見たアングルです。
奥を右折して暫く進むと、起点方に階段、終点方に上りエスカレーターという状況になります。
地上施設がある関係で、地上下りホーム部に昇降設備、地上上りホーム部に改札口を設けて、両者を軌道レベルの高さの通路でつないた状況になっています。
地上上りホーム部の脇に設けられた仮改札口、その奥(終点方)にトイレ施設が設けられました。
この通路位置が地上上りホーム部分だった範囲ですので、切換で一気に撤去したという事になりますね。
いやいや、大変な切換です。
上り線側の側道側に改札口が設けられました。
周囲の状況から、設置できる位置に相当制約がある感じで、券売機の配置から見ても狭いスペースでやりくりした感じになっています。
元々の踏切が近い位置にあるため、下り線側からはやや遠回りになるものの、状況から見て仕方ない所でしょうか。
布田に関してだけは数日で判断しちゃいけないような気がします・・・
終点方の旧踏切部分から地上施設と今回使用開始した仮施設の位置関係を確認。
仮施設を構築した以外のところは先日まで営業していた、そのまんまの状況に驚きます。
これから地上施設構築に向けて工事が進んでいくと思いますが、昇降施設関係は急いで構築されていくものと思います。
布田駅については以上です!!